ノボエイト静注用2000の添付文書
添付文書PDFファイル
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効果・効能
血液凝固第8因子欠乏患者における出血傾向の抑制。
用法・用量
本剤を添付の溶解液全量で溶解し、1~2mL/分で緩徐に静脈内に注射する。
1回体重1kg当たり10~30国際単位を投与するが、症状に応じて適宜増減する。
定期的に投与する場合、体重1kg当たり20~40国際単位を隔日投与、又は20~50国際単位を週3回投与し、12歳未満の小児に対しては体重1kg当たり25~50国際単位を隔日投与、又は25~60国際単位を週3回投与する。
(用法・用量に関連する使用上の注意)
1国際単位(IU)の第8因子活性は健常人の血漿1mL中の第8因子活性に相当する。必要量は、体重1kg当たり1IUの第8因子の投与により血漿第8因子活性が2IU/dL上昇するという経験則より、次の計算式に基づいて算出する。
必要な単位(IU)=体重(kg)×第8因子の目標上昇値(%又はIU/dL)×0.5(IU/kg/IU/dL)。
出血症状の程度に応じて必要な期間、次に示す第8因子活性(%又はIU/dL)を下回らないように維持する。用量及び投与の間隔は臨床的な効果が得られるように個々の症例に応じて調整する。
出血エピソード及び外科手術における用量の指標:
出血:
- 軽度(関節内出血、筋肉内出血又は口腔内出血の早期):必要な第8因子活性値20~40(%)(IU/dL)、投与の間隔は12~24時間毎、治療期間は疼痛が改善し、出血エピソードが回復するまで。
- 中等度(より進行した関節内出血、筋肉内出血又は血腫):必要な第8因子活性値30~60(%)(IU/dL)、投与の間隔は12~24時間毎、治療期間は疼痛や急性の障害が回復するまで3~4日又はそれ以上。
- 重度(生命を脅かす出血):必要な第8因子活性値60~100(%)(IU/dL)、投与の間隔は8~24時間毎、治療期間は危機的状況から脱するまで。
外科手術:
- 小手術(抜歯を含む):必要な第8因子活性値30~60(%)(IU/dL)、投与の間隔は24時間毎、治療期間は必要に応じて回復するまで。
- 大手術:必要な第8因子活性値80~100(%)(IU/dL)(手術前~術後)、8~24時間毎に注射し、第8因子レベルを創傷が治癒するまで維持する。引き続き7日間、第8因子レベルを30~60%(IU/dL)に維持する。
副作用
国際共同治験において、本剤を投与した安全性評価対象症例214例(国内9例、海外205例)中17例(国内2例、海外15例)(7.9%)に26件の副作用が認められた。その主なものは注射部位紅斑3件/3例(発現症例率1.4%)、肝酵素上昇4件/3例(発現症例率1.4%)及び発熱2件/2例(発現症例率0.9%)であった(承認時)。
重大な副作用
ショック、アナフィラキシー:ショック、アナフィラキシーが現れることがあるので、観察を十分に行い、蕁麻疹、胸部圧迫感、喘鳴、低血圧、過敏症等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
その他の副作用
- 過敏症:(1%未満)発疹。
- 肝臓:(1%以上)肝酵素上昇(ALT上昇、AST上昇等)。
- 循環器:(1%未満)高血圧、心拍数増加、洞頻脈。
- 精神神経系:(1%未満)眩暈、頭痛、不眠症。
- 筋・骨格:(1%未満)筋骨格硬直。
- 注射部位:(1%以上)注射部位反応(紅斑等)。
- その他:(1%未満)浮腫、発熱、疲労、熱感。
使用上の注意
(慎重投与)
ハムスター細胞由来の生物学的製剤に過敏症の既往歴のある患者。
本剤の成分又は他の第8因子製剤に対し過敏症の既往歴のある患者。
(重要な基本的注意)
本剤の投与によりアナフィラキシーを含むアレルギー反応が現れることがあるので、観察を十分に行う。
患者の血中に血液凝固第8因子に対するインヒビター発生する恐れがある。特に、血液凝固第8因子製剤による補充療法開始後、投与回数が少ない時期(補充療法開始後の比較的早期)や短期間に集中して補充療法を受けた時期にインヒビター発生しやすいことが知られている。本剤を投与しても予想した止血効果が得られない場合には、インヒビター発生を疑い、血液凝固第8因子回収率や血液凝固第8因子に対するインヒビターの検査を行うなど注意深く対応し、適切な処置を行う。
本剤の在宅自己注射は、医師がその妥当性を慎重に検討し、患者又はその家族が適切に使用可能と判断した場合のみに適用する。本剤を在宅自己注射で処方する際には、使用方法等の患者教育を十分に実施した後、在宅にて適切な治療が行えることを確認した上で、医師の管理指導のもとで実施する。また、患者又はその家族に対し本剤の注射により発現する可能性のある副作用等についても十分説明し、在宅自己注射後何らかの異常の認められた場合や投与後の止血効果が不十分な場合には速やかに医療機関へ連絡するよう指導する。在宅自己注射適用後、在宅自己注射の継続が困難な場合には、医師の管理下で慎重に観察するなど、適切な対応を行う。
(高齢者への投与)
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、患者の状態を観察しながら慎重に投与する。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ投与する。
(適用上の注意)
調製時:
- 添付の溶解液以外は使用しない。
- 他の製剤と混注しない。
- 溶解後は直ちに使用する。
- 使用後の残液は細菌汚染の恐れがあるので使用しない。
保存時(溶解後):
- 溶解後、2~8℃で保存する場合は24時間以内に使用し、30℃以下で保存する場合は4時間以内に使用する(30℃以下で4時間を超えて保存する場合、分解物が認められる可能性がある)。
- 溶解した液はバイアル中にて保存する。
- 溶解時に沈殿・混濁が認められるものや溶解後に凍結したものは使用しない。
在宅自己注射:
- 患者が家庭で保存する場合においては、冷蔵庫内での保存が望ましいが、取り出して40℃以下で保存した場合、使用期限を超えない範囲で次の期間内は使用できる(再び冷蔵庫に戻さない);①30℃を超えない場合12カ月以内、②30℃超の場合3カ月以内。
- 冷蔵庫の外で保存した場合は、再び冷蔵庫に戻さないように指導する。
- 光の影響を防ぐために、薬剤バイアルは外箱に入れた状態で保存する。
- 子供による誤用等を避けるため、薬剤の保管に十分注意する。
- 使用済みの医療機器の処理については、主治医の指示に従う。
(その他の注意)
本剤はvon Willebrand因子を含んでいない。
(取扱い上の注意)
記録の保存:本剤は特定生物由来製品ではないが血液製剤代替医薬品であることから本剤を血液凝固第8因子欠乏患者に投与(処方)した場合は、医薬品名、製造番号、投与(処方)日、使用患者名、住所等を記録し、少なくとも20年間保存する。
(保管上の注意)
禁凍結、2~8℃で遮光。