処方薬
オーラノフィン錠3mg「サワイ」
後発

オーラノフィン錠3mg「サワイ」の添付文書

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効果・効能

関節リウマチ(過去の治療において非ステロイド性抗炎症剤により十分な効果の得られなかったもの)。

用法・用量

オーラノフィンとして1日6mgを朝食後及び夕食後の2回に分割経口投与する。なお、1日6mgを超える用量は投与しない。

副作用

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

  1. 重大な副作用(頻度不明)

    1. 間質性肺炎:間質性肺炎が現れることがあるので、発熱、咳嗽、労作時息切れ等の呼吸器症状が現れた場合には、速やかに胸部X線、速やかに血液ガス分析等の検査を実施し、間質性肺炎が疑われる場合には直ちに投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤を投与するなど適切な処置を行う。
    2. 再生不良性貧血、赤芽球癆、無顆粒球症:再生不良性貧血、赤芽球癆、無顆粒球症が現れることがあるので、初期症状として全身倦怠感、皮下出血・粘膜下出血、発熱等がみられたら、速やかに血液検査を実施し、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行う。
    3. 急性腎不全、ネフローゼ症候群:急性腎不全、ネフローゼ症候群が現れることがあるので、腎機能検査値異常(BUN上昇、クレアチニン上昇等)、尿蛋白等が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行う。
  2. 重大な副作用(類薬)

    注射金剤で、剥脱性皮膚炎、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、血小板減少、白血球減少、気管支炎、気管支喘息発作増悪、大腸炎、角膜潰瘍、網膜出血、多発性神経炎、ミオキミアが現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には中止するなど適切な処置を行う。

  3. その他の副作用:次の症状が現れることがあるので、観察を十分に行い、このような症状が現れた場合には、経過を観察し、必要に応じて休薬、投与を中止するなど適切な処置を行う。

    1. 皮膚・粘膜:(頻度不明)発疹、皮膚そう痒感・粘膜そう痒感、紅斑、脱毛、蕁麻疹、光線過敏症、結膜炎。
    2. 消化器:(頻度不明)下痢・軟便、胃痛・腹痛、口内炎、悪心・嘔吐、食欲不振、消化不良、便秘、腹部膨満、胃潰瘍、舌炎、口渇、口角炎、消化管出血、歯肉炎、潰瘍性大腸炎。
    3. 血液:(頻度不明)貧血、白血球減少、血小板減少、好酸球増多、好中球減少。
    4. 腎臓:(頻度不明)BUN上昇、クレアチニン上昇等の腎機能検査値異常、蛋白尿、血尿。
    5. 肝臓:(頻度不明)AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、Al-P上昇等の肝機能検査値異常、黄疸。
    6. 呼吸器:(頻度不明)鼻出血。
    7. その他:(頻度不明)浮腫、味覚異常、眩暈、体重減少、脱力感・倦怠感、発熱、頭痛、耳鳴、IgA低下、動悸、しびれ感、水晶体への金沈着又は角膜への金沈着。

使用上の注意

(禁忌)

  1. 金製剤による重篤な副作用の既往歴のある患者[重篤な副作用が発現する恐れがある]。

  2. 金製剤に対して過敏症の既往歴のある患者。

  3. 腎障害、肝障害、血液障害あるいは重篤な下痢、消化性潰瘍等のある患者[悪化する恐れがある]。

  4. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人。

  5. 小児。

(慎重投与)

  1. 金製剤による副作用の既往歴のある患者[同種の副作用が発現する恐れがある]。

  2. 重篤な消化器障害、重篤な腎障害、重篤な肝障害、重篤な血液障害あるいは薬物過敏症の既往歴のある患者[再発する恐れがある]。

  3. 蕁麻疹、乾癬等慢性皮疹のある患者[発疹、そう痒等の副作用の確認が遅れる恐れがある]。

  4. 炎症性腸疾患のある患者[悪化する恐れがある]。

(重要な基本的注意)

  1. 本剤の投与にあたっては、金療法を含む関節リウマチの治療法を十分把握していること。

  2. 過去の治療において非ステロイド性抗炎症剤により十分な効果の得られなかった症例に使用する。なお、罹病期間が比較的短く、骨破壊や関節変形等の進んでいない活動性の関節リウマチに対し本剤の使用を考慮する。

  3. 本剤は遅効性であり、6カ月以降に効果がみられる例もあるが、通常、効果は1~3カ月後より発現するので、少なくとも3カ月以上継続投与する(なお、従来より投与している非ステロイド性抗炎症剤はその間継続して併用することが望ましい)。

  4. 本剤並びに疾患の特性を考慮して、治療にあたっては経過を十分に観察し、漫然と投与を継続しない。

  5. 本剤の投与開始に先立ち、主な副作用を患者に説明し、特に発熱、咳嗽、労作時息切れ、全身倦怠感、皮下・粘膜下出血、下痢、そう痒、発疹、口内炎等の症状が認められた場合は、速やかに主治医に連絡するよう指示する。

  6. 本剤投与前には必ず血液検査(赤血球数、血色素量、白血球数、白血球分類及び血小板数)、肝機能検査(トランスアミナーゼ、アルカリホスファターゼ)、腎機能検査及び尿検査(蛋白、潜血、沈渣)を実施する。投与中は毎月1回及び医師が必要と判断した時に血液検査(赤血球数、血色素量、白血球数、白血球分類及び血小板数)並びに尿検査(蛋白、潜血、沈渣)を行う。また、その他の検査項目については必要に応じて実施する。なお、臨床検査のうち白血球数、血小板数及び尿蛋白の検査値が次記のいずれかの値を示したときは、投与を中止し適切な処置を行う:白血球数3000/mm3未満、血小板数100000/mm3未満、持続的尿蛋白又は尿蛋白増加傾向を示す場合、及び血尿が認められた場合。

(相互作用)

併用注意:

  1. 免疫抑制剤[血液障害が増強される恐れがある(但し、本剤に関する症例報告はない)(機序は不明;本剤及び免疫抑制剤ともに血液障害を起こす可能性のある薬剤である)]。

  2. D-ペニシラミン[類薬(注射金剤)で副作用の発現が増加したとの報告がある(但し、本剤に関する症例報告はない)(機序は不明)]。

  3. ワルファリン[動物実験で本剤の急性毒性増強が報告されているので、本剤を減量するなど慎重に投与する(但し、症例報告はない)(機序は不明)]。

  4. フェニトイン[外国で併用によりフェニトインの血中濃度が増加したとの報告がある(機序は不明)]。

(高齢者への投与)

一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意する。

(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)

  1. 妊婦等:妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、投与しない[動物実験で催奇形作用が報告されている]。

  2. 授乳婦:本剤投与中は授乳させないよう注意する[動物実験で乳汁中移行が報告されている]。

(小児等への投与)

小児等に対する安全性は確立していないので投与しない。

(過量投与)

外国において、本剤27mg/日を10日間服用したところ、中枢神経障害・末梢神経障害が発現し、本剤の投与中止とキレート剤の投与により回復した例があるので、過量投与した場合には、催吐、胃洗浄等を行うとともにキレート剤を投与するなど適切な療法を行う。なお、注射金剤の過量投与の治療にキレート剤が使用されている。

(適用上の注意)

薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。

(その他の注意)

ラットに3カ月、12カ月及び24カ月投与した毒性試験で、腎尿細管上皮細胞の巨大化、腎尿細管上皮核の巨大化及び腎尿細管上皮腫瘍がみられたとの報告がある。

(取扱い上の注意)

安定性試験:PTP包装したものを用いた長期保存試験(室温、3年間)の結果、通常の市場流通下において3年間安定であることが確認された。