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ジャディアンス錠10mg
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効果・効能

1.  2型糖尿病。
1.  慢性心不全(ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る)。
1.  慢性腎臓病(末期腎不全又は透析施行中の患者を除く)。

(効能又は効果に関連する注意)

    1. 〈2型糖尿病〉本剤は2型糖尿病と診断された患者に対してのみ使用し、1型糖尿病の患者には投与をしないこと。
    1. 〈2型糖尿病〉本剤の適用はあらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を十分に行った上で効果が不十分な場合に限り考慮すること。
    1. 〈2型糖尿病〉2型糖尿病で高度腎機能障害患者又は2型糖尿病で透析中の末期腎不全患者では本剤の血糖降下作用が期待できないため、投与しないこと〔8.2、9.2.1、16.6.1参照〕。
    1. 〈2型糖尿病〉2型糖尿病で中等度腎機能障害患者では本剤の血糖降下作用が十分に得られない可能性があるので投与の必要性を慎重に判断すること〔8.2、9.2.2、16.6.1、17.1.4参照〕。
    1. 〈慢性心不全〉「臨床成績」の項の内容を熟知し、臨床試験に組み入れられた患者の背景(前治療等)を十分に理解した上で、適応患者を選択すること〔17.1.5、17.1.6参照〕。
    1. 〈慢性腎臓病〉慢性腎臓病でeGFRが20mL/min/1.73㎡未満の患者では、本剤の腎保護作用が十分に得られない可能性があること、本剤投与中にeGFRが低下することがあり、腎機能障害が悪化するおそれがあることから、投与の必要性を慎重に判断すること(eGFRが20mL/min/1.73㎡未満の患者を対象とした臨床試験は実施していない)〔8.2、9.2.4、17.1.7参照〕。
    1. 〈慢性腎臓病〉「臨床成績」の項の内容を熟知し、臨床試験に組み入れられた患者の背景(原疾患、併用薬、腎機能等)を十分に理解した上で、慢性腎臓病に対するガイドラインにおける診断基準や重症度分類等を参考に、適応患者を選択すること〔17.1.7参照〕。

用法・用量

〈2型糖尿病〉

通常、成人にはエンパグリフロジンとして10mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口投与する。なお、効果不十分な場合には、経過を十分に観察しながら25mg1日1回に増量することができる。

〈慢性心不全、慢性腎臓病〉

通常、成人にはエンパグリフロジンとして10mgを1日1回朝食前又は朝食後に経口投与する。

(用法及び用量に関連する注意)

〈慢性心不全、慢性腎臓病〉2型糖尿病を合併する慢性心不全、2型糖尿病を合併する慢性腎臓病患者では、血糖コントロールが不十分な場合には血糖コントロール改善を目的として本剤25mgに増量することができる(慢性心不全及び慢性腎臓病に対して本剤10mg1日1回を超える用量の有効性は確認されていないため、慢性心不全及び慢性腎臓病に対して本剤10mgを上回る有効性を期待して本剤25mgを投与しないこと)。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    1. 重大な副作用
  1. 1.1. 低血糖(1.4%):低血糖があらわれることがある。低血糖症状が認められた場合には、糖質を含む食品を摂取するなど適切な処置を行うこととし、α-グルコシダーゼ阻害薬との併用時に低血糖症状が認められた場合には、ブドウ糖を投与すること〔8.1、8.9、9.1.1、10.2、17.1.3参照〕。

  2. 1.2. 脱水(0.3%):口渇、多尿、頻尿、血圧低下等の症状があらわれ脱水が疑われる場合には、休薬や補液等の適切な処置を行うこと(脱水に引き続き脳梗塞を含む血栓・塞栓症等を発現した例が報告されている)〔8.5、9.1.2、9.2腎機能障害患者、9.8高齢者の項、10.2参照〕。

  3. 1.3. ケトアシドーシス(0.1%未満):ケトアシドーシス(糖尿病性ケトアシドーシスを含む)があらわれることがある〔8.6、9.1.4参照〕。

  4. 1.4. 腎盂腎炎(0.1%未満)、外陰部及び会陰部の壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽)(0.1%未満)、敗血症(0.1%未満):腎盂腎炎、外陰部壊死性筋膜炎及び会陰部壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽)があらわれ、敗血症(敗血症性ショックを含む)に至ることがある〔8.4、9.1.3参照〕。

    1. その他の副作用
    1. 感染症:(0.1~5%)尿路感染、膀胱炎、外陰部腟カンジダ症、無症候性細菌尿、(0.1%未満)外陰部腟炎、細菌性腟炎、トリコモナス症。
    2. 生殖系障害:(0.1~5%)亀頭包皮炎、陰部そう痒症、(0.1%未満)亀頭炎、外陰腟そう痒症、外陰腟不快感。
    3. 代謝及び栄養障害:(0.1~5%)高脂血症、(0.1%未満)体液量減少。
    4. 血液及びリンパ系障害:(0.1%未満)血液濃縮。
    5. 神経障害:(0.1~5%)めまい、(0.1%未満)味覚異常。
    6. 胃腸障害:(0.1~5%)便秘、(0.1%未満)腹部膨満。
    7. 皮膚及び皮下組織障害:(0.1~5%)皮膚そう痒症、発疹、(0.1%未満)湿疹、じん麻疹。
    8. 腎及び尿路障害:(0.1~5%)頻尿、多尿、排尿困難、(0.1%未満)尿量増加、尿意切迫。
    9. 一般・全身障害:(0.1~5%)口渇、(0.1%未満)空腹感。
    10. 臨床検査:(0.1~5%)体重減少、(0.1%未満)血中ケトン体陽性、尿中ケトン体陽性。

使用上の注意

(禁忌)

    1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
    1. 重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は糖尿病性前昏睡の患者[輸液及びインスリンによる速やかな高血糖の是正が必須となるので本剤の投与は適さない]。
    1. 重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[糖尿病を有する患者ではインスリン注射による血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない]。

(重要な基本的注意)

    1. 本剤の使用にあたっては、患者に対し低血糖症状及びその対処方法について十分説明すること〔9.1.1、11.1.1参照〕。
    1. 本剤投与により、血清クレアチニン上昇又はeGFR低下がみられることがあるので、腎機能を定期的に検査すること。腎機能障害のある患者では経過を十分に観察し、特に高度腎機能障害患者に本剤を投与する際には、腎機能障害悪化に注意すること。2型糖尿病の血糖コントロール改善を目的として使用している患者においては、継続的にeGFR45mL/min/1.73㎡未満に低下した場合は投与の中止を検討すること〔5.3、5.4、5.6、9.2.1、9.2.2参照〕。
    1. 2型糖尿病の血糖コントロール改善を目的として使用する場合、本剤投与中は、血糖を定期的に検査し、薬剤の効果を確かめ、本剤を3カ月投与しても効果が不十分な場合には他の治療法への変更を考慮すること。
    1. 尿路感染及び性器感染を起こし、腎盂腎炎、外陰部壊死性筋膜炎及び会陰部壊死性筋膜炎(フルニエ壊疽)、敗血症等の重篤な感染症に至ることがあるので、十分な観察を行うなど尿路感染及び性器感染の発症に注意し、発症した場合には適切な処置を行うとともに、状態に応じて休薬等を考慮すること。尿路感染及び性器感染の症状及びその対処方法について患者に説明すること〔9.1.3、11.1.4参照〕。
    1. 本剤の利尿作用により多尿・頻尿がみられることがあり、また、体液量が減少することがあるので、適度な水分補給を行うよう指導し、観察を十分行うこと。脱水、血圧低下等の異常が認められた場合は、休薬や補液等の適切な処置を行うこと(特に体液量減少を起こしやすい患者(高齢者、腎機能障害患者、利尿薬併用患者等)においては、脱水や糖尿病性ケトアシドーシス、高浸透圧高血糖症候群、脳梗塞を含む血栓・塞栓症等の発現に注意すること)〔9.1.2、9.2.2、9.8高齢者の項、10.2、11.1.2参照〕。
    1. 本剤の作用機序である尿中グルコース排泄促進作用により、血糖コントロールが良好であっても脂肪酸代謝が亢進し、ケトーシスがあらわれ、ケトアシドーシスに至ることがある。著しい血糖の上昇を伴わない場合があるため、次の点に留意すること〔9.1.4参照〕。
  1. 6.1. 悪心・嘔吐、食欲減退、腹痛、過度な口渇、倦怠感、呼吸困難、意識障害等の症状が認められた場合には、血中又は尿中ケトン体測定を含む検査を実施し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  2. 6.2. 特に、インスリン分泌能低下、インスリン製剤減量やインスリン製剤中止、過度な糖質摂取制限、食事摂取不良、感染症、脱水を伴う場合にはケトアシドーシスを発現しやすいので、観察を十分に行うこと。

  3. 6.3. 患者に対し、次の点を指導すること。

    ・ ケトアシドーシスの症状(悪心・嘔吐、食欲減退、腹痛、過度な口渇、倦怠感、呼吸困難、意識障害等)を指導すること。

    ・ ケトアシドーシスの症状が認められた場合には直ちに医療機関を受診することを指導すること。

    ・ 血糖値が高値でなくともケトアシドーシスが発現しうることを指導すること。

    〔11.1.3参照〕。

    1. 排尿困難、無尿、乏尿あるいは尿閉の症状を呈する患者においては、排尿困難、無尿、乏尿あるいは尿閉の治療を優先するとともに他剤での治療を考慮すること。
    1. 本剤投与による体重減少が報告されているため、過度の体重減少に注意すること。
    1. 低血糖症状を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときは注意すること〔11.1.1参照〕。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

  1. 1.1. 低血糖を起こすおそれのある次に掲げる患者又は状態。

    ・ 脳下垂体機能不全又は副腎機能不全。

    ・ 栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量不足又は衰弱状態。

    ・ 激しい筋肉運動。

    ・ 過度のアルコール摂取者。

    〔8.1、11.1.1参照〕。

  2. 1.2. 脱水を起こしやすい患者(血糖コントロールが極めて不良の患者、高齢者、利尿剤併用患者等)〔8.5、10.2、11.1.2参照〕。

  3. 1.3. 尿路感染、性器感染のある患者:症状を悪化させるおそれがある〔8.4、11.1.4参照〕。

  4. 1.4. 1型糖尿病を合併する慢性心不全患者及び1型糖尿病を合併する慢性腎臓病患者:投与を避けること(ケトアシドーシスを起こすおそれがある)〔8.6、11.1.3参照〕。

(腎機能障害患者)

  1. 2.1. 〈2型糖尿病〉2型糖尿病で高度腎機能障害患者又は2型糖尿病で透析中の末期腎不全患者:血糖コントロール改善を目的として投与しないこと(本剤の血糖降下作用が期待できない)〔5.3、8.2、16.6.1参照〕。

  2. 2.2. 〈2型糖尿病〉2型糖尿病で中等度腎機能障害患者:血糖コントロール改善を目的とした投与については、その必要性を慎重に判断すること(本剤の血糖降下作用が十分に得られない可能性がある)〔5.4、8.2、8.5、16.6.1、17.1.4参照〕。

  3. 2.3. 〈慢性心不全〉慢性心不全で高度腎機能障害患者:慢性心不全でeGFRが20mL/min/1.73㎡未満の患者では、投与の必要性を慎重に判断すること(本剤投与中にeGFRが低下することがあり、腎機能障害が悪化するおそれがある)、eGFRが20mL/min/1.73㎡未満の患者又は透析を要する腎機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。

  4. 2.4. 〈慢性腎臓病〉慢性腎臓病で高度腎機能障害患者:慢性腎臓病でeGFRが20mL/min/1.73㎡未満の患者では、投与の必要性を慎重に判断すること(eGFRが20mL/min/1.73㎡未満の患者では、本剤の腎保護作用が十分に得られない可能性があり、また、本剤投与中にeGFRが低下することがあり、腎機能障害が悪化するおそれがある)、eGFRが20mL/min/1.73㎡未満の患者を対象とした臨床試験は実施していない〔5.6参照〕。

(肝機能障害患者)

  1. 3.1. 高度肝機能障害患者:有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない〔16.6.2参照〕。

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、本剤を投与しないで、2型糖尿病患者ではインスリン製剤等を使用すること。本剤の動物実験(ラット)で、ヒトの妊娠中期及び後期にあたる幼若動物への曝露により、腎盂拡張及び尿細管拡張が報告されている。また、動物実験(ラット)で胎仔への移行が報告されている。

(授乳婦)

授乳しないことが望ましい(動物実験(ラット)で、乳汁中への移行が報告されている)。

(小児等)

小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

(高齢者)

高齢者:一般に生理機能が低下し、脱水症状(口渇等)の認知が遅れるおそれがある〔8.5、11.1.2参照〕。

  1. 8.1. 75歳以上の高齢者:2型糖尿病を対象とした国内外の臨床試験の併合解析において、75歳以上の2型糖尿病患者では75歳未満の患者と比較し、本剤25mg群で体液量減少の有害事象の発現割合が高かった〔8.5参照〕。

(相互作用)

本剤は投与後血漿中には主に未変化体として存在するが、一部はUGT2B7、UGT1A3、UGT1A8及びUGT1A9によるグルクロン酸抱合により代謝される(グルクロン酸抱合体として血漿中放射能の3.3~7.4%存在する)。また、本剤はP-糖蛋白(P-gp)の基質である〔16.4参照〕。

  1. 2. 併用注意
    1. 糖尿病用薬(スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進薬、α-グルコシダーゼ阻害薬、ビグアナイド系薬剤、チアゾリジン系薬剤、DPP-4阻害薬、GLP-1受容体作動薬、インスリン製剤等)〔11.1.1参照〕[低血糖が起こるおそれがある(血糖降下作用が増強される)。特に、スルホニルウレア剤又はインスリン製剤と併用する場合にはスルホニルウレア剤又はインスリン製剤の減量を検討すること(血糖降下作用が増強される)]。
    2. 血糖降下作用を増強する薬剤(β遮断薬、サリチル酸剤、モノアミン酸化酵素阻害剤等)[血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(血糖降下作用が増強される)]。
    3. 血糖降下作用を減弱する薬剤(アドレナリン、副腎皮質ホルモン、甲状腺ホルモン等)[血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(血糖降下作用が減弱される)]。
    4. 利尿薬(チアジド系薬剤、ループ利尿薬等)〔8.5、9.1.2、11.1.2、16.7.4参照〕[必要に応じ利尿薬の用量を調整するなど注意すること(利尿作用が増強されるおそれがある)]。
    5. リチウム製剤(炭酸リチウム)[リチウムの作用が減弱されるおそれがある(リチウムの腎排泄を促進することにより、血清リチウム濃度が低下する可能性がある)]。

(臨床検査結果に及ぼす影響)

本剤の作用機序により、本剤服用中は尿糖陽性、血清1,5-AG(1,5-アンヒドログルシトール)低値を示す。尿糖及び血清1,5-AGの検査結果は、血糖コントロールの参考とはならないので注意すること。

(適用上の注意)

    1. 薬剤交付時の注意

    PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。

(その他の注意)

    1. 非臨床試験に基づく情報
  1. 2.1. 雌雄マウスを用いた2年間反復投与がん原性試験(100、300及び1000mg/kg/日)において、1000mg/kg/日の雄で腎腫瘍の発生頻度の増加が認められた。

  2. 2.2. 雌雄ラットを用いた2年間反復投与がん原性試験(100、300及び700mg/kg/日)において、300mg/kg/日以上の雄で精巣間細胞腫、700mg/kg/日の雄で腸間膜リンパ節血管腫の発生頻度の増加が認められた。

  3. 2.3. マウスに本剤1000mg/kg/日(雄)及びラットに本剤300mg/kg/日(雄)を反復経口投与したときの曝露量(AUC0-24h)は、最大臨床推奨用量(1日1回25mg)のそれぞれ約33倍及び約19倍であった。

(保管上の注意)

室温保存。