ロペミン小児用細粒0.05%の添付文書
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効果・効能
急性下痢症。
用法・用量
ロペラミド塩酸塩として、小児に1日0.02~0.04mg/kg(本剤として0.04~0.08g/kg)を2~3回に分割経口投与する。なお、症状により適宜増減する。
副作用
承認までの臨床試験706例及び使用成績調査3,140例の合計3,846例中26例(0.68%)に副作用がみられた。主なものは、発疹(0.13%)、腹部膨満(0.13%)、嘔吐(0.05%)、AST(GOT)の上昇(0.16%)、ALT(GPT)の上昇(0.10%)等であった(再審査終了時)。
重大な副作用
- イレウス(0.1%未満)、巨大結腸(頻度不明):消化器症状とともにイレウス、巨大結腸が現れることがあるので、このような場合には投与を中止する。
- ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(0.1%未満):ショック、アナフィラキシーが現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が現れた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。
- 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明):中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が現れた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。
その他の副作用
- 過敏症:(頻度不明)血管浮腫[このような症状が現れた場合には、投与を中止する]。
- 中枢神経系:(0.1%未満)傾眠傾向、鎮静、筋緊張低下、(頻度不明)頭痛、意識レベル低下、筋緊張亢進、意識消失、昏迷、協調運動異常。
- 肝臓:(0.1~5%未満)AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、(頻度不明)γ-GTP上昇。
- 消化器:(0.1~5%未満)腹部膨満、(0.1%未満)嘔吐、食欲不振、腹痛、口内不快感、味覚変調、(頻度不明)腹部不快感、悪心、消化不良、便秘、鼓腸。
- 皮膚:(0.1~5%未満)発疹、(0.1%未満)蕁麻疹、多形紅斑、(頻度不明)皮膚そう痒感、水疱性皮膚炎。
- 泌尿器:(頻度不明)尿閉。
- その他:(0.1%未満)眩暈、体温低下、発熱、発汗、倦怠感、散瞳、(頻度不明)口渇、眠気、疲労、縮瞳。
使用上の注意
(禁忌)
出血性大腸炎の患者[腸管出血性大腸菌(O157等)や赤痢菌等の重篤な感染性下痢患者では、症状の悪化、治療期間の延長を来す恐れがある]。
抗生物質の投与に伴う偽膜性大腸炎の患者[症状の悪化、治療期間の延長を来す恐れがある]。
低出生体重児、新生児及び6カ月未満の乳児[外国で、過量投与により、呼吸抑制、全身性痙攣、昏睡等の重篤な副作用の報告がある]。
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
(原則禁忌)
感染性下痢患者[治療期間の延長を来す恐れがある]。
潰瘍性大腸炎の患者[中毒性巨大結腸を起こす恐れがある]。
6カ月以上2歳未満の乳幼児[外国で、過量投与により、中枢神経系障害、呼吸抑制、腸管壊死に至る麻痺性イレウスを起こしたとの報告がある]。
(慎重投与)
重篤な肝障害のある患者[本剤の代謝及び排泄が遅延する恐れがある]。
(重要な基本的注意)
小児では長期連用での安全性が確立していないので、できるだけ短期の投与にとどめる。
止瀉剤による治療は下痢の対症療法であるので、脱水症状がみられる場合、特に脱水症状の小児では、輸液等適切な水・電解質の補給に留意する。
本薬の薬理作用上、便秘、腹部膨満が発現することがあるので、用量に留意し、便の性状が回復次第速やかに投与を中止する。
眠気、眩暈が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意する。
(相互作用)
本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4及びCYP2C8で代謝されることから、CYP3A4を阻害する薬剤又はCYP2C8を阻害する薬剤と併用した際、本剤の代謝が阻害され血中濃度が上昇する可能性がある。また、本剤はP-糖蛋白の基質である。
併用注意:
ケイ酸アルミニウム(経口)、タンニン酸アルブミン(経口)[本剤の効果が減弱する恐れがあるので、投与間隔をあけるなど注意する(これらの薬剤により、本剤が吸着されることが考えられる)]。
リトナビル、キニジン[本剤の血中濃度が上昇することがある(これらの薬剤のP-糖蛋白に対する阻害作用により、本剤の排出が阻害されると考えられる)]。
イトラコナゾール[本剤の血中濃度が上昇することがある(イトラコナゾールのCYP3A4及びP-糖蛋白に対する阻害作用により、本剤の代謝及び排出が阻害されると考えられる)]。
デスモプレシン(経口)[デスモプレシンの血中濃度が上昇することがある(本剤の消化管運動抑制作用により、デスモプレシンの消化管吸収が増加すると考えられる)]。
(高齢者への投与)
用量に留意するなど、注意して投与する[一般に高齢者では生理機能が低下している]。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない]。
授乳中の婦人には本剤投与中の授乳は避けさせる[ヒトで母乳中に移行することが報告されている]。
(過量投与)
徴候、症状:外国で、過量投与により昏睡、呼吸抑制、縮瞳、協調異常、筋緊張低下、傾眠、尿閉等の中毒症状が報告されており、また、腸管壊死に至る麻痺性イレウスにより死亡に至った例、QT延長、Torsade de Pointesを含む重篤な心室性不整脈、Brugada症候群の顕在化が報告されている。
処置:過量投与時、中毒症状がみられた場合にはナロキソン塩酸塩を投与する(本剤の作用持続性に比べ、ナロキソン塩酸塩の作用は短時間しか持続しないので、必要な場合にはナロキソン塩酸塩を反復投与する)。また、過量投与時、QT延長のリスクがあるため、心電図異常に注意する。
(その他の注意)
動物実験において、大量投与で薬物依存性が認められているので、観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意する。