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スピロペント顆粒0.002%
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効果・効能

  1. 次記疾患の気道閉塞性障害に基づく呼吸困難など諸症状の緩解:気管支喘息、慢性気管支炎、肺気腫、急性気管支炎。

  2. 次記疾患に伴う尿失禁:腹圧性尿失禁。

用法・用量

  1. 気管支喘息、慢性気管支炎、肺気腫、急性気管支炎:1回クレンブテロール塩酸塩として20μgを1日2回、朝及び就寝前に経口投与する。頓用として、1回クレンブテロール塩酸塩として20μgを経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。5歳以上の小児には、1回クレンブテロール塩酸塩として0.3μg/kgを1日2回、朝及び就寝前に経口投与する。頓用として、5歳以上の小児には、1回クレンブテロール塩酸塩として0.3μg/kgを経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。本剤の頓用を反復しなければならない場合には、早急に医師の指示を受けさせる。

  2. 腹圧性尿失禁:1回クレンブテロール塩酸塩として20μgを1日2回、朝及び夕に経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。但し、60μg/日を上限とする。

副作用

効能・効果が気管支喘息、慢性気管支炎、肺気腫、急性気管支炎の気道閉塞性障害に基づく呼吸困難など諸症状の緩解では、スピロペント錠承認時、効能・効果追加承認時、スピロペント顆粒承認時及び使用成績調査における安全性評価対象13,517例中499例(3.7%)に624件の副作用が認められた。主な症状は振戦270件(2.0%)、動悸158件(1.2%)等であり、副作用とされた臨床検査値の変動は、AST(GOT)上昇3件(0.02%)、ALT(GPT)上昇3件(0.02%)等であった(再審査終了時)。

効能・効果が腹圧性尿失禁では、スピロペント錠承認時、スピロペント顆粒承認時及び使用成績調査における安全性評価対象2,674例中265例(9.9%)に352件の副作用が認められた。主な症状は振戦96件(3.6%)、腹痛24件(0.9%)等であり、副作用とされた臨床検査値の変動は血圧上昇6件(0.2%)、AST(GOT)上昇3件(0.1%)等であった(再審査終了時)。

  1. 重大な副作用(外国症例)

    外国において、β2-刺激剤により重篤な血清カリウム値低下が報告されている。また、キサンチン誘導体併用、ステロイド剤併用、及び利尿剤併用により、β2-刺激剤による血清カリウム値低下作用が増強することがあるので、重症喘息患者では特に注意する。更に、低酸素血症は血清カリウム値の低下が心リズムに及ぼす作用を増強することがあるので、このような場合には血清カリウム値をモニターすることが望ましい。

  2. その他の副作用

    1. 過敏症:(0.1~5%未満)発疹、(0.1%未満)そう痒[このような症状が現れた場合には投与を中止する]。
    2. 精神神経系:(5%以上)振戦、(0.1~5%未満)筋痙直、頭痛、(0.1%未満)四肢しびれ感、興奮、不眠、眩暈、眠気。
    3. 循環器:(0.1~5%未満)動悸、(0.1%未満)頻脈、不整脈、血圧上昇。
    4. 消化器:(0.1~5%未満)嘔気、(0.1%未満)食欲不振、腹痛、下痢、便秘、口渇、胸やけ。
    5. 肝臓:(0.1%未満)AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)。
    6. 泌尿器:(0.1%未満)排尿障害。
    7. その他:(0.1%未満)全身倦怠感、浮腫、ほてり。

使用上の注意

(禁忌)

  1. 下部尿路閉塞している患者[下部尿路の閉塞を増悪させる恐れがある]。

  2. 本剤に対して過敏症の既往歴のある患者。

(慎重投与)

  1. 甲状腺機能亢進症の患者[症状が増悪する恐れがある]。

  2. 高血圧症の患者[血圧が上昇することがある]。

  3. 心疾患のある患者[動悸、不整脈等が現れることがある]。

  4. 糖尿病の患者[症状が増悪する恐れがある]。

  5. 高齢者。

(重要な基本的注意)

  1. 気管支喘息治療における長期管理の基本は、吸入ステロイド剤等の抗炎症剤の使用であり、気管支喘息において吸入ステロイド剤等により症状の改善が得られない場合、あるいは患者の重症度から吸入ステロイド剤等との併用による治療が適切と判断された場合にのみ、本剤と吸入ステロイド剤等を併用して使用する。本剤は吸入ステロイド剤等の抗炎症剤の代替薬ではないため、患者が本剤の使用により症状改善を感じた場合であっても、医師の指示なく吸入ステロイド剤等を減量又は中止し、本剤を単独で用いることのないよう、患者、保護者又はそれに代わり得る適切な者に注意を与える。

  2. 気管支喘息治療の長期管理において、本剤の投与期間中に発現する急性の発作に対しては、短時間作動型吸入β2刺激薬等の他の適切な薬剤を使用するよう患者、保護者又はそれに代わり得る適切な者に注意を与える。また、短時間作動型吸入β2刺激薬等の使用量が増加したり、効果が十分でなくなってきた場合には、喘息の管理が十分でないことが考えられるので、可及的速やかに医療機関を受診し治療を受けるよう患者、保護者又はそれに代わり得る適切な者に注意を与えると共に、薬剤の使用量が増加したり効果が十分でなくなってきた状態がみられた場合には、生命を脅かす可能性があるので、吸入ステロイド剤等の増量等の抗炎症療法の強化を行う。

  3. 用法・用量通り正しく使用しても効果が認められない場合は、本剤が適当でないと考えられるので、投与を中止する。なお、小児に投与する場合には、使用法を正しく指導し、経過の観察を十分に行う。

  4. 過度に使用を続けた場合、不整脈、場合によっては心停止を起こす恐れがあるので、使用が過度にならないように注意する。

  5. 本剤の頓用を反復しなければならない場合には、早急に医師の指示を受けるよう指導する。

  6. 本剤は、腹圧性以外の原因による尿失禁には使用しない。

(相互作用)

併用注意:

  1. カテコールアミン製剤(アドレナリン、イソプロテレノール等)[不整脈、場合によっては心停止を起こす恐れがあるので、副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行う(カテコールアミン製剤の併用によりアドレナリン作動性神経刺激の増大が起こる)]。

  2. キサンチン誘導体(テオフィリン、アミノフィリン水和物、ジプロフィリン等)[血清カリウム値が低下し低カリウム血症による不整脈を起こす恐れがあるので、副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行う(キサンチン誘導体はアドレナリン作動性神経刺激による血清カリウム値の低下を増強することが考えられる)]。

  3. ステロイド剤(ベタメタゾン、プレドニゾロン、ヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウム等)、利尿剤(フロセミド等)[血清カリウム値が低下し低カリウム血症による不整脈を起こす恐れがあるので、副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行う(ステロイド剤及び利尿剤は尿細管でのカリウム排泄促進作用があるため、血清カリウム値の低下を増強することが考えられる)]。

(高齢者への投与)

一般に高齢者では生理機能が低下しているので、低用量(例えば1回10μgを1日2回)から用いるなど慎重に投与する。

(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[ヒト妊娠中の投与に関する安全性は確立していない(動物実験(ラット)で、妊娠後期に投与すると子宮筋の収縮を抑制して分娩遅延をおこすこと及び動物実験(ラット)で、胎盤通過性を有することが報告されている)]。本剤投与中は、授乳を避けさせる[動物実験(ラット)で、乳汁への移行性を有することが報告されている]。

(小児等への投与)

4歳以下の乳幼児に対する安全性は確立していない。

(その他の注意)

抗コリン作用、カルシウム拮抗作用を有する排尿障害治療薬との併用は使用経験が少ない。