処方薬
スカジロールカプセル25mg
後発

スカジロールカプセル25mgの添付文書

添付文書PDFファイル

PDFファイルを開く

※添付文書のPDFファイルは随時更新しておりますが、常に最新であるとは限りません。予めご了承ください。

効果・効能

狭心症、頻脈性不整脈。

用法・用量

アルプレノロール塩酸塩として、1日75~150mgを1日3回食後に分割経口投与する。但し、年齢、症状により適宜増減する。

なお、アルプレノロール塩酸塩の経口投与における1日用量は75~150mgである。

(用法・用量に関連する使用上の注意)

褐色細胞腫の患者では、本剤の単独投与により急激に血圧が上昇することがあるので、α-遮断剤で初期治療を行った後に本剤を投与し、常にα-遮断剤を併用する。

副作用

本剤は、使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

  1. 重大な副作用

    1. うっ血性心不全(又はうっ血性心不全悪化)が現れることがあるので、心不全を疑わせる臨床検査所見及び症状が現れた場合には、投与を中止する。
    2. 血小板減少が現れることがあるので、血小板減少又はそれに伴う出血傾向が認められた場合には、投与を中止する。
  2. その他の副作用(頻度不明)

    1. 過敏症:発疹、蕁麻疹[発現した場合には投与を中止する]。
    2. 循環器:徐脈、低血圧。
    3. 精神神経系:眩暈、ふらふら感、幻覚。
    4. 消化器:悪心、食欲不振、腹痛、下痢等。
    5. :涙液分泌減少等[他のβ-遮断剤の投与によりみられたとの報告があるので発現した場合には投与を中止する]。
    6. その他:脱力感、倦怠感、*CK上昇(*CPK上昇)[*:他のβ-遮断剤の投与によりみられたとの報告がある]。

使用上の注意

(禁忌)

  1. 気管支喘息、気管支痙攣の恐れのある患者[気管支を収縮させ、症状を誘発・悪化させる恐れがある]。

  2. 糖尿病性ケトアシドーシス、代謝性アシドーシスのある患者[本症でみられる心筋収縮力抑制を増強する恐れがある]。

  3. 高度徐脈(著しい洞性徐脈)、房室ブロック(2~3度)、洞房ブロックのある患者[心刺激伝導系を抑制し、症状を悪化させる恐れがある]。

  4. 心原性ショックの患者[心拍出量低下作用により症状を悪化させる恐れがある]。

  5. 肺高血圧による右心不全のある患者[肺高血圧症を助長し、右心不全を更に悪化させる恐れがある]。

  6. うっ血性心不全のある患者[心筋収縮力を抑制し、症状を悪化させる恐れがある]。

  7. 未治療の褐色細胞腫の患者。

  8. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人。

(慎重投与)

  1. うっ血性心不全の恐れのある患者[心筋収縮力を抑制し、症状を誘発する恐れがあるので、観察を十分に行い、ジギタリス製剤を併用するなど慎重に投与する]。

  2. 特発性低血糖症、コントロール不十分な糖尿病、長期間絶食状態の患者[低血糖症状を起こしやすく、かつ低血糖の前駆症状である頻脈等の症状をマスクしやすいので血糖値に注意する]。

  3. 重篤な肝機能障害、重篤な腎機能障害のある患者[本剤の代謝・排泄が遅延する恐れがある]。

  4. 甲状腺中毒症の患者[頻脈等の中毒症状をマスクすることがある]。

  5. 末梢循環障害のある患者(レイノー症候群、間欠性跛行症等)[症状を悪化させる恐れがある]。

  6. 高齢者。

  7. 小児等。

(重要な基本的注意)

  1. 長期投与の場合は心機能検査(脈拍、血圧、心電図、X線等)を定期的に行う。特に徐脈になったとき及び低血圧を起こした場合には減量又は中止する(また、必要に応じアトロピンを使用するなど対症療法を行う)。なお、肝機能、腎機能、血液像等に注意する。

  2. 類似化合物(プロプラノロール塩酸塩)使用中の狭心症の患者で急に投与を中止したとき、症状が悪化したり、心筋梗塞を起こした症例が報告されているので、休薬を要する場合は徐々に減量し、観察を十分に行い、また、患者に医師の指示なしに服薬を中止しないよう注意する。狭心症以外の適用、例えば不整脈で投与する場合でも、特に高齢者においては同様の注意をする。

  3. 甲状腺中毒症の患者では急に投与を中止すると症状を悪化させることがあるので、休薬を要する場合には徐々に減量し、観察を十分に行う。

  4. 手術前24時間は投与しないことが望ましい。

  5. 眩暈、ふらつきが現れることがあるので、本剤投与中の患者(特に投与初期)には、自動車の運転等危険を伴う機械の作業に注意させる。

(相互作用)

併用注意:

  1. 交感神経系に対し抑制的に作用する他の薬剤(レセルピン等)[過剰に交感神経を抑制する恐れがあるので、減量するなど注意する(相加的に作用(交感神経抑制作用)を増強させる)]。

  2. 血糖降下剤(インスリン製剤、スルホニル尿素系製剤、ビグアナイド系製剤等)[血糖降下作用を増強することがあり、また、低血糖症状(頻脈・発汗等)をマスクする恐れがあるので、血糖値に注意する(本剤のβ-遮断作用により、低血糖からの回復が遅れることがあり、また、低血糖に伴う交感神経系の症状をマスクする)]。

  3. カルシウム拮抗剤(ベラパミル塩酸塩、ジルチアゼム塩酸塩等)[徐脈・房室ブロック等の伝導障害、うっ血性心不全が現れる恐れがあるので、減量するなど注意する(相加的に作用(陰性変力作用、心刺激伝導抑制作用、降圧作用)を増強させる)]。

  4. クロニジン塩酸塩[クロニジン塩酸塩の投与中止後のリバウンド現象(血圧上昇)を増強する恐れがあるので、β-遮断剤を先に中止し、クロニジン塩酸塩を徐々に減量するなど適切な処置を行う(クロニジン塩酸塩の投与中止により血中ノルアドレナリンが増加した場合、本剤のβ-遮断作用によりα-刺激作用が優位となる)]。

  5. クラス1抗不整脈剤(ジソピラミドリン酸塩、プロカインアミド塩酸塩、アジマリン等)[過度の心機能抑制が現れる恐れがあるので、減量するなど注意する(相加的に作用(心機能抑制作用)を増強させる)]。

(高齢者への投与)

高齢者には、次の点に注意し、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与する。

  1. 高齢者では一般に過度の降圧は好ましくないとされている[脳梗塞等が起こる恐れがある]。

  2. 休薬を要する場合は、徐々に減量する。

(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しない[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない、SD系ラットに2、20、200mg/kg/日を妊娠初期の8日間又は器官形成期の11日間に経口投与した結果、妊娠初期投与の低用量で胎仔成長促進、高用量で成長抑制がみられ、また、器官形成期投与で心血管系奇形が認められた]。

(小児等への投与)

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。

(過量投与)

  1. 徴候、症状:過量時の主な症状としては心血管障害(低血圧、徐脈、心不全等)、気管支痙攣、意識障害等がみられる。

  2. 処置:過量投与時の一般的処置としては催吐、胃洗浄等を行う。

    1. 過量投与時の徐脈にはアトロピンを静注する(アトロピンで効果がなければ、イソプロテレノールあるいはオルシプレナリン等β-刺激剤を緩徐に静注する)。
    2. 過量投与時の低血圧にはドパミン、ドブタミン等昇圧剤を静注する。
    3. 過量投与時の気管支痙攣にはβ2-刺激剤又はアミノフィリンを投与する。
    4. 過量投与時の心不全にはジギタリス療法、利尿薬の投与等を行う。

(適用上の注意)

薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。

(その他の注意)

β-遮断剤服用中の患者では、他の薬剤によるアナフィラキシー反応がより重篤になることがあり、また、通常用量のアドレナリンによる治療に抵抗する場合がある。

(取扱い上の注意)

安定性試験:最終包装製品を用いた長期保存試験(室温、48カ月)の結果、スカジロールカプセル25mgは通常の市場流通下において4年間安定であることが確認された。

(保管上の注意)

防湿、密閉容器。