処方薬
プロカイン塩酸塩原末「マルイシ」

プロカイン塩酸塩原末「マルイシ」の添付文書

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効果・効能

  1. 脊椎麻酔(腰椎麻酔)。

  2. 硬膜外麻酔。

  3. 伝達麻酔。

  4. 浸潤麻酔。

  5. 歯科領域における伝達麻酔・浸潤麻酔。

用法・用量

使用に際し、目的濃度の水性注射液として使用する。

  1. 脊椎麻酔(腰椎麻酔):5~10%注射液とし、プロカイン塩酸塩として、低位麻酔には50~100mg、高位麻酔には150~200mgを使用する。

  2. 硬膜外麻酔:(基準最高用量:1回600mg)1.5~2%注射液とし、プロカイン塩酸塩として、200~400mgを使用する。

  3. 伝達麻酔:1~2%注射液とし、プロカイン塩酸塩として、10~400mgを使用する。

  4. 浸潤麻酔:(基準最高用量:1回1000mg)0.25~0.5%注射液とし、プロカイン塩酸塩として、1回1000mgの範囲内で使用する。

  5. 歯科領域における伝達麻酔・浸潤麻酔:2%注射液にアドレナリンを添加したものを用い、プロカイン塩酸塩として、10~100mgを使用する。

    但し、年齢、麻酔領域、部位、組織、症状、体質により適宜増減する。必要に応じ、アドレナリン(濃度1:10万~20万)を添加して使用する。

副作用

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

  1. 重大な副作用:次記の重大な副作用が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行う。

    1. ショック(初期症状:血圧低下、顔面蒼白、脈拍異常、呼吸抑制等)。
    2. 振戦、痙攣等の中毒症状(処置方法:ジアゼパム又は超短時間作用型バルビツール酸製剤(チオペンタールナトリウム等)の投与等)。
  2. その他の副作用(頻度不明)

    1. 精神神経系:眠気、不安、興奮、霧視、眩暈、悪心・嘔吐[ショックあるいは中毒への移行に注意し、必要に応じて適切な処置を行う]。
    2. 血液:(硬膜外麻酔、浸潤麻酔、伝達(脊椎麻酔用剤を除く)麻酔時)メトヘモグロビン血症。
    3. 過敏症:蕁麻疹、浮腫等。

使用上の注意

(禁忌)

  1. 重篤な出血やショック状態の患者(脊椎麻酔、硬膜外麻酔時)[症状が悪化する恐れがある]。

  2. 注射部位又はその周辺に炎症のある患者(脊椎麻酔、硬膜外麻酔時)[吸収が高まり、効果が急激に発現する恐れがある]。

  3. 敗血症の患者(脊椎麻酔、硬膜外麻酔時)[敗血症性髄膜炎が起こる恐れがある]。

  4. メトヘモグロビン血症の患者(硬膜外麻酔、浸潤麻酔、伝達(脊椎麻酔用剤を除く)麻酔時)[症状が悪化する恐れがある]。

  5. 本剤又は安息香酸エステル(コカインを除く)系局所麻酔剤に対し、過敏症の既往歴のある患者。

  6. 次の患者に投与する場合には、血管収縮剤(アドレナリン、ノルアドレナリン)を添加しない

    1. 血管収縮剤に対し、過敏症の既往歴のある患者(硬膜外、浸潤、伝達(脊椎麻酔用剤を除く)麻酔時)に投与する場合には、血管収縮剤(アドレナリン、ノルアドレナリン)を添加しない。
    2. 高血圧、動脈硬化のある患者(硬膜外、浸潤、伝達(脊椎麻酔用剤を除く)麻酔時)に投与する場合には、血管収縮剤(アドレナリン、ノルアドレナリン)を添加しない[急激に血圧が上昇し、脳出血が起こる恐れがある]。
    3. 心不全のある患者(硬膜外、浸潤、伝達(脊椎麻酔用剤を除く)麻酔時)に投与する場合には、血管収縮剤(アドレナリン、ノルアドレナリン)を添加しない[血管収縮、心臓刺激の結果、症状が悪化する恐れがある]。
    4. 甲状腺機能亢進の患者(硬膜外、浸潤、伝達(脊椎を除く)麻酔時)に投与の場合は血管収縮剤(アドレナリン、ノルアドレナリン)を添加しない[血管収縮剤に対して反応しやすく心悸亢進、胸痛等が起こる恐れがある]。
    5. 糖尿病の患者(硬膜外、浸潤、伝達(脊椎麻酔用剤を除く)麻酔時)に投与する場合には、血管収縮剤(アドレナリン、ノルアドレナリン)を添加しない[血糖値が上昇する恐れがある]。
    6. 血管痙攣のある患者(硬膜外、浸潤、伝達(脊椎麻酔用剤を除く)麻酔時)に投与する場合には、血管収縮剤(アドレナリン、ノルアドレナリン)を添加しない[阻血状態を来し、局所壊死が起こる恐れがある]。
    7. 耳、指趾又は陰茎の麻酔(浸潤、伝達(脊椎、歯科用にのみ用いる製剤を除く)麻酔時)に投与する場合には、血管収縮剤(アドレナリン、ノルアドレナリン)を添加しない[阻血状態を来し局所壊死が起こる恐れがある]。

(慎重投与)

  1. 脊椎麻酔用剤、硬膜外麻酔用剤として使用する場合

    1. (脊椎麻酔、硬膜外麻酔時)中枢神経系疾患(髄膜炎、灰白脊髄炎等)のある患者[血液、脳へ移行する可能性があり、症状が悪化する恐れがある]。
    2. (脊椎麻酔、硬膜外麻酔時)妊婦、産婦。
    3. (脊椎麻酔、硬膜外麻酔時)高齢者。
    4. (脊椎麻酔、硬膜外麻酔時)血液疾患や抗凝血剤治療中の患者[出血しやすいので、血腫形成や脊髄障害を起こすことがある]。
    5. (脊椎麻酔、硬膜外麻酔時)重篤な高血圧症の患者[急激な血圧低下が起こることがある]。
    6. (脊椎麻酔、硬膜外麻酔時)脊柱の著明な変形のある患者[穿刺時、脊髄損傷や神経根損傷の恐れがある]。
  2. 血管収縮剤(アドレナリン、ノルアドレナリン)を添加して投与する場合(硬膜外、浸潤、伝達(脊椎麻酔用剤を除く))

    1. ハロタン等のハロゲン含有吸入麻酔剤投与中の患者に血管収縮剤(アドレナリン、ノルアドレナリン)を添加して投与する場合(硬膜外、浸潤、伝達(脊椎麻酔用剤を除く))には慎重に投与する[血管収縮剤に対する心筋の感受性が高まり、不整脈が起こる恐れがある]。
    2. 三環系抗うつ剤又はMAO阻害剤投与中の患者に血管収縮剤(アドレナリン、ノルアドレナリン)を添加して投与する場合(硬膜外、浸潤、伝達(脊椎麻酔用剤を除く))には慎重に投与する[カテコールアミンの交感神経内への取り込みを阻害するので、血管収縮剤の作用が増強され、不整脈、高血圧等が起こる恐れがある]。

(重要な基本的注意)

  1. まれにショックあるいは中毒症状を起こすことがあるので、局所麻酔剤の投与に際しては、常時、直ちに救急処置のとれる準備が望ましい。

  2. 本剤の投与に際し、その副作用を完全に防止する方法はないが、ショックあるいは中毒症状をできるだけ避けるために、次記の点に留意する。

    1. 患者の全身状態の観察を十分に行う。
    2. できるだけうすい濃度のものを用いる(硬膜外麻酔、浸潤麻酔、伝達(脊椎麻酔用剤を除く)麻酔時)。
    3. できるだけ必要最少量にとどめる(硬膜外麻酔、浸潤麻酔、伝達(脊椎麻酔用剤を除く)麻酔時)。
    4. 必要に応じて血管収縮剤の併用を考える(硬膜外麻酔、浸潤麻酔、伝達(脊椎麻酔用剤を除く)麻酔時)。
    5. ショックあるいは中毒症状がみられた際に、迅速な処置が行えるように、原則として事前の静脈の確保が望ましい(脊椎麻酔、硬膜外麻酔時)。
    6. 臍部以上の部位の手術に用いる必要がある場合には、慎重に投与する(脊椎麻酔時)。
    7. (脊椎麻酔時)患者の脳脊髄液の比重にはかなりの変動があることに留意する。
    8. 注射針が血管又はクモ膜下腔に入っていないことを確かめる(硬膜外麻酔時)。
    9. 血管の多い部位(頭部、顔面、扁桃等)に注射する場合には、吸収が早いのでできるだけ少ない量で使用する(浸潤麻酔、伝達(脊椎麻酔用剤を除く)麻酔時)。
    10. 注射針が血管に入っていないことを確かめる(浸潤麻酔、伝達(脊椎麻酔用剤を除く)麻酔時)。
    11. 注射の速度はできるだけ遅くする(硬膜外麻酔、浸潤麻酔、伝達(脊椎麻酔用剤を除く)麻酔時)。

(高齢者への投与)

高齢者では、生理機能が低下していることが多く、副作用が発現しやすい、また血管収縮薬(アドレナリン、ノルアドレナリン)の作用に対する感受性が高いことがあるので、患者の状態を観察しながら慎重に投与する。

(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)

  1. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない]。

  2. 妊娠末期の婦人には慎重に投与する[麻酔範囲が広がり、仰臥性低血圧を起こすことがある]。

(適用上の注意)

使用時:

  1. (脊椎麻酔時):髄液の漏出を最少に防ぐために、脊椎穿刺針は、できるだけ細いものを用いる(脊椎穿刺により脊麻後頭痛が、また、まれに一過性外転神経麻痺等が現れることがある)、なお、必要に応じて輸液を行う。

  2. 脊椎麻酔により、まれに脊髄神経障害が現れることがあるので、脊椎麻酔時、穿刺に際して患者が放散痛をうったえた場合、脳脊髄液が出にくい場合又は血液混入を認めた場合には、本剤を注入しない。