局所血管収縮薬(点鼻薬)
交感神経を刺激し、鼻粘膜の血管を収縮させ充血をとることにより鼻づまりを改善する薬

局所血管収縮薬(点鼻薬)の解説

局所血管収縮薬(点鼻薬)の効果と作用機序

  • 交感神経を刺激し、鼻粘膜の血管を収縮させ充血をとることにより鼻づまりなどを改善する薬
    • 花粉症などで鼻粘膜が充血し腫れている状態では鼻づまりがおこる
    • 体内で交感神経が興奮すると血管の収縮などがおこる
    • 本剤は交感神経を刺激することで血管収縮作用により充血を改善する
  • 薬剤によっては航空性中耳炎の予防などで使用する場合もある

局所血管収縮薬(点鼻薬)の薬理作用

風邪(感冒)や花粉症などによって鼻粘膜の充血し腫れている状態では鼻づまりなどがおこる。

体内で交感神経が興奮すると血管の収縮などがおこる。交感神経の受容体(アドレナリン受容体)はα受容体とβ受容体に分かれるが、その中でもα1受容体は血管収縮などに関わる。

本剤はα1受容体を刺激する作用をあらわし、主に鼻粘膜の毛細血管を収縮させ充血をとることで鼻づまりなどを改善する作用をあらわす。なお、風邪やアレルギーなどによって鼻の粘膜が腫れた状態で飛行機などに乗車した場合、耳管が開きづらくなりで中耳が炎症を引き起こすこと(航空性中耳炎と呼ばれる)があるが、本剤などの薬剤がこの病態の予防や症状軽減目的で使われることもある。

局所血管収縮薬(点鼻薬)の主な副作用や注意点

  • 消化器症状
    • 頻度は稀だが、吐き気などの症状があらわれる場合がある
  • 精神神経系症状
    • 頻度は稀だが、めまいや頭痛などの症状があらわれる場合がある
  • 循環器症状
    • 頻度は稀だが、血管収縮作用により血圧上昇などがあらわれる場合がある
  • 長期使用などに関しての注意
    • 長期使用や頻回使用などにより、反応性の低下(薬の効果が減弱するなど)や局所粘膜の二次充血などがおこる場合がある

局所血管収縮薬(点鼻薬)の一般的な商品とその特徴

トラマゾリン

  • 点鼻用としてのみ使用する

プリビナ

  • 点鼻用とは別に(別の剤形として)、点眼用の製剤(プリビナ点眼液)もある

コールタイジン

  • 血管収縮薬に副腎皮質ホルモンステロイド)を配合した製剤
    • ステロイドによる抗炎症作用などが加わっている