内耳循環改善薬(抗めまい薬)
血流改善作用などにより内耳のむくみなどを改善し、メニエール病などのめまいや難聴などの症状を改善する薬
同義語:
脳血管拡張薬

内耳循環改善薬(抗めまい薬)の解説

内耳循環改善薬(抗めまい薬)の効果と作用機序

  • 血流改善作用などにより内耳むくみなどを改善し、メニエール病などのめまいや難聴などの症状を改善する薬
    • 内耳(鼓膜の内側にある部分)にリンパ液によるむくみができると、めまいの症状があらわれる
    • 内耳の蝸牛(かぎゅう)は「耳の聞こえ」に関わり、内耳のむくみにより障害されると難聴などの症状があらわれる
    • 本剤は内耳などの血流を増加・改善することで内耳のむくみを改善する
  • 本剤の中には脳内の血流改善作用によってめまいの改善する作用をもつ薬剤もある

内耳循環改善薬(抗めまい薬)の薬理作用

メニエール病などの内耳障害に基づくめまいは、内耳(鼓膜の内側にある部分)にリンパ液がたまり働きが悪くなり目の前がぐるぐる回るなどのめまいの症状があらわれる。

内耳にあるリンパ液が増えると水ぶくれのようにむくみがあらわれ平衡感覚をつかさどる三半規管に影響を与え、めまいが引き起こされる。また、内耳には蝸牛(かぎゅう)という「聞こえ」に関わる器官があり内耳のむくみにより影響を受けると難聴、耳鳴りなどの症状があらわれる。内耳のむくみは、血管拡張作用などにより内耳の血管の血流を増加・改善することで改善が期待できる。

本剤は内耳などの血流改善作用などにより、内耳障害に基づくめまいの症状や耳の聞こえづらさなどを改善する作用をあらわす。

めまいは脳循環の悪化によってもおこる場合があり、脳の血流が悪くなると脳の機能が低下する。本剤の中には脳内の血流改善作用などで脳循環を改善し、これによりめまいを治療する効果が期待できる薬剤もある。

内耳循環改善薬(抗めまい薬)の主な副作用や注意点

  • 消化器症状
    • 吐き気、嘔吐などがあらわれる場合がある
  • 過敏症
    • 頻度は稀だが、発疹などがあらわれる場合がある

内耳循環改善薬(抗めまい薬)の一般的な商品とその特徴

イソメニール

  • 薬剤の作用と注意に関して
    • 脳血管拡張による脳循環の改善作用や内耳リンパ液を改善による内耳の血流改善作用によりめまいを改善
    • 副作用に動悸などの循環器症状があり、心疾患や高血圧症などがある場合は特に注意する

セファドール

  • 薬剤の作用と注意に関して
    • めまいに関わる首の左右を通る椎骨動脈の血流改善や平衡に関わる前庭神経の調節などによりめまいを改善
    • 神経伝達物質アセチルコリンの働きを抑える作用(抗コリン作用)もあらわす
    • 上記の抗コリン作用により、稀に眼圧上昇や排尿困難などがおこる可能性があり緑内障前立腺肥大などがある場合は特に注意する
  • 顆粒剤もあり、嚥下能力の低下した患者などへのメリットが考えられる

メリスロン

  • 内耳の血流増加作用や脳循環改善作用などによりめまいを改善