ぶるがだしょうこうぐん
ブルガダ症候群
特徴的な心電図異常が見られる病気。タイプによっては突然の致死的な不整脈を起こすことがある
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最終更新: 2019.05.14
ブルガダ症候群の基礎知識
POINT ブルガダ症候群とは
心電図検査で特徴的な異常が見られる病気で、東洋人の成人男性に多く起こります。タイプによっては急に重大な不整脈を起こして突然死の原因となることがあります。ただし「ブルガダ型心電図」が認められた人の全てが危険度が高いとは限りません。発病の原因は十分に分かっていませんが、一部で遺伝の影響があるとされています。 多くの人が無症状ですが、不整脈により失神したり、心肺停止・突然死に至る場合もあります。治療としては、突然死の危険が高いと考えられる場合には植え込み型除細動器を手術により植え込むことが検討されます。危険性が低いと考えられる場合には、特に治療を行わずに様子見することになります。また、補助的に不整脈を抑える薬や、血液がサラサラになる薬が用いられることもあります。ブルガダ症候群が心配な人や治療したい人、健診でブルガダ型心電図と言われた人などは、循環器内科を受診してください。
ブルガダ症候群について
心電図検査 で特徴的な異常が見られる病気- 1992年にスペイン人医師ブルガダ(Brugada)が提唱した
- 健康診断などで「ブルガダ型
心電図 」が見つかることが多い 症状 がなく様子見だけで済むケースが多いが、重大な不整脈による突然死を起こすことがある- ぽっくり病などと呼ばれていたこともある
- 「ブルガダ型心電図」の中にも種類があり、弓状型ST上昇タイプは危険度が高く、馬鞍型ST上昇タイプは危険度が低い
- 「ブルガダ型心電図」が健診などで見つかっても、その他の異常な検査結果や、危険なエピソードが伴わなければ必ずしも「ブルガダ症候群」とは診断されない
- 日本人をはじめとする東洋人の成人男性に多い
- 男女比は9:1で男性に多い
- 30-60歳くらいで
発症 しやすい - 典型的なブルガダ症候群は、日本人1,000人につき1人程度
- 以下のようなエピソードが見られる場合を
症候性 ブルガダ症候群とよび、症状のない無症候性 ブルガダ症候群と比較して突然死のリスクが高い- 不整脈による
失神 (特に夜間) - 心肺停止状態からの蘇生歴 など
- 不整脈による
- 発症の原因は十分には分かっていない
- 15-30%ほどの人で遺伝子異常があると分かっており、血縁者に突然死した人がいるケースもある
- 遺伝子異常以外にも多くの要因が発病に関わっており、遺伝子検査は必ずしも必要ない
ブルガダ症候群の症状
- 多くの場合は無
症状 である(無症候性 ブルガダ症候群) - 以下のような症状や病歴が見られたことのある場合は突然死の危険性が高いとされる(
症候性 ブルガダ症候群)- 不整脈による
失神 (夜間に起こりやすい) - 突然の心肺停止状態からの蘇生歴
発作 的な動悸 や胸部不快感 など
- 不整脈による
ブルガダ症候群の検査・診断
心電図検査 - 健康診断などでまず行われる
心臓超音波 (エコー )検査- 心臓の動きに問題がないか調べるために行われることがある
- 電気生理学的検査
心臓カテーテル 検査の一種- 基本的には入院して行われる
- 心電図検査や病歴聴取で危険度が高いブルガダ症候群が疑われる場合などで、確定診断のために行われることがある
- 遺伝子検査
- ブルガダ症候群のうち15-30%ほどの人で遺伝子の異常があるとされている
- ブルガダ症候群の発病には様々な要因が関わっており、遺伝子変異だけでは説明ができないので、遺伝子検査は必ずしも行われない
- 遺伝子検査ができる医療機関は非常に少ない
- ブルガダ症候群の遺伝子検査は
保険適用 外である - 遺伝子検査は採血された血液を用いて行われることが多い