せっぱくそうざん
切迫早産
早産になる危険性が高い状態のこと
6人の医師がチェック 105回の改訂 最終更新: 2018.06.11

Beta 切迫早産のQ&A

    切迫早産について教えて下さい。

    切迫早産とは早産になりそうなことを言います。早産が差し迫っている状態と理解してください。 妊娠37週0日から妊娠41週6日の出産が正期産と定義されています。結果的に妊娠36週6日以前にお産になることを早産と言います。

    切迫早産の原因について教えて下さい

    原因は様々ですが、多くの場合はっきりとはわかりません。 しかし以下の妊婦さんは切迫早産になるリスクが少し高いと言われています。 前の妊娠の時に早産になってしまった妊婦さんや、双胎妊娠、子宮頸管に炎症がある、子宮頸管が短い、円錐切除術後、などは少しリスクが上がります。 前回切迫早産の妊婦さんはきちんと自分で把握しておくことが必要です。

    切迫早産のメカニズムについて教えてください

    子宮をトックリにたとえて解説します。 妊娠中の子宮はトックリのような形をしており、その首に当たる部分が子宮頚管です。トックリの本体の丸い部分は子宮体部といって、この中で赤ちゃんが育ちます。トックリは陶器なので形状の変化はありませんが、ここは形の変わるトックリと想像してください。トックリの中には水風船がパンパンに入っており、その風船の中に赤ちゃんがいます。この水風船が破れると破水になります。トックリの口の部分は子宮の入り口で、腟に続いています。 実際にはトックリの口に当たる子宮口はお産が始まるまではしっかりと閉じて、細菌も入り込めないようになっています。膣の中は常在菌が守ってくれていますが、常在菌が少なくなり、他の細菌が入り込んでくると子宮の入り口で炎症が起き、それによって子宮頚管が柔らかく、広がりやすくなります。要するにトックリの口が開いてくるわけです。 また子宮頚管が短いと赤ちゃんと膣までの距離が短くなるので細菌は侵入しやすくなり、破水につながってしまうこともあります。 また子宮が収縮してくると、子宮体部の容積が小さくなるので、中の風船が外に押し出される形になります。子宮の入り口はしっかりしまっているので、子宮頚管を短くして、子宮腔内の容積を保たれることになります。それでもどんどん子宮が収縮してくると子宮の入り口が開いてしまいます。

    切迫早産と切迫流産との違いについて教えて下さい。

    流産は22週未満(21週6日まで)で生まれてしまうことを言います。 22週0日以降であれば切迫早産となります。 こちらも流産が差し迫っている状態を切迫流産と言います。

    切迫早産の症状について教えて下さい。

    お腹の定期的な張り、痛み(生理痛のような)性器出血、が代表的な症状です。 この様な症状がみられた場合にはかかりつけの病院に連絡をしてみてください。 症状の強さによっては病院受診が必要になります。

    切迫早産の危険性について教えてください

    36週6日より早く生まれてしまうと、臓器が未熟であったり、感染に弱かったり、体温調節や乾燥に耐えられなかったりするので正期産(37週0日〜41週6日)近くなるまではしっかりと環境を整えて上げる必要があります。病院によっては早産の赤ちゃんに必要十分な環境を提供できない場合があり、患者さんを適切な病院へ紹介する必要がありますので、お産になってしまう前にそれを予測することが重要になってきます。

    切迫早産は、どのように診断するのですか?

    性器出血の有無を確認し、経膣超音波(内診の超音波)で子宮頚管が短くなっているのを確認します。またモニターをつけ、子宮の収縮が頻回にあることでも診断がつきます。 妊婦健診で経腹超音波(お腹の上からの超音波)ではわかりません。 上記症状がある場合はきちんと報告しましょう。早期発見が大切です。

    切迫早産の治療法について教えてください

    頻回に通院していただき、子宮頚管が短くならないことを確認します。 張り止めのお薬を飲んだり、自宅で安静にする、仕事をしている場合は休業する、おじいちゃんおばあちゃんに手伝いに来てもらうなど、あまり体をに負担がかからないような環境作ってください。性交渉も控えてください。 それでも子宮収縮を抑えられない、また出血が持続する、子宮頸管長が短くなってくるといった場合は入院になります。

    入院中の切迫早産の治療について教えてください?

    今よりも子宮頚管が短くならないように治療します。 子宮の入り口を攻撃するような細菌が膣の中にいればそれを抗生剤で治療したり洗浄します。 子宮の収縮を抑えるために収縮抑制剤を使用します。 モニターをつけて張りが抑えられているかどうか確認します。 最近では黄体ホルモンの注射に早産予防効果があることが分かってきました。

    切迫早産の予防は可能ですか?

    もともと子宮口がすごく柔らかく、ちょっとしたことで開いてきてしまう妊婦さんを頸管無力症と言います。このように予め切迫早産になることが予想できる妊婦さんはまだ十分子宮の入り口の長さが確保出来ている間に子宮頚管縫縮術を行うこともあります。要するにトックリの口の部分を巾着袋のようにキュッと縛ってしまう方法です。この方法を行うにはいくつかの条件が必要なので主治医と十分に相談しましょう。 ただし治療を行っても必ずしも早産を防げる訳ではなく、早産の赤ちゃんに対応できるような病院に移動するほうが赤ちゃんとお母さんのために必要になります。

    切迫早産を避けるために、子宮頚管を長くする方法はありますか?

    基本的にはありません。子宮の張り止めのお薬を使い始めたあと、超音波で計測すると頸管長が長く出ることがありますが、これは子宮の収縮がとれているためにふんわりくっついて長く見えているだけです。子宮収縮が始まるとすぐに本来の長さまで短くなります。 なので基本的には子宮頚管が短くなってしまった妊婦さんは正期産近くまで入院となります。早期発見が大切です。

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