こつけいせいふぜんしょう
骨形成不全症
生まれつき骨が弱く、変形や骨折しやすく、様々な症状が現れる病気
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最終更新: 2022.03.16
骨形成不全症の基礎知識
POINT 骨形成不全症とは
生まれつき骨が弱いために、変形や骨折しやすい状態です。骨が弱いと言っても変形や骨折がしやすさは個人差があるので、その症状はさまざまです。骨折や骨の変形以外では、低身長や難聴といった症状を伴うことがあります。画像検査や骨密度検査を診断のために行います。有効な治療は確立されていないので、骨折や骨の変形に対して個別に治療をします。骨形成不全が心配な人は整形外科を受診してください。
骨形成不全症について
- 生まれつき骨が脆く弱いため、変形や骨折をしやすい病気
- 人によって重症度や現れる
症状 は様々- 重症で生まれてすぐ亡くなる人もいれば、軽症で明らかな症状がなく、気付かれないまま一生を過ごす人もいる
- 原因はI型コラーゲン遺伝子の異常で、I型コラーゲンの量が少なかったり、質が悪かったりする
- I型コラーゲンは骨の幹である骨基質の主な成分であり、その異常によって骨が脆く弱くなる
- 頻度は約2万人に1人と言われている
骨形成不全症の症状
- 骨折
- 通常は骨折しないようなことで容易に骨折する
- 骨の変形
- 四肢の骨が曲がって成長することがあり、変形が強ければ手足の動きや歩行が上手くできなくなる
- 脊柱変形(
背骨 の曲がり)。進行すると呼吸に障害が出ることもある
- 低身長
- 難聴
- 耳小骨(耳の骨)の異常が原因
- 歯の形成不全や噛み合わせの異常
骨形成不全症の検査・診断
- 画像検査
レントゲン - 骨折や変形が疑われる部位を撮影する
骨密度検査 - 腰椎の骨密度が参考になる
- 遺伝子検査
- I型コラーゲン遺伝子の異常が見つかる
- I型コラーゲン遺伝子の異常のない人もいることが知られている
骨形成不全症の治療法
- 今まで有効な薬はなく、骨折や骨の変形などの
症状 に対して個別に治療(手術)を行っていた - 最近、点滴のビスフォスホネート製剤が骨折の予防に有効であるという研究結果が報告されている
- ただし現時点では点滴のビスフォスホネート製剤を骨形成不全症に使うことは、保険で認められていない
- 手術
- 観血的骨整復術:骨折に対して
骨切り術 :四肢の変形に対して- 髄内釘挿入術:四肢の骨折・変形予防
- 矯正固定術:脊柱の変形に対して
- リハビリテーション
- 骨折後の回復、日常復帰
- 身体機能の改善
- 骨折の予防
骨形成不全症のタグ
骨形成不全症に関わるからだの部位

