くりっぺる・うぇーばーしょうこうぐん
クリッペル・ウェーバー症候群
生まれつき手足の一肢に血管形態の異常と肥大を伴う病気
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最終更新: 2022.03.30
クリッペル・ウェーバー症候群の基礎知識
POINT クリッペル・ウェーバー症候群とは
生まれつき手足の一肢以上に血管の形の異常と肥大をともなう病気です。痛みや血管の瘤(こぶ)、潰瘍(えぐれること)、出血などが主な症状です。病気が起こっている足や手の肥大や過成長が起こります。クリッペル・ウェーバー症候群の疑いがある人には造影CT検査や血管造影検査、レントゲン検査などが行われます。血管の異常に対しては、弾性ストッキングによる圧迫やレーザー照射、手術などが行われます。また、手足の肥大や過成長に対しては、根本的な治療はありませんが、歩きにくい場合には装具をつけたりします。クリッペル・ウェーバー症候群の検査や治療は新生児科や小児科で行われます。
クリッペル・ウェーバー症候群について
- 手足の一肢(以上)に動脈、静脈、リンパ管、
毛細血管 などの血管形態に先天的な異常があることに加えて、片側の肥大を伴う病気 - 母親の胎内で異常が生じる
先天性 の病気 - 生まれた時や幼児期に気づかれ、
症状 は徐々に進行して悪化していく - 原因は明らかではなく、遺伝との関係もはっきりと分かっていない
- 元々はクリッペル・トレノニー・ウェーバー症候群と呼ばれていて、クリッペル・トレノニー症候群とウェーバー症候群は違う疾患であるという考えもある
- クリッペル・トレノニー症候群は静脈、リンパ管、毛細血管の先天的な異常を主とするが、ウェーバー症候群は動静脈の先天的な異常を主とする
- 日本では約3,000人の患者がいるとされる
クリッペル・ウェーバー症候群の症状
- 血管の問題による
症状 疼痛 - 血管に瘤ができる
潰瘍 - 出血
- 感染
- 病側の手足の肥大・過成長
- 足の過成長により
脚長差 (左右の足の長さの差)が生じて、歩きにくくなったり、歩行時の痛みが生じる
- 足の過成長により
クリッペル・ウェーバー症候群の検査・診断
- 血管の先天的な異常の状態を調べる
- どの種類の血管形態の異常なのか、場所や広がり、重症度を検査で調べる
造影 CT 検査- 血管造影検査
- 骨の異常、変化を調べる
レントゲン (X線 写真)検査- 単純CT検査
クリッペル・ウェーバー症候群の治療法
- 血管形態の異常の治療
病変 がある程度広がっていた場合、有効な治療がないことが多い- 下記のような治療が行われる
- 弾性ストッキングによる圧迫
- レーザー照射:浅い病変には効くことがあるが、深い病変には効かない
- 切除手術
- 硬化療法・
塞栓 術
- 手足の肥大・過成長
- 根治的な治療はない
脚長差 などが原因で歩きにくい場合、足に装具をつける- 外科的手術:骨端線成長抑制術、骨延長術