じょうちょうかんまくどうみゃくしょうこうぐん
上腸間膜動脈症候群
上腸間膜動脈が十二指腸を圧迫することで、食後の腹痛や吐き気・嘔吐を引き起こす病気
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最終更新: 2023.06.21
上腸間膜動脈症候群の基礎知識
POINT 上腸間膜動脈症候群とは
上腸間膜動脈症候群は、みぞおちにある大きな血管:上腸間膜動脈が十二指腸を圧迫することで食後の腹痛や吐き気・嘔吐が起こる病気です。痩せ型の若い女性に多いです。主な症状は食後の吐き気・嘔吐・腹痛などです。 症状や身体診察に加えて、CT検査や超音波検査などを用いて診断されます。治療は必要ないことが多いですが、症状が強い人や改善がない人では手術を行うことがあります。上腸間膜動脈症候群が心配な人や治療したい人は、消化器内科や消化器外科を受診して下さい。
上腸間膜動脈症候群について
- 上腸間膜動脈が十二指腸を圧迫することで、食後の腹痛や吐き気・嘔吐を引き起こす病気
- 体重減少や長期にわたる臥床をきっかけとして、上腸間膜動脈が十二指腸を圧迫して発症
- 十二指腸は胃と小腸をつなぐ部分
- 主な症状は食後の腹痛や吐き気・嘔吐である
- 10-30代の若い女性に多い
- 痩せ型の人に多い
- 神経性食思不振症や手術後の人に発症した報告がある
上腸間膜動脈症候群の症状
- 主な症状
- 腹痛
- 吐き気
- 嘔吐
- お腹の張り
- 食後に症状が悪化して、体の向きによって症状が変動する
- 腹ばい、左を下側にした横寝で症状が良くなり、仰向けで症状が悪化する
上腸間膜動脈症候群の検査・診断
- 腹部レントゲン(X線)検査
- 胃と十二指腸が拡大しているのが確認できる
- 十二指腸造影検査
- バリウムを用いて胃や十二指腸の動きと形を見る検査
- 腹部超音波(エコー)検査
- 上腸間膜動脈の向きや角度、十二指腸周囲の組織の様子が分かる
- 腹部CT検査
- 腸管から血管までの異常を一通り確認することができる
上腸間膜動脈症候群の治療法
- ほとんどの場合様子を見ていれば自然に治る
- まれに手術を行うことがある
- 症状が強かったり改善する様子が見られなければ手術を行うことがある
- 術式としては十二指腸空腸吻合術、十二指腸弯曲授動術、Treitz靭帯切離術、十二指腸転位術などが状態に応じて行われる
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