のうせきずいえきげんしょうしょう(ていずいあつしょうこうぐん)
脳脊髄液減少症(低髄圧症候群)
脳や脊髄の周りを流れる髄液が何らかの理由で漏れてしまうことにより、頭痛や耳鳴りなど様々な症状がでる病気
7人の医師がチェック
31回の改訂
最終更新: 2022.02.28
脳脊髄液減少症(低髄圧症候群)の基礎知識
POINT 脳脊髄液減少症(低髄圧症候群)とは
脳や脊髄の周りを流れる脳脊髄液が外に漏れてしまう病気です。頭痛や耳鳴りなどさまざまな症状が現れます。原因がわからない場合もありますが、「頭を強く打ったこと」や「脱水」、「腰椎穿刺」など原因は多様です。脳脊髄液減少症が疑われる場合、腰椎穿刺を行い、髄圧が低いことが確認されます。その他の検査としては頭部MRI検査や脳槽シンチグラフィーなどが行なわれます。安静にして水分を十分にとることが治療になります。また、硬膜外腔という場所に自分の血液を注入すること(硬膜外自家血注入療法(ブラッドパッチ))やフィブリンという血液を固める物質を髄液が漏れている場所に注入することも治療になります。頭を強く打った後や腰椎穿刺の後にひどい頭痛がある場合は脳脊髄液減少症の可能性があります。内科や脳神経外科、脳神経内科を受診してください。
脳脊髄液減少症(低髄圧症候群)について
- 脳や
脊髄 の周りを流れる髄液 が漏れてしまうことにより、頭痛や耳鳴りなど様々な症状 が出る病気- 原因不明
- 交通事故
- スポーツ外傷
- 脱水
腰椎穿刺 (ルンバール)後
- 中年の女性に多いと言われる
脳脊髄液減少症(低髄圧症候群)の症状
- 立ち上がったり起き上がったりするとしばらくしてから頭痛が起こる(起立性頭痛)
- 起き上がってからすぐの場合もあれば、何時間か経過してからの場合もある
- 頭痛は横になると楽になることが多い
- その他の
症状 - 吐き気、嘔吐
- ものが二重に見える
- 耳鳴り、聞こえづらさ
- めまい など
脳脊髄液減少症(低髄圧症候群)の検査・診断
脳脊髄液減少症(低髄圧症候群)の治療法
- まずは安静にして、水分摂取及び補液で
保存的治療 を行う- 多くの場合は保存的治療で
治癒 する
- 多くの場合は保存的治療で
- 保存的治療の効果が不十分な場合に以下のような治療を行う
硬膜 外血液パッチ- 硬膜の外側に自分の血液を注入する
- 10-20mlの血液を注入する
髄液 が漏れている部分に対するフィブリンシーラントの注入- フィブリンという血液が固まる際に必要な物質(接着剤のような働きをする)を漏れている部分の外側に注入し、接着剤のようにして漏れている部分を塞ぐ