けっしょうばんむりょくしょう(ぐらんつまんびょう)
血小板無力症(グランツマン病)
先天的な血小板機能異常の1つであり、血小板の数は正常であるが、集まって止血をする機能に異常がある病気
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最終更新: 2017.12.07
血小板無力症(グランツマン病)の基礎知識
POINT 血小板無力症(グランツマン病)とは
血小板は血液中に含まれる細胞であり、出血を止める際に重要な役割を果たします。血小板無力症は、出血部位に血小板が集まって血が固まるという機能が生まれつき弱くなる病気です。症状としては鼻や歯肉などからの粘膜出血、女性であれば過多月経(生理が多い)などがみられます。また、ケガをした際に止まりにくくなります。耳たぶを針で刺して、止血するまでの時間を測定することで出血傾向の有無を調べ、特殊な採血検査で確定診断します。治療として基本的には出血がなければ経過観察のみを行います。出血が止まらない場合や、手術を行う場合などは血小板輸血を行うことがあります。血小板無力症が心配な方や治療したい方は小児科や血液内科を受診してください。
血小板無力症(グランツマン病)について
血小板 の数は正常であるが、血小板が集まって止血をする機能に異常がある病気- 先天的(うまれつき)な血小板の機能異常の1つ
常染色体劣性遺伝 という形式で子どもに遺伝する
- まれな疾患であり、小児慢性特定疾患の対象である
- 医療費補助が受けられる場合がある
血小板無力症(グランツマン病)の症状
- 子どものころから出血をしやすかったりあざができやすかったりする
- 皮膚
- あざ(
紫斑 、点状出血など)
- あざ(
- 粘膜出血
- 鼻血
消化管出血 などによる黒色便や下血
- 皮膚
- 大人になると症状が軽くなるのが特徴
- 関節内や筋肉内などでの出血はあまり起こらない
血小板無力症(グランツマン病)の検査・診断
- 出血時間検査
- 耳たぶを針で刺して止血するまでの時間を測定する
血小板 凝集能検査- 採血検査を行い、血液に試薬を加えて血液が固まる様子を詳細に観察する
血小板無力症(グランツマン病)の治療法
- 根本的な治療は難しいことが多い
- 出血がない限りは基本的に
経過観察 のみを行う - 軽微な出血の場合にはしっかりと長時間圧迫して止血する(鼻血など)
- アスピリンなどの
NSAIDs (エヌセイズ)と呼ばれる解熱鎮痛薬は血小板 機能を抑える働きがあるので、服用には注意する(市販薬にも含まれる)
- 出血がない限りは基本的に
- 大出血してしまった場合や、手術を控えている場合などは必要に応じて血小板輸血を行う
- 輸血を繰り返すと止血効果が得られなくなる場合があるので、輸血は必要最小限しか行わないようにする