さこつかどうみゃくとうけつしょうこうぐん
鎖骨下動脈盗血症候群
腕と頭に向かう動脈の付け根が狭くなり、血流に偏りが現れてしまうことで脳や腕への血流が不十分になってしまう病気
5人の医師がチェック 20回の改訂 最終更新: 2022.03.01

鎖骨下動脈盗血症候群の基礎知識

POINT 鎖骨下動脈盗血症候群とは

鎖骨動脈(という腕と頭に向かう動脈)の付け根が狭くなり、血流に偏りが生じることで脳や腕への血流が不十分になってしまう病気です。腕のしびれやめまい、失明、失神などさまざまな症状が現れます。動脈硬化や大動脈炎症候群といった病気が原因になることもあれば、原因がはっきりとしないこともあります。鎖骨下動脈盗血症候群が疑われる人にはCT検査や血管造影検査によって診断が行われます。治療として、カテーテル治療によって血管を広げたり、血液を固まりにくくする薬を使って血管が詰まりにくくしたりします。鎖骨下動脈盗血症候群は循環器内科や血管外科、心臓血管外科で治療が行われます。

鎖骨下動脈盗血症候群について

  • 腕と頭に向かう動脈(鎖骨下動脈)の付け根が狭くなり、本来脳へ行くべき血流の一部が腕に流れてしまうこと脳への血流が不十分になってしまう病気
    • 本来脳へ行くはずの血液の一部が腕に「盗まれてしまう」ために「盗血症候群」という名前がついた
    • 血管の狭くなった状態を補うべく、脳へいく反対側の血管が血液を一部を割いて補充するため、脳への血流が減ってしまう
    • 左鎖骨下動脈という血管が狭くなると起こりやすい
  • 主な原因

鎖骨下動脈盗血症候群の症状

  • 鎖骨下動脈の狭窄がある側(患側)の腕を激しく動かすと症状が出る
    • 多く血流が「盗まれる」状態になる
  • 主な症状
    • 患側の腕の血圧低値や腕のしびれ
      • 左右の腕で血圧を計ると20mmHg以上の差がある
    • 一過性の脳虚血の症状
      • 一過性のめまいや失明
      • 失神など
      • ろれつが回らないなどの言語障害

鎖骨下動脈盗血症候群の検査・診断

  • 実際の血管の太さを画像検査で調べる
    • 造影CT検査
    • 血管造影検査

鎖骨下動脈盗血症候群の治療法

  • 虚血症状が強い場合は、血管内治療による手術を行う
    • 血管の詰まりを取り除いたり、ステントを入れて血管を拡げる
  • 血をサラサラにする薬を飲むことがある
    • 抗血小板薬
    • 抗凝固薬

鎖骨下動脈盗血症候群のタグ

鎖骨下動脈盗血症候群に関わるからだの部位