ちっく
チック
不規則で突発的な、意図しない体の動きや発声を繰り返してしまう病気
8人の医師がチェック 94回の改訂 最終更新: 2018.10.05

チックの基礎知識

POINT チックとは

不規則で突発的で意図しない体の動きや発声を繰り返す病気です。脳から出る司令を伝える物質に異常が起こることが原因だと考えられています。4歳から11歳ごろに発症することが知られており、男児に多い傾向にあります。症状が軽い場合は心理療法や行動療法を行うことで改善します。症状が重い場合には、抗精神病薬が用いられることもあります。チックが心配な人は小児科や精神科、神経内科を受診してください。

チックについて

  • 不規則で突発的な、意図しない体の動きや発声を繰り返してしまう病気
  • 脳内の伝達物質の関与や遺伝が影響すると考えられている
  • 緊張や不安、興奮、疲労などが誘因となりやすい
  • 4歳から11歳ごろに発症することが多く、6-7歳に最もみられる
    • 男児に多い(男女比=3:1)
  • 分類
    • 一過性チック症:1年以内にチック症が消失するもの
    • 慢性チック症:1年以上持続するもの
    • トゥレット障害:音声や単語を繰り返すなどの複雑な音声チックが現れる

チックの症状

  • 以下のような動きが症状として出ることが多い
    • 動作性の症状
      • まばたき
      • 顔をしかめる
      • 口をゆがめる
      • 口を尖らせる
      • 舌を突き出す
      • 首を左右に振る
      • 肩をびくっとさせる、すくめる
      • 腕を振る、まわす
      • 地団駄する
      • 跳び上がる
    • 音声性の主な症状
      • 咳払い
      • 鼻を鳴らす
      • 舌を鳴らす
      • 突発的で反復的な発声(「あっ」「うっ」などといった声が出る)
  • トゥレット障害の場合は、汚言(人を罵るような言葉や卑猥な言葉を発してしまう)が見られることもある

チックの検査・診断

  • 症状が比較的軽度の場合は、薬物治療などは行わない

チックの治療法

  • 症状が比較的軽度の場合は、薬物治療などは行わない
    • できるだけ身体や心理的なストレスを減らす環境を整える
    • 場合によって心理療法や行動療法などを行う
  • 生活に支障が来すような重度の場合は、抗精神病薬などが用いられることもある
  • 多くの場合、10歳過ぎには自然と症状が出なくなる
    • あまり症状を指摘しすぎないことが重要

チックの経過と病院探しのポイント

チックが心配な方

チックでは、不規則で突発的な、まばたきや顔をしかめるなど、意図しない体の動きや発声を繰り返す症状が特徴的です。緊張や不安、興奮、疲労などが誘因で起こりやすいと言われています。

ご自身がチックではないかと心配になった時、最初に受診するのは、小児科、神経内科、精神科の病院やクリニックが適しています。チックを専門としている医師は多くありませんが、多くの方に関しては、専門的な治療が必要なことは少なく、専門医の受診でなくても問題ありません。年齢によって、受診する科が異なります。チックは、小児期に発症することが最も多いため、かかりつけの小児科があれば、まずはその病院を受診するのがいいでしょう。重度の症状が出現しているなど、かかりつけの小児科がチックの診療が難しいと判断した場合は、診療情報提供書(紹介状)を作成してもらい、専門の病院を紹介してもらうことをお勧めします。青年期にチック症状で困った場合は、神経内科や精神科を受診しましょう。チックは症状から診断します。特に検査は必要としませんが、他の疾患を疑った場合には、その疾患に準じた検査を行うこともあるでしょう。

チックに関連する診療科の病院・クリニックを探す

チックでお困りの方

チックの治療としては、薬物治療を行います。しかし、10歳過ぎには自然と症状が出なくなることも多く、症状が軽度であり、日常生活に支障がでない場合には薬物治療を行わないことも多くあります。まずは、身体的・心理的ストレスを減らす環境作りを行います。チックがある方と過ごす時には、あまり症状を指摘しすぎないことが重要です。

それでも改善しない場合は、心理療法や行動療法という治療や抗精神病薬などを使った治療を行います。このような治療を行う場合は、専門的な病院の受診が望ましいため、かかりつけ医がいる場合は診療情報提供書(紹介状)を作成してもらいましょう。

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