Beta 脂肪腫のQ&A
脂肪腫は、どんな症状で発症するのですか?
皮膚の下に軟らかなできものが気づくとできていて、通常痛みはありません。
場所によっては圧迫されて違和感を感じることがありますが、原則的には症状はありません。表面の皮膚や下の骨などとくっついていないため、ぐりぐりと押すとある程度可動性があるのも特徴の一つです。
脂肪腫は、どのように診断するのですか?
基本的には特別な検査は行われず、診察(見た目と触感)で診断されます。
ただし中には、外から見ただけでは判断が難しい場合もあるため、超音波検査やCT、MRIなどの画像検査をすることがあります。
場合によっては組織を一部またはすべてとってきて、顕微鏡で観察して診断します(病理検査)。
脂肪腫の治療法について教えて下さい。
基本的に症状もなく、良性の腫瘍であるため無治療でも問題はありません。
見た目が気になる、圧迫すると違和感が出るなどの症状があるとき、あるいは診断が不確実なときには、診断もかねて手術で切除します。
脂肪腫については、飲み薬による治療はありません。
脂肪腫の原因、メカニズムについて教えて下さい。
明らかな原因はわかっていませんが、脂肪細胞が増えることによる、良性の腫瘍です。
脂肪腫は、どのくらいの頻度で起こる病気ですか?
皮膚の下にできる腫瘍の中では最も頻度の高いできものの一つです。
脂肪腫が悪化すると、どのような症状が起こりますか?
脂肪腫は基本的に大きな問題となることは少ない病気ですが、徐々にサイズが大きくなることがあります。その場合違和感が強くなったり、まれにですが神経を圧迫してしびれなどの症状を引き起こすことがあります。
脂肪腫と診断が紛らわしい病気はありますか?
脂肪肉腫、結節性筋膜炎、平滑筋腫など、皮膚の下に同じようなしこりを作る病気が鑑別になります。ほかの病気を疑う場合には必要に応じて画像検査などをすることがあります。
脂肪腫の手術では入院が必要ですか?通院はどの程度必要ですか?
脂肪腫は、多くは日帰りの外来手術で切除できます。しかし大きい場合や深い場所にあるものでは、手術時間がかかったり出血が多くなったりすることがあるため、入院して手術をすることもあります。
入院期間は1泊2日程度か、あるいは特別な原因があって入院となっている場合には出血の程度や傷の経過によって長くなることがあります。
通院は出血などが問題なければ抜糸までの1-2週間程度が目安になります。
脂肪腫と粉瘤の違いについて教えて下さい。
脂肪腫と粉瘤は、どちらも皮膚の様々な箇所にできる良性のできものです。
脂肪腫は脂肪のできものであり、ゆっくりと大きくなることはありますが、細菌が入って感染症を起こしたりすることは通常ありません。
粉瘤は袋のできもので、しばしば細菌が入って感染症を起こすことがあります。
脂肪腫は、手術をしても再発することがありますか?
通常一つの脂肪腫自体は、取りきれていれば同じものが再発することはありません。しかし、他の場所に別の脂肪腫ができてしまう可能性はあります。
脂肪腫の詳細な原因は現時点で明らかになっておらず、再発を予防するための明確な手段はありません。
脂肪腫は、他人にうつったり、遺伝したりする病気ですか?
人にうつったり、遺伝したりすることはありません。
脂肪腫は、完治する病気ですか?あるいは、治っても後遺症の残る病気ですか?
手術で取り切れれば完治したといえます。後遺症は通常ありませんが、手術の痕は残ります。