しゅうじょうこつこっせつ(しゅこんこつこっせつ)
舟状骨骨折(手根骨骨折)
手首の骨の一つである舟状骨の骨折。小さい骨である割に治りが悪く、治療に難渋する場合がある
4人の医師がチェック 118回の改訂 最終更新: 2018.05.29

舟状骨骨折(手根骨骨折)の基礎知識

POINT 舟状骨骨折(手根骨骨折)とは

手首の関節には8つの小さい骨(手根骨)があり、舟状骨(しゅうじょうこつ)はそのうちの一つです。親指寄りにあり、手根骨の中でも特に重要な骨に挙げられます。舟状骨は、スポーツや交通事故などで、手首を反らした状態で手を強くついたときによく骨折します。症状としては、手首の親指側が腫れて痛みます。時間経過とともに痛みは良くなっていきますが、適切な治療をせずに骨折部がくっつかない場合には手首の関節の変形が進行し、手首の痛みが残り、力が入りにくいなどの症状が続きます。このように、骨折した部位の骨がつかず、関節のように動いてしまうものを偽関節(ぎかんせつ)といいます。診断は問診と診察、レントゲン(X線)検査で行いますが、舟状骨骨折はレントゲン検査で写りにくいことが特徴で、初期には診断が難しいことも多いです。CT検査やMRI検査を行うことで、舟状骨骨折はより発見されやすくなります。治療としては、ギプス固定、特殊なネジによる固定などを行います。偽関節になったものでは、放置すると手首全体が悪くなってくることが多いため、手術が必要となります。舟状骨骨折が心配な方や治療したい方は整形外科を受診してください。

舟状骨骨折(手根骨骨折)について

  • 手首の骨の1つである舟状骨の骨折
    • 舟状骨は、手関節(手首の関節)にある8つの手根骨の1つで母指(親指)側にある骨
    • 同名の骨が足にも存在する
    • 発見が難しく、また癒合しにくい骨折として有名
    • 舟状骨は元々血行が悪い部位であるため、治療するために必要なだけの血流が得られない場合がある
  • スポーツや交通事故などで、手を強くついて手関節を手の甲側に無理に曲げたときに生じる
    • スポーツによる受傷が半数近くを占める
    • 10歳代後半から20歳代の青年が多い
  • 骨折部位は、遠位部(指先側)、中央部、近位部の3つに分けられる
    • 中央部で生じる骨折(体部骨折)が約半数を占める
  • 手根骨骨折で最も頻度が高い

舟状骨骨折(手根骨骨折)の症状

  • 急性期では、手首の親指側が腫れ、痛みが生じやすい
  • 急性期を過ぎると一時症状が治まるが、放置して骨折部がつかずに偽関節になると、手関節の変形が進行する
    • 親指の付け根から手首にかけて痛みが生じ、動かせなくなる
    • 手首を動かすと痛む
  • 嗅ぎタバコ窩(手の甲側、親指の付け根にある小さなくぼみ)を押すと痛む

舟状骨骨折(手根骨骨折)の検査・診断

  • レントゲンX線)検査:骨折の有無や骨のずれの程度を調べる
    • レントゲン(X線)検査で骨折が判明しなくても、痛みが強い場合は舟状骨骨折の可能性を疑うことが大事
    • 診断が遅れることで偽関節(骨折が治癒しない)になる場合がある
    • 診断のために、CT検査やMRI検査を行うこともある

舟状骨骨折(手根骨骨折)の治療法

  • 保存的治療:腕の手首に近い部分から親指までギプスなどで固定する(8-12週ほど)
    • 長期間のギプス固定は日常生活に支障をきたしやすいので注意が必要
      ・骨折の治癒後に手首が固まってしまい、手首が動かしづらくなることがある
    • ギプスを外した後も関節のリハビリテーションが必要
  • 手術治療
    • 内固定手術
      ・長期間の固定を行っても骨がくっつきにくいため、骨折部に圧着力をかけられるスクリューなどを用いて内固定術を行い、治療期間を短縮することも積極的に行われている
    • 骨移植
      ・骨がなかなかくっつかないときや、折れた骨の破片が壊死していると疑われる場合には、骨移植も検討
  • 若年患者だけでなく、高齢者に対しても手術が勧められることがある

舟状骨骨折(手根骨骨折)の経過と病院探しのポイント

舟状骨骨折(手根骨骨折)が心配な方

舟状骨骨折は、手首にある小さな骨の骨折です。小さな骨ではありますが、治りが悪い骨折としても有名なものの一つです。手を強く地面についた時などに起きやすいケガとして知られています。強く打った後から手首が腫れて強い痛みがある場合には舟状骨骨折の可能性がありますが、似た症状が見られる状況としてはそれ以外にも橈骨(とうこつ)や尺骨(しゃっこつ)の骨折、骨の脱臼、腱損傷といった外傷があります。ご自身でこのうちのどれかを診断するのは必ずしも容易ではありません。

ご自身の症状が舟状骨骨折でないかと心配になった時、まずは整形外科のクリニックや、お近くの救急外来を受診されることをお勧めします。筋肉や靱帯の軽度の損傷であれば基本的に手術は不要ですのでクリニックで対応が可能です。実際に医療機関を受診された後は、舟状骨骨折の診断は診察とレントゲン(X線)検査、CT検査などで行います。舟状骨骨折の場合には、手術の必要なものであればレントゲン検査やその他行われた診察、検査の結果をまとめた診療情報提供書(紹介状)とともに、手術可能な病院を紹介してくれます。

受診先として、総合病院の救急外来は相対的に待ち時間が少ないというメリットもある一方で、専門の整形外科医ではなく広く浅く診察をする救急医が初期対応に当たることも多いです(日中は救急外来が開いていないこともあります)。総合病院の整形外科外来は、飛び込みで受診するには患者数が多く(待ち時間が長く)、また診療情報提供書を持っていないと受診ができなかったり、追加料金が必要となったりします。

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舟状骨骨折(手根骨骨折)でお困りの方

舟状骨骨折の場合、骨のずれが小さいケースでは手術を行わずにギプス固定で治療を行うことがあります。しかしそのようなものを除けば手術が必要となることが多いです。舟状骨骨折を含む骨折全般は、診断がつき次第その場で治療が開始されますので、どこでどのような治療を受けるかを迷う余地は少ないかもしれません。

手術後は、あまり安静にし過ぎているとかえって関節が固まって動かしづらくなってしまうため、痛みに耐えられる範囲で早期からリハビリテーションを開始していきます。

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