足趾腱損傷の基礎知識
POINT 足趾腱損傷とは
足の指を曲げ伸ばしする腱が傷ついた状態です。主な原因として、足に物が落ちることや、スポーツによる筋肉への過度な負担などがあります。主な症状として、足の指の不自由さや痛み、腫れなどが起こります。診断に特別な検査は必要ではなく、状況に応じて画像検査(レントゲン検査や超音波検査、MRI検査)が行われます。手術によって腱を縫合することもありますが、ほとんどの場合は手術をせずに様子をみることで改善します。足趾腱損傷が心配な人は整形外科を受診してください。
足趾腱損傷について
- 足の指を曲げ伸ばしする腱が傷ついた状態
- 主な原因
- 足に物が落ちる
- スポーツによる筋肉への過剰なストレス
- 稀ではあるが、足を強くひねることで起こることもある
- 男性に多い
- 伸筋腱(指を伸ばす腱)は足の甲側の皮膚のすぐ下にあるため、損傷しやすい
足趾腱損傷の症状
- 主な症状
- 足の指の運動障害:足の指を動かすことができない
- 痛み
- 足の指を動かそうとすると痛みが出る
- 足を着くと痛みが出る
- 腫れ:足の甲や足の裏が腫れる
- 神経も一緒に損傷することがある
足趾腱損傷の検査・診断
- 検査は特に行わず、診察のみで診断されることも多い
- 行われる場合のある検査は以下の通り
- 画像検査
レントゲン 検査:レントゲンのみでは腱の異常は判断できないが、顕著な骨折の有無については確認できるMRI 検査
超音波検査 :腱の状態を確認する
- 画像検査
足趾腱損傷の治療法
- 手術
- 腱
縫合 術:傷ついた腱を縫い合わせる - 腱が部分的に切れているだけの場合には手術を行わないことも多い
- 腱
- リハビリテーション
- 足の指の働き、痛みの改善などのために行う
足趾腱損傷の経過と病院探しのポイント
足趾腱損傷が心配な方
腱は筋肉の一部で骨とつながっている部分です。したがって、足趾の腱が切れてしまうと、足の指を曲げたり伸ばしたりすることができなくなります。指を伸ばす腱と曲げる腱は別々ですので、たいていの場合はどちらか一方の損傷でしょう。足の甲を怪我すると指を伸ばす腱が傷害され、足の裏を怪我すると指を曲げる腱が傷害されることになります。
足から足首周囲にケガを負って足の指が曲がらない場合には、まずは整形外科のクリニックや、お近くの救急外来を受診されることをお勧めします。深い切り傷があったりするような場合には、痛みがあってそもそも指を曲げようとできないことがあるため、自分では指が曲がるかどうかを判断しづらいことが多いです。整形外科や救急専門の医師であれば、腱の損傷がないかどうか、そして骨折がないかどうかの判断の他に、皮膚の縫合などの処置が可能です。
受診先として、総合病院の救急外来は相対的に待ち時間が少ないというメリットもある一方で、専門の整形外科医ではなく広く浅く診察をする救急医が初期対応に当たることになります(日中は救急外来が開いていないこともあります)。総合病院の整形外科外来は、飛び込みで受診するには患者数が多く(待ち時間が長く)、また診療情報提供書(紹介状)を持っていないと受診ができなかったり、追加料金が必要となったりします。
実際に足趾腱損傷だった場合には手術が必要となります。この手術は、一刻を争うということは必ずしもなく、ケガをしてから1-2週間以内であれば後からの手術も可能な場合があります。あえて待つ必要はもちろんないのですが、最初に受診した医療機関で全てが決まってしまうという心配はありません。手の手術を行っていない医療機関では、近くでそのような処置を行っている病院を紹介してくれますので、まずは近くの医療機関を受診して判断を仰ぐのが良いでしょう。
足趾腱損傷でお困りの方
診断の結果が足趾腱損傷だった場合、切れてしまった腱を縫い合わせる手術が必要です。これには一般の整形外科医ではなく、「手の外科(足の外科)」という分野を専門としている医師が適しています。筋肉や骨、腱の処置を専門とするのが整形外科医ですが、手足の手術にはより繊細で特別なスキルを要するために手外科専門医という認定資格が設けられています。
足趾腱損傷のタグ
足趾腱損傷に関わるからだの部位
