かたかんせつだっきゅう
肩関節脱臼
肩が外れた状態。
7人の医師がチェック 64回の改訂 最終更新: 2018.11.21

Beta 肩関節脱臼のQ&A

    肩関節脱臼の原因、メカニズムについて教えて下さい。

    肩関節の脱臼は、外からの力によって肩の関節が強制的に外転外旋(ボールを投げるのに振りかぶったような姿勢)されて生じる場合が多いです。上腕骨の付け根が前に押し出されて外れたものが前方脱臼であり、もっとも多い種類の肩関節脱臼です。

    肩関節脱臼は、どんな症状で発症するのですか?

    急激な外力を受けた際に、痛みとともに右腕が動かせなくなります。

    肩関節が脱臼していると腕が上がらず、例えば右肩であれば、右手で左肩を触れるような動きができなくなります。

    肩関節脱臼は、どのように診断するのですか?

    レントゲンで、上腕骨が肩甲骨から外れていることを確認して診断します。

    肩の内側に上腕骨によるふくらみが見えていたり、肩関節周囲を触れた感じなどから診断することも可能ですが、特に初めての脱臼などの場合には、骨折の有無を確認する意味も含めてレントゲンを撮影することが一般的です。

    肩関節脱臼の整復法について教えて下さい。

    Zero Position法、Kocher法、その他にも様々な方法があります。これらは熟練を要し、また整復に伴う骨折のリスクがあるので、一般の方が行うことはあまり望ましいと言えません。

    肩関節脱臼は、どのような人に起きやすい疾患ですか?

    若い年齢層に多く、男女比が4:1で男性に多いと言われています。

    肩関節脱臼の、その他の症状について教えて下さい。

    肩関節脱臼によって神経が圧迫されると、腋窩神経麻痺という症状が出ることがあります。腋窩神経と呼ばれる神経が分布している肩の外側の感覚が鈍くなったり、肩関節脱臼が整復された後にもピリピリやチクチクするような違和感、痛みが残ることがあります。

    肩関節脱臼の、その他の検査について教えて下さい。

    MRI検査を行って、腱板という肩のすじが切れていないか確認することがあります。

    レントゲンでは骨を写すことはできますが、腱板の様子を確認することはできません。

    肩関節脱臼の手術について教えて下さい。

    肩関節脱臼の手術には様々な種類がありますが、破れた関節の袋を修復するものが中心です。関節鏡(カメラを用いた内視鏡の一種)を用いた手術法と、そうでない従来からの手術法があります。関節鏡治療の方が優れている点もありますし、従来からの手術法の方が優れている点もあり、病状に応じてどちらがより適切か、相談の上で使い分けます。

    肩関節が脱臼しやすくなる動かし方や、特定のスポーツなどはありますか?

    自分で出来る範囲の動かし方で脱臼することはまずありません。ラグビーのタックルなどで受傷することが多いようです。

    肩関節脱臼と診断が紛らわしい病気はありますか?

    上腕骨頸部骨折と言って、腕の付け根に起きる骨折と紛らわしいこと、あるいは両方が同時に起きていることがあります。レントゲン撮影によってこれらを区別します。

    肩関節脱臼の手術後は、どのくらいの安静期間が必要なのでしょうか?

    手術には様々な種類があり一概には言えませんが、平均的なところで言うと、4-6週間程度です。

    肩関節の柔軟性が低いと(関節が固いと)脱臼しやすくなるのですか?

    はい、逆に関節の柔軟性が高ければ、無理な力が加わりにくいため脱臼しにくくなります。

    肩関節脱臼は、再発することがありますか?

    肩関節の脱臼を起こして、特に手術を行わない場合には、再発することがあります。

    若い年齢で起こした脱臼ほど、その後の再発率が高いことが知られており、10代で初めて脱臼した場合には、80-90パーセントで再発があるとされています。

    肩関節脱臼と一緒に起きやすい、その他のケガについて教えて下さい。

    肩関節脱臼では、15-35%に骨折が同時に生じているとする報告があり、初めての脱臼では特に多いとされています。「骨折」と聞いて多くの方が想像するような、骨が2つに割れてしまう骨折とは異なり、上腕骨(二の腕の骨)の圧迫による陥没骨折などが中心です。こういった骨折や、関節唇と呼ばれる関節を覆うような形の部分の損傷が原因で、脱臼が治った後も再発がしやすくなります。

    また、軽度のものも含めると、肩関節脱臼の1/3から1/2には腱板損傷が合併します。

    上腕骨が肩関節から脱臼する際には、このように周囲の組織にも傷害を与えます。こういった周辺組織の損傷も含めた広い概念として「肩関節脱臼」を捉えることもあります。これらのような合併症によって、治癒までの時間がかかったり、再び脱臼しやすくなったりといった問題が生じます。

    肩関節脱臼では入院が必要ですか?通院はどの程度必要ですか?

    全身麻酔(局所麻酔ではなく眠ってしまう麻酔)をせずに整復できた場合は、入院せずに帰宅が可能です。全身麻酔をした場合には1泊の入院か、あるいは外来で数時間以上経過を見た後に、どなたかに付き添ってもらった上で帰宅となる場合などがあります。

    肩関節脱臼の再発を予防するために、有効なトレーニングやストレッチの方法はありますか?

    関節を安定させる上で、肩周囲の筋肉増強トレーニングや、関節を柔軟にするためのストレッチは効果があると言えます。