処方薬
トランコロンP配合錠

トランコロンP配合錠の添付文書

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効果・効能

過敏大腸症(イリタブルコロン)。

用法・用量

通常成人1回2錠を1日3回経口投与する。

なお、年齢、症状により適宜増減する。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    1. 重大な副作用
  1. 1.1. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、紅皮症(剥脱性皮膚炎)(いずれも頻度不明):発熱、紅斑、水疱・びらん、そう痒感、咽頭痛、眼充血、口内炎等の異常が認められた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

  2. 1.2. 過敏症症候群(頻度不明):初期症状として発疹、発熱がみられ、さらにリンパ節腫脹、肝機能障害等の臓器障害、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがあるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと(なお、ヒトヘルペスウイルス6再活性化(HHV-6再活性化)等のウイルス再活性化を伴うことが多く、発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること)。

  3. 1.3. 依存性(頻度不明):本剤中に含まれるフェノバルビタールの連用により薬物依存を生じることがある。また、フェノバルビタールの連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、不安、不眠、痙攣、悪心、幻覚、妄想、興奮、錯乱又は抑うつ状態等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと〔8.2、9.1.12、9.1.13、9.8高齢者の項参照〕。

  4. 1.4. 顆粒球減少、血小板減少(いずれも頻度不明)〔8.1参照〕。

  5. 1.5. 肝機能障害(頻度不明):AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがある〔8.1、9.3肝機能障害患者の項参照〕。

  6. 1.6. 呼吸抑制(頻度不明)〔9.1.8、9.8高齢者の項参照〕。

    1. その他の副作用
    1. 精神神経系:(頻度不明)眠気、アステリキシス(asterixis)、眩暈、頭痛、頭重、せん妄、昏迷、鈍重、構音障害、知覚異常、運動失調、精神機能低下、興奮、多動。
    2. :(頻度不明)視調節障害。
    3. 過敏症:(頻度不明)発疹(猩紅熱様発疹・麻疹様発疹・中毒疹様発疹等)。
    4. 血液:(頻度不明)血小板減少、巨赤芽球性貧血。
    5. 肝臓:(頻度不明)AST上昇・ALT上昇・γ-GTP上昇等の肝機能障害、黄疸。
    6. 泌尿器:(頻度不明)排尿障害、*蛋白尿等の*腎障害[*:連用によりあらわれることがある]。
    7. 消化器:(頻度不明)口渇、便秘、悪心・嘔吐、食欲不振。
    8. 骨・歯:(頻度不明)クル病、骨軟化症、歯牙形成不全[連用によりあらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常(血清アルカリフォスファターゼ値上昇、血清カルシウム低下・血清無機リン低下等)があらわれた場合には、減量又はビタミンDの投与等適切な処置を行うこと]、低カルシウム血症。
    9. 内分泌系:(頻度不明)甲状腺機能検査値異常(血清T4値異常等)。
    10. その他:(頻度不明)血清葉酸値低下、*ヘマトポルフィリン尿[*:連用によりあらわれることがある]、発熱。

使用上の注意

(禁忌)

    1. 閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある]。
    1. 前立腺肥大による排尿障害のある患者[排尿筋の弛緩と膀胱括約筋の収縮を起こし、排尿障害を悪化させるおそれがある]。
    1. 重篤な心疾患のある患者[心臓の運動を促進させ、症状を悪化させるおそれがある]。
    1. 麻痺性イレウスのある患者[消化管運動を低下させるため、症状を悪化させるおそれがある]。
    1. 本剤又はバルビツール酸系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者。
    1. 急性間欠性ポルフィリン症のある患者[ポルフィリン合成を増加させ、症状を悪化させるおそれがある]。
    1. ボリコナゾール投与中、タダラフィル投与中(肺高血圧症を適応とする場合)、マシテンタン投与中、チカグレロル投与中、ドラビリン投与中、リルピビリン投与中、イサブコナゾニウム投与中、カボテグラビル投与中、ニルマトレルビル・リトナビル投与中、ドルテグラビル・リルピビリン投与中、リルピビリン・テノホビル アラフェナミド・エムトリシタビン投与中、ダルナビル・コビシスタット投与中、アルテメテル・ルメファントリン投与中、EVG・COBI・FTC・TDF投与中(エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル ジソプロキシル)、EVG・COBI・FTC・TAF投与中(エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド)、DRV・COBI・FTC・TAF投与中(ダルナビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド)、ビクテグラビル・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド投与中、ソホスブビル・ベルパタスビル投与中の患者〔10.1参照〕。

(重要な基本的注意)

    1. 連用中は定期的に肝機能・腎機能、血液検査を行うことが望ましい〔9.2腎機能障害患者、9.3肝機能障害患者の項、11.1.4、11.1.5参照〕。
    1. 本剤中に含まれるフェノバルビタールの連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意し慎重に投与すること〔9.1.12、9.1.13、11.1.3参照〕。
    1. 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下、視調節障害が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように注意すること。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

  1. 1.1. 開放隅角緑内障の患者:抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある。

  2. 1.2. 前立腺肥大のある患者:排尿障害を起こすおそれがある。

  3. 1.3. 甲状腺機能亢進症のある患者:本剤中に含まれるメペンゾラート臭化物は心臓の運動を促進させ、心悸亢進や頻脈を悪化させるおそれがある。

  4. 1.4. 甲状腺機能低下症のある患者:甲状腺機能の異常を来すおそれがある。

  5. 1.5. うっ血性心不全又は不整脈のある患者:心臓の運動を促進させ、症状を悪化させるおそれがある。

  6. 1.6. 潰瘍性大腸炎のある患者:中毒性巨大結腸があらわれるおそれがある。

  7. 1.7. 高温環境にある患者:汗腺等の分泌機能を抑制するので、体温調節が障害され高熱になるおそれがある。

  8. 1.8. 虚弱者・呼吸機能低下している患者:呼吸抑制を起こすおそれがある〔11.1.6参照〕。

  9. 1.9. 頭部外傷後遺症又は進行した動脈硬化症のある患者:本剤中に含まれるフェノバルビタールの作用が強くあらわれるおそれがある。

  10. 1.10. 心障害のある患者:血圧低下や心拍数減少を起こすおそれがある。

  11. 1.11. アルコール中毒のある患者:中枢抑制作用を増強させるおそれがある。

  12. 1.12. 薬物依存傾向又は薬物依存の既往歴のある患者:精神及び身体依存を示すおそれがある〔8.2、11.1.3参照〕。

  13. 1.13. 重篤な神経症患者:神経症患者には依存的傾向があるので、精神依存及び身体依存を示すおそれがある〔8.2、11.1.3参照〕。

(腎機能障害患者)

腎機能障害患者:症状の悪化、また、本剤中に含まれるフェノバルビタールの血中濃度上昇のおそれがある〔8.1参照〕。

(肝機能障害患者)

肝機能障害患者:症状の悪化、また、本剤中に含まれるフェノバルビタールの血中濃度上昇のおそれがある〔8.1、11.1.5参照〕。

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい。

  1. 5.1. 本剤中に含まれるフェノバルビタールを妊娠中に投与された患者の中に、奇形を有する児(口唇裂、口蓋裂、心奇形、大動脈縮窄症等)を出産した例が多いとの疫学的調査報告がある。

  2. 5.2. 本剤中に含まれるフェノバルビタールを妊娠中に投与することにより、新生児に出血傾向、呼吸抑制等を起こすことがある。

  3. 5.3. 本剤中に含まれるフェノバルビタールを妊娠中に投与することにより、葉酸低下が生じるとの報告がある。

  4. 5.4. 本剤中に含まれるフェノバルビタールを分娩前に連用した場合、出産後新生児に離脱症状(多動、振戦、反射亢進、過緊張等)があらわれることがある。

(授乳婦)

授乳を避けさせること(本剤中に含まれるフェノバルビタールが乳汁中へ移行し、新生児、乳児に傾眠、哺乳量低下を起こすことがある)。

(小児等)

小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。

(高齢者)

少量から投与を開始するなど慎重に投与すること(一般に抗コリン作用による視調節障害、口渇、排尿障害等が、また、本剤中に含まれるフェノバルビタールによる呼吸抑制、興奮、抑うつ、錯乱等があらわれやすい)〔11.1.3、11.1.6参照〕。

(相互作用)

本剤中に含まれるフェノバルビタールは薬物代謝酵素CYP3A等の誘導作用を有する。

    1. 併用禁忌
    1. ボリコナゾール(ブイフェンド)、タダラフィル(肺高血圧症を適応とする場合)(アドシルカ)、マシテンタン(オプスミット)、チカグレロル(ブリリンタ)、ドラビリン(ピフェルトロ)、リルピビリン(エジュラント、リカムビス)、イサブコナゾニウム(クレセンバ)〔2.7参照〕[これらの薬剤の代謝が促進され血中濃度が低下するおそれがある(本剤中のフェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用による)]。
    2. カボテグラビル(ボカブリア)〔2.7参照〕[カボテグラビルの代謝が促進され血中濃度が低下するおそれがある(本剤中のフェノバルビタールのUGT1A1誘導作用による)]。
    3. ニルマトレルビル・リトナビル(パキロビッドパック)〔2.7参照〕[ニルマトレルビル及びリトナビルの代謝が促進され血中濃度が低下することで抗ウイルス作用の消失や耐性出現のおそれがある(本剤中のフェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用による)]。
    4. ドルテグラビル・リルピビリン(ジャルカ配合錠)〔2.7参照〕[ドルテグラビル及びリルピビリンの代謝が促進され血中濃度が低下するおそれがある(本剤中のフェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びUGT1A1誘導作用による)]。
    5. リルピビリン・テノホビル アラフェナミド・エムトリシタビン(オデフシィ配合錠)〔2.7参照〕[リルピビリン及びテノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下するおそれがある(本剤中のフェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びP糖蛋白誘導作用による)]。
    6. ダルナビル・コビシスタット(プレジコビックス配合錠)〔2.7参照〕[ダルナビル及びコビシスタットの代謝が促進され血中濃度が低下するおそれがある(本剤中のフェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用による)]。
    7. アルテメテル・ルメファントリン(リアメット配合錠)〔2.7参照〕[アルテメテル及びルメファントリンの代謝が促進され血中濃度が低下するおそれがある(本剤中のフェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用による)]。
    8. EVG・COBI・FTC・TDF(エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル ジソプロキシル)(スタリビルド配合錠)〔2.7参照〕[エルビテグラビル及びコビシスタットの血中濃度が低下するおそれがある(本剤中のフェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びP糖蛋白誘導作用による)]。
    9. EVG・COBI・FTC・TAF(エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド)(ゲンボイヤ配合錠)〔2.7参照〕[エルビテグラビル・コビシスタット・テノホビルアラフェナミドの血中濃度低下するおそれがある(本剤中のフェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びP糖蛋白誘導作用による)]。
    10. ダルナビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド(シムツーザ配合錠)〔2.7参照〕[ダルナビル・コビシスタット及びテノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下するおそれがある(本剤中のフェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びP糖蛋白誘導作用による)]。
    11. ビクテグラビル・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド(ビクタルビ配合錠)〔2.7参照〕[ビクテグラビル及びテノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下するおそれがある(本剤中のフェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP3A)誘導作用及びP糖蛋白誘導作用による)]。
    12. ソホスブビル・ベルパタスビル(エプクルーサ配合錠)〔2.7参照〕[ソホスブビル及びベルパタスビルの血中濃度が低下するおそれがある(本剤中のフェノバルビタールの肝薬物代謝酵素(CYP)誘導作用及びP糖蛋白誘導作用による)]。
    1. 併用注意
    1. 三環系抗うつ剤(イミプラミン、アミトリプチリン等)、フェノチアジン系薬剤(クロルプロマジン等)、抗ヒスタミン剤(ジフェンヒドラミン等)[抗コリン作用に基づく副作用(視調節障害・口渇・排尿障害等)があらわれるおそれがある(本剤中のメペンゾラート臭化物及びこれらの薬剤はともに抗コリン作用を有するため相加的に抗コリン作用が増強されることがある)]。
    2. モノアミン酸化酵素阻害剤

      ①. モノアミン酸化酵素阻害剤[抗コリン作用に基づく副作用(視調節障害・口渇・排尿障害等)があらわれるおそれがある(本剤中のメペンゾラート臭化物の代謝が阻害され、抗コリン作用が増強されることがある)]。

      ②. モノアミン酸化酵素阻害剤[相互に中枢神経抑制作用が増強することがあるので、減量するなど注意すること(機序不明)]。

    3. 中枢神経抑制剤(フェノチアジン系薬剤、バルビツール酸誘導体、トランキライザー、トピラマート等)、抗ヒスタミン剤(ジフェンヒドラミン等)、アルコール[相互に中枢神経抑制作用が増強することがあるので、減量するなど注意すること(本剤中のフェノバルビタール及びこれらの薬剤は中枢神経抑制作用を有する)]。

    4. 三環系抗うつ剤、四環系抗うつ剤

      ①. 三環系抗うつ剤(イミプラミン等)、四環系抗うつ剤(マプロチリン等)[相互に中枢神経抑制作用が増強することがあるので、減量するなど注意すること(本剤中のフェノバルビタール及びこれらの薬剤は中枢神経抑制作用を有する)]。

      ②. 三環系抗うつ剤(イミプラミン等)、四環系抗うつ剤(マプロチリン等)[これらの抗うつ剤の血中濃度が低下することがあるので、本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意すること(本剤中のフェノバルビタールの肝薬物代謝酵素誘導作用による)]。

    5. メチルフェニデート[本剤中のフェノバルビタールの血中濃度が上昇することがあるので、減量するなど注意すること(メチルフェニデートが本剤中のフェノバルビタールの肝代謝を抑制すると考えられている)]。

    6. バルプロ酸

      ①. バルプロ酸[本剤中のフェノバルビタールの血中濃度が上昇し作用が増強することがある(バルプロ酸が本剤中のフェノバルビタールの肝代謝を抑制する)]。

      ②. バルプロ酸[バルプロ酸の血中濃度が低下することがあるので、本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意すること(本剤中のフェノバルビタールの肝薬物代謝酵素誘導作用による)]。

      ③. バルプロ酸[高アンモニア血症の発現リスクが高まるおそれがある(機序不明)]。

    7. スチリペントール

      ①. スチリペントール[本剤中のフェノバルビタールの血中濃度が上昇し作用が増強することがある(スチリペントールが本剤中のフェノバルビタールの肝代謝を抑制する)]。

      ②. スチリペントール[スチリペントールの血中濃度が低下することがあるので、本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意すること(本剤中のフェノバルビタールの肝薬物代謝酵素誘導作用による)]。

    8. クロバザム

      ①. クロバザム[本剤中のフェノバルビタールの血中濃度が上昇することがある(機序不明)]。

      ②. クロバザム[クロバザムの血中濃度が低下することがあるので、本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意すること(本剤中のフェノバルビタールの肝薬物代謝酵素誘導作用による)]。

    9. ソホスブビル[ソホスブビルの血中濃度が低下するおそれがある(本剤中のフェノバルビタールのP糖蛋白誘導作用による)]。

    10. イリノテカン[イリノテカンの活性代謝物の血中濃度が低下し作用が減弱することがあるので、併用を避けることが望ましい(本剤中のフェノバルビタールの肝薬物代謝酵素誘導作用による)]。

    11. 主にCYP3Aで代謝される薬剤(副腎皮質ホルモン剤(デキサメタゾン等)、卵胞ホルモン剤・黄体ホルモン剤(ノルゲストレル・エチニルエストラジオール等)、PDE5阻害剤(タダラフィル(勃起不全・前立腺肥大症に伴う排尿障害を適応とする場合)(シアリス、ザルティア)、シルデナフィル、バルデナフィル)、アゼルニジピン、イグラチモド、イマチニブ、カルバマゼピン、シクロスポリン、ゾニサミド、タクロリムス、フェロジピン、ベラパミル、モンテルカスト等)[これらの薬剤の血中濃度が低下し作用が減弱することがあるので、用量に注意し、本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意すること(本剤中のフェノバルビタールの肝薬物代謝酵素誘導作用による)]。

    12. アミノフィリン水和物、クロラムフェニコール、テオフィリン、パロキセチン、フレカイニド[これらの薬剤の血中濃度が低下し作用が減弱することがあるので、用量に注意し、本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意すること(本剤中のフェノバルビタールの肝薬物代謝酵素誘導作用による)]。

    13. ラモトリギン、デフェラシロクス[これらの薬剤の血中濃度が低下することがあるので、本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意すること(本剤中のフェノバルビタールがこれらの薬剤のグルクロン酸抱合を促進する)]。

    14. ルフィナミド[これらの薬剤の血中濃度が低下することがあるので、本剤を減量又は中止する場合には、これらの薬剤の血中濃度の上昇に注意すること(機序不明)]。

    15. ドキシサイクリン[ドキシサイクリンの血中濃度半減期が短縮することがある(本剤中のフェノバルビタールの肝薬物代謝酵素誘導作用による)]。

    16. クマリン系抗凝血剤(ワルファリン)[クマリン系抗凝血剤の作用が減弱することがあるので、通常より頻回に血液凝固時間の測定を行い、クマリン系抗凝血剤の量を調整すること(本剤中のフェノバルビタールの肝薬物代謝酵素誘導作用による)]。

    17. アルベンダゾール[アルベンダゾールの活性代謝物の血中濃度が低下し効果が減弱することがある(機序不明)]。

    18. 利尿剤(チアジド系降圧利尿剤等)[起立性低血圧が増強することがあるので、減量するなど注意すること(機序は不明であるが、本剤中のフェノバルビタールは高用量で血圧を低下させることがある)]。

    19. アセタゾラミド[クル病、骨軟化症があらわれやすい(本剤中のフェノバルビタールによるビタミンDの不活性化促進、又はアセタゾラミドによる腎尿細管障害、代謝性アシドーシス等が考えられている)]。

    20. アセトアミノフェン[本剤中のフェノバルビタールの長期連用により、アセトアミノフェンの代謝物による肝障害を生じやすくなる(本剤中のフェノバルビタールの肝薬物代謝酵素誘導作用により、アセトアミノフェンから肝毒性を持つN-アセチル-p-ベンゾキノンイミンへの代謝が促進されると考えられている)]。

(過量投与)

    1. 症状

    本剤中に含まれるフェノバルビタールの過量投与時の作用として中枢神経系抑制及び心血管系抑制。フェノバルビタールの血中濃度40~45μg/mL以上で眠気、眼振、運動失調が起こり、フェノバルビタールの過量投与時、重症の中毒では昏睡状態となり、呼吸は早期抑制され、脈拍弱く、皮膚には冷汗があり、体温下降し、肺合併症や腎障害の危険性もある。

    1. 処置

    過量投与時、呼吸管理、炭酸水素ナトリウム投与による尿アルカリ化、利尿剤投与によりフェノバルビタールの排泄を促進させる(重症の場合は血液透析や血液灌流を考慮すること)。

    メペンゾラート臭化物の過量投与時の抗コリン作用に対してはネオスチグミン等を静脈内投与する。

(適用上の注意)

    1. 薬剤交付時の注意

    PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。

(その他の注意)

    1. 臨床使用に基づく情報
  1. 1.1. 本剤中に含まれるフェノバルビタールの投与により血清免疫グロブリン異常(IgA異常、IgG異常等)があらわれたとの報告がある。

  2. 1.2. 本剤中に含まれるフェノバルビタールと他の抗てんかん薬(フェニトイン、カルバマゼピン)との間に交差過敏症(過敏症症候群を含む皮膚過敏症)を起こしたとの報告がある。

    1. 非臨床試験に基づく情報
  3. 2.1. 本剤中に含まれるフェノバルビタールをラット及びマウスに長期間大量投与(ラット:25mg/kg、マウス:75mg/kg)したところ、対照群に比較して肝腫瘍の発生が有意に増加したとの報告がある。

(保険給付上の注意)

本剤は厚生労働省告示第107号(平成18年3月6日付)に基づき、1回30日分を超える投薬は認められていない。

(保管上の注意)

室温保存。