にこちんいぞんしょう
ニコチン依存症
血液中のニコチン量が低下すると精神的に落ち着かなくなるといった症状が出現し、そのことで喫煙習慣を絶てない状態
4人の医師がチェック 30回の改訂 最終更新: 2019.04.16

ニコチン依存症の基礎知識

POINT ニコチン依存症とは

血液中のニコチン量の減少によって、集中力の低下やいらつき、気分の落ち込みといった症状が現れることです。ニコチン依存症スクリーニングテストという質問票を使って、診断が行われます。禁煙によってニコチンを経って、ニコチン摂取がなくても生活できるようになることを目指します。禁煙補助薬を使ったり禁煙外来への通院が有効です。医療機関で治療したい人は禁煙外来を受診してください。

ニコチン依存症について

  • 血液中のニコチン量が低下すると精神的に落ち着かなくなるといった症状が出現し、そのことで喫煙習慣を絶てない状態

ニコチン依存症の症状

  • ニコチン依存症に至ると、タバコ(ニコチン)が切れたタイミングで以下のようなニコチン離脱症状が出現する
    • 集中力の低下
    • いらつき
    • 気分の落ち込み
    • 食欲増加
  • これらの症状により喫煙したくなる衝動が生じる

ニコチン依存症の検査・診断

  • ニコチン依存症かどうかはニコチン依存症スクリーニングテストと呼ばれる特定の質問表を用いて判定する
  • 禁煙外来においては呼気の一酸化炭素濃度測定器を用いて、直近の喫煙の有無の判断の参考とすることがある
  • 依存症スクリーニングテスト:以下の質問10個のうち5個以上当てはまる場合にはタバコ(ニコチン)依存症の可能性が高い
    • 1.自分が吸うつもりよりも、ずっと多くたばこを吸ってしまうことがありましたか
    • 2.禁煙や本数を減らそうと試みてできなかったことがありましたか
    • 3.禁煙したり本数を減らそうとした時に、たばこがほしくてほしくてたまらなくなることがありましたか
    • 4.禁煙したり本数を減らそうとした時に、次のどれかがありましたか(イライラ、神経質、落ち着かない、集中しにくい、ゆううつ、頭痛、眠気、胃のむかつき、脈が遅い、手のふるえ、食欲または体重増加)
    • 5.上の症状を消すために、またたばこを吸い始めることがありましたか
    • 6.重い病気にかかって、たばこはよくないとわかっているのに吸うことがありましたか
    • 7.たばこのために健康問題が起きているとわかっていても吸うことがありましたか
    • 8.たばこのために精神的問題が起きているとわかっていても吸うことがありましたか
    • 9.自分はたばこに依存していると感じることがありましたか
    • 10.たばこが吸えないような仕事やつきあいを避けることが何度かありましたか

ニコチン依存症の治療法

  • 禁煙によってニコチンを絶ち、ニコチンの摂取がなくても生活できるようになることを目指す
  • 以下のような薬品を用いながら、医師が禁煙の支援を行う禁煙外来を設けている病院がある
  • 内服禁煙補助薬(バレニクリン)
    • ニコチンを含まない内服薬で、ニコチンの離脱症状の出現を予防する働きをもつ
  • ニコチンパッチ、ニコチンガム
    • タバコ以外の方法によってニコチンを吸収し、ニコチンの離脱症状を避けることを狙いとする

ニコチン依存症に関連する治療薬

禁煙補助薬

  • 禁煙治療におけるニコチン離脱症状を軽減したり、喫煙で得られる満足感を減らすことで無理のない禁煙へ導く薬
    • 喫煙によるおこるニコチン依存症は脳などの中枢や末梢(中枢以外)に影響を与え、がん、脳卒中、心筋梗塞など様々な病気の温床となる
    • 禁煙治療の障害となる要因にニコチン離脱症状(タバコが吸いたい、イライラするなど)がある
    • 禁煙治療における経口禁煙補助薬はニコチンを含まない薬剤で、禁煙による離脱症状や切望感、喫煙による満足感などを軽減する
    • 禁煙治療の一つに喫煙以外の方法でニコチンを補給する「ニコチン置換療法」がある
禁煙補助薬についてもっと詳しく

ニコチン依存症のタグ

からだ

ニコチン依存症に関わるからだの部位