こぶはくせん(いんきんたむし)
股部白癬(いんきんたむし)
太ももの付け根や、股、おしりなどに白癬が感染を起こす病気。通称「いんきんたむし」と呼ばれる
4人の医師がチェック 37回の改訂 最終更新: 2022.02.09

股部白癬(いんきんたむし)の基礎知識

POINT 股部白癬(いんきんたむし)とは

白癬菌が陰部に感染を起こした病気です。暑い季節や男性に多いです。主な症状としてはかゆみを持った皮膚の変化(ボツボツや赤い変化)です。患部をダーモスコピーでよく観察したり皮膚の一部を採取して顕微鏡で調べ、診断します。抗真菌薬の塗り薬を用いて治療しますが、症状が強い場合やなかなか治らない場合は抗真菌薬の飲み薬を用いることがあります。陰部白癬が心配な人や治療したい人は、皮膚科や感染症内科を受診してください。

股部白癬(いんきんたむし)について

  • 太ももの付け根や股、おしりなどの白癬感染症
  • 汗をかくと白癬菌は繁殖しやすくなる
    • スポーツ選手に多い
    • 成人男性に多い
    • 暑い季節に多い

股部白癬(いんきんたむし)の症状

  • 強い痒みを伴った、弧を描くような丘疹(ぽつぽつ)ができる
    • 太もものつけねやおしり、股の部分にできる
    • 左右対称に起こることが多い
    • 陰嚢には症状がでないことが多い
  • 丘疹は段々と地図のように広がっていき、赤い湿疹のような皮疹となる

股部白癬(いんきんたむし)の検査・診断

  • 顕微鏡検査
    • 皮膚の一部を顕微鏡で観察し、白癬菌を見つける

股部白癬(いんきんたむし)の治療法

  • 真菌薬の塗り薬を使用する
    • 状態が悪い時は、抗真菌薬(フルコナゾールなど)の飲み薬を検討する
  • 患部の清潔を保つことが重要
    • ヒトからヒトへうつるので、水虫などと同様に、治療が完了するまでタオルを共有しないなど周囲への感染対策も大切

股部白癬(いんきんたむし)の経過と病院探しのポイント

股部白癬(いんきんたむし)が心配な方

股部白癬いんきんたむし)では、股の周囲(陰部や尻)に色の変化が生じます。赤くなったり、皮がむけたり、他の部位と比べてがさつきが増したりといった様々な症状があります。見た目だけでは股部白癬かどうかの診断が確定できないため、白癬かどうかを確定するには、はがれた皮膚を採取して顕微鏡で観察します。

ご自身の症状が股部白癬でないかと心配になった時には、お近くの皮膚科で相談してみることをお勧めします。白癬は皮膚科の中でも最もメジャーな病気の一つです。悩む前に診察を受けて、診断をはっきりさせた方が治療に取り組みやすくなります。

なお、薬局やコンビニエンスストアでも白癬の治療薬を販売しているところがあります。もしこれらの薬を既に自己判断で使用している場合、皮膚科を受診する前には1週間ほど薬を休んでから受診することをお勧めします。薬を使用中だと白癬菌の数が減っていて、検査をしても見つからず診断がつかないことがあるためです。自己診断が合っていて、かつ薬を正しく使っていればそれで治ってしまうこともありますが、診察を受けることをお考えであればこのような段取りを踏んでからの受診が良いでしょう。

股部白癬(いんきんたむし)に関連する診療科の病院・クリニックを探す

股部白癬(いんきんたむし)でお困りの方

股部白癬の治療は、塗り薬が基本です。症状の範囲が広かったり程度が強い場合には内服薬を使用することもあります。股部白癬については、診断がつき次第その場で治療が開始されますし、治療の方法にもバリエーションが少ないため、どのような治療を受けるか迷う余地は少ない病気かもしれません。しかし、診断が間違っていて別の種類の薬を使用し続けていると症状が治らない(もしくは悪化する)ことがあるため注意が必要です。

治療自体が長引くことがありますので、皮膚の角質が入れ替わるまで根気強く治療を続けることが必要です。症状が外見上治まるタイミングと、本当に菌がいなくなるタイミングにはズレがあります。見た目上治ったからと言ってそこで治療を中断してしまうとまた再発して治療が仕切り直しになってしまうため、場合によっては数か月間、通院しながら治療を行うことが必要となります。

股部白癬(いんきんたむし)に関連する診療科の病院・クリニックを探す

股部白癬(いんきんたむし)が含まれる病気

股部白癬(いんきんたむし)のタグ

股部白癬(いんきんたむし)に関わるからだの部位