ふいくしょう
不育症
流産や死産を繰り返し、生児を得られない状態
7人の医師がチェック 91回の改訂 最終更新: 2020.07.27

不育症の基礎知識

POINT 不育症とは

不育症とは、妊娠はするけれど流産や死産を繰り返し、赤ちゃんを得られない状態のことです。子宮の形の異常や内分泌機能の異常、染色体異常、自己免疫の異常などが原因となっている場合があります。検査ではこれらの原因を調べるために子宮卵管造影検査(子宮の形を調べる検査)や、血液検査、染色体検査が行われ、原因に応じた治療が行われます。一方で、半数の人は原因を特定することができないので、治療が簡単ではないこともあります。流産や死産を繰り返すような場合には、産婦人科を受診し相談することをお勧めします。

不育症について

  • 流産や死産を繰り返す  (反復流産流産、死産を2回以上繰り返すこと)  (習慣流産流産、死産を3回以上繰り返すこと)
  • 以下のことが原因の一部と考えられている
    • 免疫学的異常(抗リン脂質抗体症候群など)40%
    • 夫婦染色体異常
    • 子宮の異常(形態異常・筋腫・頚管無力症) 10%
    • 内分泌異常(糖尿病甲状腺機能異常症) 29%
    • 胎児の染色体異常 6%
  • 女性の加齢に伴い増加

不育症の症状

  • 妊娠するが流産、死産を繰り返す

不育症の検査・診断

  • 子宮卵管造影:子宮の状態を調べる
  • 経腟超音波検査:子宮の状態を調べる
  • 血液検査:甲状腺など各種ホルモン血糖値、自己抗体について調べる
  • 染色体検査:染色体に異常がないかを調べる
  • 着床前診断:体外受精を行ない、染色体検査を行う

不育症の治療法

  • 原因となった病気を治療する
    • 甲状腺機能異常症:内服での甲状腺ホルモンの値のコントロール
    • 糖尿病血糖値のコントロール
    • 抗リン脂質抗体症候群:抗凝固薬の内服や皮下注射、抗血小板薬ステロイド薬の治療
    • その他の自己免疫疾患:抗凝固薬の内服や皮下注射、ステロイド薬の治療など
    • 骨盤内腫瘍:手術
  • 3回以上連続で自然流産を繰り返した場合は、受診が推奨される
  • 染色体検査と遺伝カウンセリングが検討されることがある
  • 原因不明のものに対しては夫リンパ球免疫療法があるが、効果に関しては疑問視する報告もみられる
  • 以下の生活習慣を見直すことも大切である
    • 肥満
    • 喫煙
    • カフェインの大量摂取
    • 精神的なストレス過多

不育症が含まれる病気

不育症のタグ

不育症に関わるからだの部位