2017.09.16 | ニュース

ダイエット中のチェックはどの方法がいい?12か月続けた結果

250人で比較

ダイエット中のチェックはどの方法がいい?12か月続けた結果の写真

体重を減らす方法はさまざまな面から研究されています。体重や食事内容をチェックする方法の違いによって減量効果が変わるかが検討されました。

体重減少に関わるモニタリング方法の比較

ニュージーランドの研究班が、食事と運動のアドバイスによる12か月の減量プログラムのあいだ、体重などをチェック(モニタリング)する方法による違いを比較し、専門誌『Obesity』に報告しました。

BMIが27以上の成人250人が対象とされました。BMIは体重[kg]÷身長[m]÷身長[m]で計算されます。一般にBMI25未満が標準的な体重とされます。

対象者はランダムに5グループに分けられました。

  • 月に1回の短い個人相談をする
  • 毎日自分で体重を測る
  • 毎日自分でMyFitnessPalを使って食事内容をチェックする
  • 毎日自分で空腹感を記録する
  • どれもしない

MyFitnessPalは食べたもののカロリーを計算して記録できるモバイルアプリです。

参加者のうち68.4%にあたる171人が研究から離脱せず12か月続けました。

 

どれでも同じ

次の結果が得られました。

12か月時点で、4群と対照条件の間に、体重、身体組成、血液マーカー、運動、食行動の有意な差は見られなかった(すべてP≧0.053)。

体重や検査値などを比較すると、どのグループにも統計的な違いは確かめられませんでした。ただし、何もしないグループに比べて、短い個人相談のグループと空腹感の記録のグループでは、うつ症状のスコアと不安症状のスコアがやや軽度になりました。

 

体重はどう減らす?

減量中の体重や食事内容を記録してもしなくても体重減少に違いはないという報告を紹介しました。

対象者の体質や環境などの違いが働くことも考えられるため、ニュージーランドの結果が日本にも当てはまるかといった点を考える余地はあるかもしれません。とはいえ、大きな違いが出ることはなさそうだと予想できるでしょう。

体重を減らすのは簡単なようで難しいことです。魔法のように体重が減る方法はありません。食事や運動を変えたくないと思う人は、体重の面からは、「代わりに記録をつける」ことの必要もないのかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

The Effect of Different Types of Monitoring Strategies on Weight Loss: A Randomized Controlled Trial.

Obesity (Silver Spring). 2017 Sep.

[PMID: 28703448]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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