◆2013年の患者35人について
この研究は、韓国の全国で報告されたSFTS患者の情報のうち、2013年に発症し診断が確定した35人について、特徴をまとめたものです。
発生地域や症状、発症後の経過などの情報が集計されました。
◆死亡例では意識障害、不明瞭発語が多い
SFTSの発症は、6月に最も多く、年間の26%にあたる9人に見られました。発症した人のうち46%が死亡しました。死亡した人の年齢は最低62歳で、生存した人よりも統計的に高齢である傾向が見られました。ダニに咬まれたことに気付いていた人は13%でした。潜伏期間は、推定できた人については5日から16日でした。
よく見られた症状に、発熱のほか、胃腸症状、神経症状があり、死亡した人では生存した人よりも高い割合で、神経症状のうち意識障害または不明瞭発語が見られました。
SFTSに対して有効な治療は知られていません。草木の多い場所に住むマダニに咬まれないよう、野外活動では服装に気を付けるなどの対策が勧められています。SFTSは2006年に中国で発見されて以来、こうした報告を手掛かりに研究されつつあります。
執筆者
Characteristics and Factors Associated with Death among Patients Hospitalized for Severe Fever withThrombocytopenia Syndrome, South Korea, 2013.
Emerg Infect Dis. 2015 Oct
[PMID: 26402575]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。