2015.10.13 | ニュース

マダニが媒介するSFTS、死亡した人に見られた症状とは?

韓国35人の症例から

from Emerging infectious diseases

マダニが媒介するSFTS、死亡した人に見られた症状とは?の写真

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、ウイルスの感染により、高い割合で死に至る病気です。マダニに咬まれることが主な感染源と考えられています。2013年に韓国で見つかった35人の患者のデータから、病気の特徴が報告されました。

◆2013年の患者35人について

この研究は、韓国の全国で報告されたSFTS患者の情報のうち、2013年に発症し診断が確定した35人について、特徴をまとめたものです。

発生地域や症状、発症後の経過などの情報が集計されました。

 

◆死亡例では意識障害、不明瞭発語が多い

SFTSの発症は、6月に最も多く、年間の26%にあたる9人に見られました。発症した人のうち46%が死亡しました。死亡した人の年齢は最低62歳で、生存した人よりも統計的に高齢である傾向が見られました。ダニに咬まれたことに気付いていた人は13%でした。潜伏期間は、推定できた人については5日から16日でした。

よく見られた症状に、発熱のほか、胃腸症状、神経症状があり、死亡した人では生存した人よりも高い割合で、神経症状のうち意識障害または不明瞭発語が見られました

 

SFTSに対して有効な治療は知られていません。草木の多い場所に住むマダニに咬まれないよう、野外活動では服装に気を付けるなどの対策が勧められています。SFTSは2006年に中国で発見されて以来、こうした報告を手掛かりに研究されつつあります。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Characteristics and Factors Associated with Death among Patients Hospitalized for Severe Fever withThrombocytopenia Syndrome, South Korea, 2013.

Emerg Infect Dis. 2015 Oct

[PMID: 26402575]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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