新生児は錠剤の方が飲みやすい?
新生児の飲み薬には、シロップが多く処方されていますが、新生児は錠剤も飲むことが出来るのでしょうか?今回、錠剤がシロップの代わりの飲み薬になりうるかどうかを評価したドイツの研究チームの論文を紹介します。
◆新生児151人を対象に、薬の飲みやすさを調査
生後2〜28日の入院中の新生児151人を調査対象としました。全ての新生児に、5mlのシロップと直径2mmの錠剤を飲んでもらい、そのときの飲み込みやすさを比較しました。
◆新生児はシロップより錠剤の方が飲みやすい
以下の結果が得られました。
全ての新生児が(N=151)、シロップと同じようにコーティングされていない錠剤を服用した(両製剤100%、95%信頼区間:97.6-100%、主目的)。コーティングされていない錠剤の飲み込みやすさのレベルは、シロップよりも劣性ではなく(P<0.0001)、実際のところシロップよりも高かった(割合の差:10%、95%信頼区間:1.37-19.34%、P=0.0315)。
つまり今回の研究から、新生児はシロップよりも2mmの錠剤の方が飲みやすいことが示されました。
研究チームは「錠剤の服用は、新生児にとってシロップの代わりとして有用である」とも述べています。今回の研究では、普通に使われている錠剤よりもかなり小さい2mmの大きさの錠剤を使用していていたため、それより大きなサイズでは飲みやすさが変わる可能性が十分あります。しかし、新生児の飲み薬として錠剤も視野に入れることで、より適切な薬が選択されるようになるかもしれません。
執筆者
Acceptability of Uncoated Mini-Tablets in Neonates-A Randomized Controlled Trial.
J. Pediatr. 2015 Aug 7
[PMID: 26259675]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。