フェンタニルクエン酸塩1日用テープ6mg「第一三共」の副作用
※ 副作用とは、医薬品を指示どおりに使用したにもかかわらず、患者に生じた好ましくない症状のことを指します。
人により副作用の発生傾向は異なります。記載されている副作用が必ず発生するものではありません。
また、全ての副作用が明らかになっているわけではありません。
主な副作用
傾眠、貼付部位そう痒感、悪心、嘔吐、便秘、めまい、頭痛、不眠、譫妄、幻覚、気分変動
起こる可能性のある重大な副作用
呼吸抑制、無呼吸、呼吸困難、呼吸異常、呼吸緩慢、不規則呼吸、換気低下、意識障害、意識レベル低下、意識消失、依存性、退薬症候、過量投与、ショック、アナフィラキシー、痙攣、間代性痙攣、大発作型痙攣
上記以外の副作用
上室性期外収縮、皮膚そう痒、貼付部位紅斑、発疹、咽頭痛、下痢、食欲不振、胃部不快感、腹部膨満感、胃炎、腹痛、味覚異常、ALT上昇、AST上昇、γ-GTP上昇、AL-P上昇、ビリルビン上昇、尿蛋白、排尿困難、BUN上昇、好中球増加、単球増加、白血球数増加、リンパ球減少、白血球数減少、血小板数増加、好酸球増加、倦怠感、発熱、発汗、しゃっくり、血中カリウム減少、健忘、不安、易刺激性、振戦、不快気分、感覚鈍麻、アカシジア、失見当識、構語障害、悪夢、血圧上昇、動悸、心房細動、徐脈、紅斑、貼付部位皮膚炎、湿疹、じん麻疹、貼付部位湿疹、過換気、口腔咽頭不快感、腹部不快感、消化不良、口内炎、憩室炎、クレアチニン上昇、口渇、薬剤離脱症候群、異常感、末梢性浮腫、血中カリウム増加、鼻咽頭炎、悪寒、胸部不快感、高血圧、筋痙縮、耳鳴、挫傷
フェンタニルクエン酸塩1日用テープ6mg「第一三共」の用法・用量
- 本剤は、オピオイド鎮痛剤から切り替えて使用する
- 通常、成人に対し胸部、腹部、上腕部、大腿部等に貼付し、1日(約24時間)毎に貼り替えて使用する
- 初回貼付用量は本剤貼付前に使用していたオピオイド鎮痛剤の用法及び用量を勘案して、1mg、2mg、4mg、6mgのいずれかの用量を選択する
- その後の貼付用量は患者の症状や状態により適宜増減する
- (用法及び用量に関連する注意)7.1. 初回貼付用量初回貼付用量として、本剤8mgは推奨されない(初回貼付用量として6mgを超える使用経験は少ない)
- 初回貼付用量を選択する換算は、経口モルヒネ量60mg/日(坐剤の場合30mg/日、注射の場合20mg/日)に対して本剤2mgへ切り替えるものとして設定、初回貼付用量を選択する換算は、経口オキシコドン量40mg/日に対して本剤2mgへ切り替えるものとして設定、初回貼付用量を選択する換算は、フェンタニル経皮吸収型製剤(3日貼付型製剤)4.2mg(25μg/hr;フェンタニル0.6mg/日)に対して本剤2mgへ切り替えるものとして設定している
- なお、初回貼付用量は換算に基づく適切な用量を選択し、過量投与にならないよう注意すること
- [換算(オピオイド鎮痛剤から本剤へ切り替える際の推奨貼付用量)]1). 本剤使用前の鎮痛剤がモルヒネ経口剤≦29mg/日:本剤1日貼付用量1mg、*定常状態における推定平均吸収量(フェンタニルとして)0.3mg/日
- 2). 本剤使用前の鎮痛剤がモルヒネ経口剤30~89mg/日:本剤1日貼付用量2mg、*定常状態における推定平均吸収量(フェンタニルとして)0.6mg/日
- 3). 本剤使用前の鎮痛剤がモルヒネ経口剤90~149mg/日:本剤1日貼付用量4mg、*定常状態における推定平均吸収量(フェンタニルとして)1.2mg/日
- 4). 本剤使用前の鎮痛剤がモルヒネ経口剤150~209mg/日:本剤1日貼付用量6mg、*定常状態における推定平均吸収量(フェンタニルとして)1.8mg/日
- 5). 本剤使用前の鎮痛剤がモルヒネ坐剤≦10mg/日:本剤1日貼付用量1mg、*定常状態における推定平均吸収量(フェンタニルとして)0.3mg/日
- 6). 本剤使用前の鎮痛剤がモルヒネ坐剤20~40mg/日:本剤1日貼付用量2mg、*定常状態における推定平均吸収量(フェンタニルとして)0.6mg/日
- 7). 本剤使用前の鎮痛剤がモルヒネ坐剤50~70mg/日:本剤1日貼付用量4mg、*定常状態における推定平均吸収量(フェンタニルとして)1.2mg/日
- 8). 本剤使用前の鎮痛剤がモルヒネ坐剤80~100mg/日:本剤1日貼付用量6mg、*定常状態における推定平均吸収量(フェンタニルとして)1.8mg/日
- 9). 本剤使用前の鎮痛剤がモルヒネ注射剤/静脈内投与≦9mg/日:本剤1日貼付用量1mg、*定常状態における推定平均吸収量(フェンタニルとして)0.3mg/日
- 10). 本剤使用前の鎮痛剤がモルヒネ注射剤/静脈内投与10~29mg/日:本剤1日貼付用量2mg、*定常状態における推定平均吸収量(フェンタニルとして)0.6mg/日
- 11). 本剤使用前の鎮痛剤がモルヒネ注射剤/静脈内投与30~49mg/日:本剤1日貼付用量4mg、*定常状態における推定平均吸収量(フェンタニルとして)1.2mg/日
- 12). 本剤使用前の鎮痛剤がモルヒネ注射剤/静脈内投与50~69mg/日:本剤1日貼付用量6mg、*定常状態における推定平均吸収量(フェンタニルとして)1.8mg/日
- 13). 本剤使用前の鎮痛剤がオキシコドン経口剤≦19mg/日:本剤1日貼付用量1mg、*定常状態における推定平均吸収量(フェンタニルとして)0.3mg/日
- 14). 本剤使用前の鎮痛剤がオキシコドン経口剤20~59mg/日:本剤1日貼付用量2mg、*定常状態における推定平均吸収量(フェンタニルとして)0.6mg/日
- 15). 本剤使用前の鎮痛剤がオキシコドン経口剤60~99mg/日:本剤1日貼付用量4mg、*定常状態における推定平均吸収量(フェンタニルとして)1.2mg/日
- 16). 本剤使用前の鎮痛剤がオキシコドン経口剤100~139mg/日:本剤1日貼付用量6mg、*定常状態における推定平均吸収量(フェンタニルとして)1.8mg/日
- 17). 本剤使用前の鎮痛剤がフェンタニル経皮吸収型製剤(3日貼付型製剤)貼付用量2.1mg:本剤1日貼付用量1mg、*定常状態における推定平均吸収量(フェンタニルとして)0.3mg/日
- 18). 本剤使用前の鎮痛剤がフェンタニル経皮吸収型製剤(3日貼付型製剤)貼付用量4.2mg:本剤1日貼付用量2mg、*定常状態における推定平均吸収量(フェンタニルとして)0.6mg/日
- 19). 本剤使用前の鎮痛剤がフェンタニル経皮吸収型製剤(3日貼付型製剤)貼付用量8.4mg:本剤1日貼付用量4mg、*定常状態における推定平均吸収量(フェンタニルとして)1.2mg/日
- 20). 本剤使用前の鎮痛剤がフェンタニル経皮吸収型製剤(3日貼付型製剤)貼付用量12.6mg:本剤1日貼付用量6mg、*定常状態における推定平均吸収量(フェンタニルとして)1.8mg/日
- *)本剤8mgは、初回貼付用量としては推奨されないが、定常状態における推定平均吸収量は、フェンタニルとして2.4mg/日に相当する
- 7.2. 初回貼付時本剤初回貼付後少なくとも2日間は増量を行わないこと
- 他のオピオイド鎮痛剤から本剤に初めて切り替えた場合、フェンタニルの血中濃度が徐々に上昇するため、鎮痛効果が得られるまで時間を要するため、次記の「使用方法例」を参考に、切り替え前に使用していたオピオイド鎮痛剤の投与を行うことが望ましい〔16.1.1-16.1.3参照〕[使用方法例]1)使用していたオピオイド鎮痛剤(経皮吸収型製剤を除く)1日1回投与:投与12時間後に本剤の貼付を開始する、2)使用していたオピオイド鎮痛剤(経皮吸収型製剤を除く)1日2~3回投与:本剤の貼付開始と同時に1回量を投与する、3)使用していたオピオイド鎮痛剤(経皮吸収型製剤を除く)1日4~6回投与:本剤の貼付開始と同時及び4~6時間後に1回量を投与する、4)使用していたオピオイド鎮痛剤(経皮吸収型製剤を除く)持続投与:本剤の貼付開始後6時間まで継続して持続投与する
- 初回貼付時、患者により前記の「使用方法例」では、十分な鎮痛効果が得られない場合があるので、患者の状態を観察し、本剤の鎮痛効果が得られるまで適時オピオイド鎮痛剤の追加(レスキュー)で鎮痛を図る(1回の追加量は本剤の切り替え前に使用したオピオイド鎮痛剤が経口剤・坐剤の場合は1日量の1/6量、注射剤の場合は1/12量を目安とし、速効性のオピオイド鎮痛剤の使用が望ましい)
- 7.3. 用量調整と維持7.3.1. 疼痛増強時における処置:本剤貼付中に痛みが増強した場合や疼痛が管理されている患者で突出痛(一時的にあらわれる強い痛み)が発現した場合には、直ちにオピオイド鎮痛剤の追加投与(レスキュー)で鎮痛を図る(1回の追加量は本剤の切り替え前に使用していたオピオイド鎮痛剤が経口剤又は坐剤の場合は1日量の1/6量を、注射剤の場合は1/12量を目安とし、この場合速効性のオピオイド鎮痛剤の使用が望ましい)
- 7.3.2. 増量:本剤初回貼付後及び増量後少なくとも2日間は増量を行わないこと(連日の増量を行うことによって呼吸抑制が発現することがある)
- 鎮痛効果が得られるまで患者毎に用量調整を行うこと
- 鎮痛効果が十分得られない場合は、追加投与(レスキュー)された鎮痛剤の1日投与量及び疼痛程度を考慮し、本剤を1mg(0.3mg/日)又は2mg(0.6mg/日)ずつ増量する(ただし、1mgから増量する場合は2mgに増量する)
- なお、本剤の1回の貼付用量が24mg(7.2mg/日)を超える場合で鎮痛効果が十分得られない場合は、他の方法を考慮すること
- 7.3.3. 減量:連用中における急激な減量は、退薬症候があらわれることがあるので行わないこと(副作用等により減量する場合は、十分に観察を行いながら慎重に減量すること)
- 7.4. 使用の中止7.4.1. 本剤の使用を必要としなくなった場合には、退薬症候の発現を防ぐために徐々に減量すること
- 7.4.2. 本剤の使用を中止し、他のオピオイド鎮痛剤に変更する場合は、本剤剥離後の血中フェンタニル濃度が50%に減少するのに17時間以上(16.75~45.07時間)かかることから、他のオピオイド鎮痛剤の投与は低用量から開始し、患者の状態を観察しながら適切な鎮痛効果が得られるまで漸増すること
※ 実際に薬を使用する際は、医師から指示された服用方法や使用方法・回数などを優先して下さい。
フェンタニルクエン酸塩1日用テープ6mg「第一三共」の注意が必要な飲み合わせ
※ 薬は飲み合わせによって身体に悪い影響を及ぼすことがあります。 飲み合わせに関して気になることがあれば、担当の医師や薬剤師に相談してみましょう。
薬剤名 |
影響 |
ナルメフェン塩酸塩水和物 |
本剤の退薬症候、本剤の鎮痛作用を減弱 |
中枢抑制剤 |
呼吸抑制、低血圧、めまい、口渇、顕著な鎮静、昏睡 |
フェノチアジン系薬剤 |
呼吸抑制、低血圧、めまい、口渇、顕著な鎮静、昏睡 |
ベンゾジアゼピン系化合物 |
呼吸抑制、低血圧、めまい、口渇、顕著な鎮静、昏睡 |
バルビツール酸誘導体 |
呼吸抑制、低血圧、めまい、口渇、顕著な鎮静、昏睡 |
吸入麻酔剤 |
呼吸抑制、低血圧、めまい、口渇、顕著な鎮静、昏睡 |
モノアミン酸化酵素阻害剤 |
呼吸抑制、低血圧、めまい、口渇、顕著な鎮静、昏睡、セロトニン症候群、不安、焦燥、興奮、錯乱、発熱、発汗、頻脈、振戦、ミオクローヌス |
三環系抗うつ剤 |
呼吸抑制、低血圧、めまい、口渇、顕著な鎮静、昏睡 |
骨格筋弛緩剤 |
呼吸抑制、低血圧、めまい、口渇、顕著な鎮静、昏睡 |
鎮静抗ヒスタミン薬 |
呼吸抑制、低血圧、めまい、口渇、顕著な鎮静、昏睡 |
エタノール摂取 |
呼吸抑制、低血圧、めまい、口渇、顕著な鎮静、昏睡 |
オピオイド薬 |
呼吸抑制、低血圧、めまい、口渇、顕著な鎮静、昏睡 |
薬物代謝酵素<CYP3A4>を阻害する薬剤 |
呼吸抑制、フェンタニルのAUCの増加・血中半減期の延長 |
リトナビル |
呼吸抑制、フェンタニルのAUCの増加・血中半減期の延長 |
イトラコナゾール |
呼吸抑制、フェンタニルのAUCの増加・血中半減期の延長 |
フルコナゾール |
呼吸抑制、フェンタニルのAUCの増加・血中半減期の延長 |
ボリコナゾール |
呼吸抑制、フェンタニルのAUCの増加・血中半減期の延長 |
アミオダロン |
呼吸抑制、フェンタニルのAUCの増加・血中半減期の延長 |
クラリスロマイシン |
呼吸抑制、フェンタニルのAUCの増加・血中半減期の延長 |
ジルチアゼム |
呼吸抑制、フェンタニルのAUCの増加・血中半減期の延長 |
フルボキサミン |
呼吸抑制、フェンタニルのAUCの増加・血中半減期の延長 |
セロトニン作用薬 |
セロトニン症候群、不安、焦燥、興奮、錯乱、発熱、発汗、頻脈、振戦、ミオクローヌス |
選択的セロトニン再取り込み阻害剤 |
セロトニン症候群、不安、焦燥、興奮、錯乱、発熱、発汗、頻脈、振戦、ミオクローヌス |
セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤 |
セロトニン症候群、不安、焦燥、興奮、錯乱、発熱、発汗、頻脈、振戦、ミオクローヌス |
肝薬物代謝酵素<CYP3A4>を誘導する薬剤 |
本剤の血中濃度が低下し治療効果が減弱、併用薬剤中止後本剤の血中濃度が上昇し重篤な呼吸抑制等の副作用が発現 |
リファンピシン類 |
本剤の血中濃度が低下し治療効果が減弱、併用薬剤中止後本剤の血中濃度が上昇し重篤な呼吸抑制等の副作用が発現 |
カルバマゼピン |
本剤の血中濃度が低下し治療効果が減弱、併用薬剤中止後本剤の血中濃度が上昇し重篤な呼吸抑制等の副作用が発現 |
フェノバルビタール |
本剤の血中濃度が低下し治療効果が減弱、併用薬剤中止後本剤の血中濃度が上昇し重篤な呼吸抑制等の副作用が発現 |
フェニトイン |
本剤の血中濃度が低下し治療効果が減弱、併用薬剤中止後本剤の血中濃度が上昇し重篤な呼吸抑制等の副作用が発現 |