処方薬
パビナール・アトロピン注

パビナール・アトロピン注の添付文書

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効果・効能

  1. 激しい疼痛時における鎮痛・鎮静・鎮痙。

  2. 激しい咳嗽発作における鎮咳。

  3. 麻酔前投薬。

用法・用量

オキシコドン塩酸塩水和物として、1回3~8mg(本剤0.375~1mL)を皮下に注射する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

副作用

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない(再審査対象外)。

  1. 重大な副作用(いずれも頻度不明)

    1. 連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与する。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、あくび、くしゃみ、流涙、発汗、悪心、嘔吐、下痢、腹痛、散瞳、頭痛、不眠、不安、譫妄、振戦、全身筋肉痛・全身関節痛、呼吸促迫等の退薬症候が現れることがあるので、投与を中止する場合には、1日用量を徐々に減量するなど、患者の状態を観察しながら行う。
    2. 呼吸抑制が現れることがあるので、息切れ、呼吸緩慢、不規則呼吸、呼吸異常等が現れた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う(なお、本剤による呼吸抑制には、麻薬拮抗剤(ナロキソン、レバロルファン等)が拮抗する)。
    3. 錯乱、譫妄が現れることがあるので、このような場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行う。
    4. 無気肺、気管支痙攣、喉頭浮腫が現れるとの報告がある。
    5. 炎症性腸疾患の患者に投与した場合、麻痺性イレウス、中毒性巨大結腸が現れるとの報告がある。
  2. その他の副作用(いずれも頻度不明)

    1. 循環器:不整脈、血圧変動、顔面潮紅。
    2. 精神神経系:眠気、眩暈、不安、不穏、興奮、視調節障害、発汗。
    3. 消化器:悪心、嘔吐、便秘、口渇。
    4. 過敏症:発疹、そう痒感[このような場合には投与を中止する]。
    5. その他:排尿障害、頭蓋内圧亢進。

使用上の注意

(禁忌)

  1. 重篤な心疾患のある患者[症状を悪化させる恐れがある]。

  2. 重篤な呼吸抑制のある患者[呼吸抑制を増強する]。

  3. 気管支喘息発作中の患者[気道分泌を妨げる]。

  4. 重篤な肝障害のある患者[昏睡に陥ることがある]。

  5. 慢性肺疾患に続発する心不全の患者[呼吸抑制や循環不全を増強する]。

  6. 痙攣状態(てんかん重積症、破傷風、ストリキニーネ中毒)にある患者[脊髄刺激効果が現れる]。

  7. 急性アルコール中毒の患者[呼吸抑制を増強する]。

  8. アヘンアルカロイド及びアトロピンに対し過敏症の既往歴のある患者。

  9. 緑内障の患者[アトロピンの抗コリン作用により房水通路が狭くなり眼圧が上昇し、緑内障を悪化させる恐れがある]。

  10. 前立腺肥大による排尿障害、尿道狭窄、尿路手術術後の患者[排尿障害を増悪することがある]。

  11. 器質的幽門狭窄、麻痺性イレウス又は最近消化管手術を行った患者[消化管運動を抑制する]。

(慎重投与)

  1. 心機能障害のある患者[循環不全を増強する恐れがあり、また、アトロピンの抗コリン作用により、心臓に過負荷をかける恐れがある]。

  2. 呼吸機能障害のある患者[呼吸抑制を増強する恐れがある]。

  3. 肝機能障害・腎機能障害のある患者[代謝・排泄が遅延し副作用が現れる恐れがある]。

  4. 脳器質的障害のある患者[呼吸抑制や頭蓋内圧上昇を起こす恐れがある]。

  5. ショック状態にある患者[循環不全や呼吸抑制を増強する恐れがある]。

  6. 代謝性アシドーシスのある患者[呼吸抑制を起こす恐れがある]。

  7. 甲状腺機能低下症(粘液水腫等)の患者[呼吸抑制や昏睡を起こす恐れがある]。

  8. 甲状腺機能亢進症の患者[アトロピンの抗コリン作用により、頻脈、体温上昇等の交感神経興奮様症状増強する恐れがある]。

  9. 副腎皮質機能低下症(アジソン病等)の患者[呼吸抑制作用に対し、感受性が高くなっている]。

  10. 薬物依存の既往歴のある患者[依存性を生じやすい]。

  11. 高齢者。

  12. 新生児、乳児。

  13. 衰弱者[呼吸抑制作用に対し、感受性が高くなっている]。

  14. 痙攣の既往歴のある患者[痙攣を誘発する恐れがある]。

  15. 前立腺肥大のある患者[排尿困難を悪化させる恐れがある]。

  16. 胆嚢障害及び胆石のある患者[胆道痙攣を起こすことがある]。

  17. 炎症性腸疾患のある患者[巨大結腸症を起こす恐れがある]。

  18. 高温環境にある患者[アトロピンの抗コリン作用により発汗抑制が起こり、体温調節が困難になる恐れがある]。

(重要な基本的注意)

  1. 連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与する。

  2. 眠気、眩暈及び視調節障害が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意する。

(相互作用)

併用注意:

  1. 中枢神経抑制剤(フェノチアジン系薬剤、バルビツール酸系薬剤等)、吸入麻酔剤、三環系抗うつ剤、β-遮断剤、アルコール[相加的抑制作用により、呼吸抑制、低血圧及び顕著な鎮静又は昏睡が起こることがある]。

  2. モノアミン酸化酵素阻害剤[中枢神経抑制作用が増強及び抗コリン作用が増強する恐れがある]。

  3. クマリン系抗凝血剤[クマリン系抗凝血剤の作用が増強することがある]。

  4. 抗コリン作動性薬剤[麻痺性イレウスに至る重篤な便秘又は尿貯留が起こる恐れがある(類似化合物(モルヒネ)には腸管神経叢でのアセチルコリン遊離抑制作用、尿路平滑筋収縮作用があり、抗コリン作動性薬剤には消化管緊張、自動運動の抑制作用並びに膀胱括約筋を収縮させる傾向がある)]。

  5. 強心配糖体製剤(ジギトキシン等)[アトロピンにより強心配糖体の毒性を増強する恐れがある]。

(高齢者への投与)

高齢者では低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与する[一般に高齢者では生理機能が低下しており、特に呼吸抑制の感受性が高い、また、緑内障、記銘障害、口渇、排尿困難、便秘等も現れやすい]。

(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)

  1. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、投与しないことが望ましい[類似化合物(モルヒネ)の動物試験(マウス、ラット)で催奇形作用が報告されており、また、アトロピンは胎児に頻脈等を起こすことがある]。

  2. 分娩前に投与した場合、出産後新生児に退薬症候(多動、神経過敏、不眠、振戦等)が現れることがある。

  3. 分娩時の投与により、新生児に呼吸抑制が現れることがある。

  4. 授乳中の婦人には、本剤投与中は授乳を避けさせる[ヒト母乳中へ移行することがあり、また、アトロピンは新生児に頻脈を起こすことがある]。

  5. アトロピンにより乳汁分泌抑制されることがある。

(小児等への投与)

新生児、乳児では低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与する[新生児、乳児では呼吸抑制の感受性が高い]。

(過量投与)

  1. モルヒネ様中毒

    1. 徴候・症状:過量投与により、呼吸抑制、意識不明、痙攣、錯乱、血圧低下、重篤な脱力感、重篤な眩暈、嗜眠、心拍数減少、神経過敏、不安、縮瞳、皮膚冷感等を起こすことがある。
    2. 処置:過量投与時には次の治療を行うことが望ましい;(1)投与を中止し、気道確保、補助呼吸及び呼吸調節により適切な呼吸管理を行う、(2)麻薬拮抗剤投与を行い、患者に退薬症候又は麻薬拮抗剤の副作用が発現しないよう慎重に投与する(なお、麻薬拮抗剤の作用持続時間は本剤のそれより短いので、患者のモニタリングを行うか又は患者の反応に応じて初回投与後は注入速度を調節しながら持続静注する)、(3)必要に応じて補液、昇圧剤等の投与又は他の補助療法を行う。
  2. アトロピン中毒

    1. 過量投与時の徴候・症状:頻脈、心悸亢進、口渇、散瞳、近接視困難、嚥下困難、頭痛、熱感、排尿障害、腸蠕動減弱、不安、興奮等を起こすことがある。
    2. 過量投与時の処置:重度抗コリン症状には、コリンエステラーゼ阻害薬のネオスチグミンの0.5~1mgを筋注する(必要に応じて2、3時間毎に繰り返す)。

(適用上の注意)

  1. 投与経路:皮下注射にのみ使用する。

  2. アンプルカット時:本品はワンポイントカットアンプルであるが、アンプルの首部をエタノール綿等で清拭してからカットすることが望ましい。

(取扱い上の注意)

注意:本品は「ワンポイントカットアンプル」を使用しているので、ヤスリを用いず、アンプル枝部のマーク(青)の反対方向に折り取る。

(保管上の注意)

開封後も遮光。