ピーガード錠30mgの添付文書
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効果・効能
中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛。
用法・用量
モルヒネ硫酸塩水和物として1日20~120mgを1日1回食間に経口投与する。なお、症状に応じて適宜増減する。
(用法・用量に関連する使用上の注意)
投与方法:本剤投与後1時間は、食事を控える(海外において、本剤の高脂肪食摂取20分後投与では空腹時投与と比べてモルヒネの血漿中濃度が低下、Tmaxが延長し、また軽食摂取60分前投与では影響を受けなかったが、軽食摂取30分前投与では空腹時投与と比べて血漿中濃度が低下した)。
他剤からの切り替え:
- 他のオピオイド製剤から本剤へ変更する場合には、前投与製剤の投与量及び鎮痛効果の持続時間を考慮して、副作用の発現に注意しながら、適宜用量を調節する。
- 経皮フェンタニル貼付剤から本剤へ変更する場合には、経皮フェンタニル貼付剤剥離後にフェンタニルの血中濃度が50%に減少するまで17時間以上かかることから、剥離直後の本剤の使用は避け、本剤の使用を開始するまでに、フェンタニルの血中濃度が適切な濃度に低下するまでの時間を空けるとともに、本剤の低用量から投与することを考慮する。
疼痛増強時:本剤は持続性製剤であり、本剤服用中に突発性の疼痛が発現した場合は、速溶性製剤を用いて除痛を行うことが望ましい。
減量:連用中における急激な減量は、退薬症候が現れることがあるので行わない(副作用等により減量する場合は、患者の状態を観察しながら慎重に行う)。
投与の中止:本剤の投与を必要としなくなった場合には、退薬症候の発現を防ぐために徐々に減量する。
副作用
総症例129例中、副作用が報告されたのは69例(53.5%)であり、主な副作用は、便秘25例(19.4%)、悪心15例(11.6%)、眠気12例(9.3%)、嘔吐10例(7.8%)、傾眠5例(3.9%)、口渇4例(3.1%)、呼吸数減少4例(3.1%)、腹部膨満3例(2.3%)、AST(GOT)上昇3例(2.3%)等であった(承認時)。
重大な副作用
- ショック(頻度不明)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、症状が現れた場合には適切な処置を行う。
- 連用により薬物依存(頻度不明)を生じることがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与する。また、連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、あくび、くしゃみ、流涙、発汗、悪心、嘔吐、下痢、腹痛、散瞳、頭痛、不眠、不安、譫妄、振戦、全身筋肉痛・全身関節痛、呼吸促迫等の退薬症候が現れることがあるので、投与を中止する場合には、1日用量を徐々に減量するなど、患者の状態を観察しながら行う。
- 呼吸抑制(頻度不明)が現れることがあるので、息切れ、呼吸緩慢、不規則呼吸、呼吸異常等が現れた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う(なお、本剤による呼吸抑制には、麻薬拮抗剤(ナロキソン塩酸塩、レバロルファン等)が拮抗する)。
- 錯乱、譫妄(いずれも頻度不明)が現れることがあるので、このような場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行う。
- 無気肺、気管支痙攣、喉頭浮腫(いずれも頻度不明)が現れるとの報告がある。
- 炎症性腸疾患の患者に投与した場合、麻痺性イレウス、中毒性巨大結腸(いずれも頻度不明)が現れるとの報告がある。
- AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、Al-P上昇等を伴う肝機能障害(頻度不明)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
その他の副作用:副作用が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。
- 過敏症:(0.1~5%未満)そう痒感、(頻度不明)発疹。
- 循環器:(0.1~5%未満)呼吸数減少、血圧変動、(頻度不明)不整脈、顔面潮紅。
- 精神神経系:(5%以上)眠気、(0.1~5%未満)意識障害、眩暈、傾眠、(頻度不明)不安、不穏、興奮、視調節障害、発汗。
- 消化器:(5%以上)便秘、悪心、嘔吐、(0.1~5%未満)腹部膨満、腹痛、胃部不快感、口渇、食欲不振。
- 肝臓:(0.1~5%未満)AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)。
- その他:(0.1~5%未満)倦怠感、(頻度不明)排尿障害、ほてり、頭蓋内圧亢進。
使用上の注意
(禁忌)
重篤な呼吸抑制のある患者[呼吸抑制を増強する]。
気管支喘息発作中の患者[気道分泌を妨げる]。
重篤な肝障害のある患者[昏睡に陥ることがある]。
慢性肺疾患に続発する心不全の患者[呼吸抑制や循環不全を増強する]。
痙攣状態(てんかん重積症、破傷風、ストリキニーネ中毒)にある患者[脊髄刺激効果が現れる]。
急性アルコール中毒の患者[呼吸抑制を増強する]。
本剤の成分又はアヘンアルカロイドに対し過敏症の既往歴のある患者。
出血性大腸炎の患者[腸管出血性大腸菌(O157等)や赤痢菌等の重篤な細菌性下痢のある患者では、症状の悪化、治療期間の延長を来す恐れがある]。
(原則禁忌)
細菌性下痢のある患者[治療期間の延長を来す恐れがある]。
(慎重投与)
心機能障害のある患者[循環不全を増強する恐れがある]。
呼吸機能障害のある患者[呼吸抑制を増強する恐れがある]。
肝機能障害・腎機能障害のある患者[代謝・排泄が遅延し、副作用が現れる恐れがある]。
脳器質的障害のある患者[呼吸抑制や頭蓋内圧上昇を起こす恐れがある]。
ショック状態にある患者[循環不全や呼吸抑制を増強する恐れがある]。
代謝性アシドーシスのある患者[呼吸抑制を起こす恐れがある]。
甲状腺機能低下症(粘液水腫等)の患者[呼吸抑制や昏睡を起こす恐れがある]。
副腎皮質機能低下症(アジソン病等)の患者[呼吸抑制作用に対し、感受性が高くなっている]。
薬物依存の既往歴のある患者[依存性を生じやすい]。
高齢者。
新生児、乳児。
衰弱者[呼吸抑制作用に対し、感受性が高くなっている]。
前立腺肥大による排尿障害、尿道狭窄、尿路手術術後の患者[排尿障害を増悪することがある]。
器質的幽門狭窄、麻痺性イレウス又は最近消化管手術を行った患者[消化管運動を抑制する]。
痙攣の既往歴のある患者[痙攣を誘発する恐れがある]。
胆嚢障害及び胆石のある患者[胆道痙攣を起こすことがある]。
重篤な炎症性腸疾患のある患者[連用した場合、巨大結腸症を起こす恐れがある]。
ジドブジン投与中(アジドチミジン投与中)の患者。
(重要な基本的注意)
本剤は徐放性製剤であることから、急激な血中濃度の上昇による重篤な副作用の発現を避けるため、服用に際して割ったり、砕いたり又は噛み砕かないように指示する。
連用により薬物依存を生じることがあるので、観察を十分に行い、慎重に投与する。
眠気、眩暈が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意する。
本剤を投与する場合には、便秘に対する対策として緩下剤の併用、悪心・嘔吐に対する対策として制吐剤の併用を、また、鎮痛効果が得られている患者で通常とは異なる強い眠気がある場合には、過量投与の可能性を念頭において本剤の減量を考慮するなど、本剤投与時の副作用に十分注意する。
本剤を増量する場合には、副作用に十分注意する。
本剤の医療目的外使用を防止するため、適切な処方を行い、保管に留意するとともに、患者等に対して適切な指導を行う。
(相互作用)
併用注意:
中枢神経抑制剤(フェノチアジン系薬剤、バルビツール酸系薬剤等)、三環系抗うつ剤、吸入麻酔剤、MAO阻害剤、β遮断剤(プロプラノロール塩酸塩)、アルコール[呼吸抑制、低血圧及び顕著な鎮静又は昏睡が起こることがあるので、併用する場合には、定期的に臨床症状を観察し、用量に注意する(相加的に作用(中枢神経抑制作用)を増強させる)]。
クマリン系抗凝血剤(ワルファリンカリウム)[抗凝血作用が増強することがあるので、併用する場合には、定期的に臨床症状を観察し、用量に注意する(機序不明)]。
抗コリン作用を有する薬剤(アトロピン硫酸塩水和物)[麻痺性イレウスに至る重篤な便秘又は尿貯留が起こる恐れがあるので、併用する場合には、定期的に臨床症状を観察し、用量に注意する(相加的に作用(抗コリン作用)を増強させる)]。
ジドブジン(アジドチミジン)[ジドブジンのクリアランスを低下させジドブジンの副作用(骨髄抑制等)が現れることがあるので、併用する場合には、定期的に臨床症状を観察し、用量に注意する(本剤はジドブジンのグルクロン酸抱合を競合的に阻害する)]。
ブプレノルフィン塩酸塩[ブプレノルフィン塩酸塩の高用量(8mg連続皮下投与)において、本剤の作用に拮抗するとの報告がある(ブプレノルフィン塩酸塩は解離の遅い部分的μ-受容体アゴニストで、モルヒネの投与前にブプレノルフィン塩酸塩を投与すると、その治療効果を減弱する)]。
ジメチコン[鎮痛効果の減弱が起こることがある(ジメチコンは本剤の溶出を遅延する)]。
(高齢者への投与)
一般に高齢者では生理機能が低下しており、特に呼吸抑制の感受性が高いため、低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与する。
(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[動物実験(マウス)で硫酸モルヒネの大量投与により胎仔催奇形性作用が報告されている]。
分娩前に投与した場合、出産後新生児に退薬症候(多動、神経過敏、不眠、振戦等)が現れることがある。
分娩時の投与により、新生児に呼吸抑制が現れることがある。
授乳中の婦人には、本剤投与中は授乳を避けさせる[ヒト母乳中へ移行することがある]。
(小児等への投与)
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。なお、新生児、乳児では呼吸抑制の感受性が高いため、低用量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与する。
(過量投与)
徴候・症状:過量投与により、呼吸抑制、意識不明、痙攣、錯乱、血圧低下、重篤な脱力感、重篤な眩暈、嗜眠、心拍数減少、神経過敏、不安、縮瞳、皮膚冷感等を起こすことがある。
処置:過量投与時には次の治療を行うことが望ましい;1)投与を中止し、気道確保、補助呼吸及び呼吸調節により適切な呼吸管理を行う、2)麻薬拮抗剤(ナロキソン塩酸塩、レバロルファン等)投与を行い、患者に退薬症候又は麻薬拮抗剤の副作用が発現しないよう慎重に投与する[なお、麻薬拮抗剤の作用持続時間はモルヒネのそれより短いので、患者のモニタリングを行うか又は患者の反応に応じて、初回投与後は注入速度を調節しながら持続静注する]、3)必要に応じて補液、昇圧剤等の投与又は他の補助療法を行う。
(適用上の注意)
本剤は持続性製剤であることから、早期に除痛を必要とする場合は、速溶性製剤を用いることが望ましい。
患者等に対する指導:
- 本剤の投与にあたっては、具体的な服用方法、服用時の注意点、保管方法等を十分に説明し、本剤の目的以外への使用又は他人への譲渡をしないよう指導するとともに、本剤を子供の手の届かないところに保管するよう指導する。
- 本剤は徐放性製剤であるため、噛まずに服用するように指示する。
- 本剤は徐放性製剤であるため、破損した製剤の投与は行わない。
- PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。
- 本剤が不要となった場合には、病院又は薬局へ返却(又は返納)する等の処置について適切に指導する。
- 本剤の外層を形成する水不溶性高分子膜(抜け殻)は、体内で吸収されることはないため、人工肛門又は糞便中に排泄されるが、本剤の有効成分は既に吸収されているため、臨床的に問題はないことを患者に説明する。
(保管上の注意)
開封後防湿。