アレックスビー筋注用の添付文書
添付文書PDFファイル
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効果・効能
RSウイルスによる感染症の予防。
用法・用量
抗原製剤を専用溶解用液全量で溶解し、60歳以上の者に1回0.5mLを筋肉内に接種する。
(用法及び用量に関連する注意)
- 本剤の効果の持続性に関するデータは得られていない。
- 同時接種
医師が必要と認めた場合には、他のワクチンと同時に接種することができる〔14.2.1参照〕。
副作用
次の副反応があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
- 重大な副反応
ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):アナフィラキシー反応を含む過敏症状があらわれることがある。
- その他の副反応
- 過敏症:(1%未満)過敏症反応(発疹等)。
- 呼吸器:(1%未満)鼻漏。
- 投与部位(注射部位):(10%以上)疼痛、(1~10%未満)紅斑、腫脹、(1%未満)そう痒感。
- 消化器:(1%未満)悪心、腹痛。
- 精神神経系:(10%以上)頭痛。
- 筋・骨格系:(10%以上)筋肉痛、関節痛。
- 血液:(1%未満)リンパ節症。
- その他:(10%以上)疲労、(1~10%未満)発熱、(1%未満)疼痛、倦怠感、悪寒。
使用上の注意
(接種不適当者(予防接種を受けることが適当でない者))
- 明らかな発熱を呈している者。
- 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者。
- 本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者。
- 前記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者。
(重要な基本的注意)
- 本剤は、「予防接種実施規則」及び「定期接種実施要領」に準拠して使用すること。
- 被接種者について、接種前に必ず問診、検温及び診察(視診、聴診等)によって健康状態を調べること。
- 被接種者又は介護者に、接種当日は過激な運動は避け、接種部位を清潔に保ち、また、接種後の健康監視に留意し、局所の異常反応や体調の変化、さらに高熱、痙攣等の異常な症状を呈した場合には、速やかに医師の診察を受けるよう事前に知らせること。
- ワクチン接種直後又は接種後に注射による心因性反応を含む血管迷走神経反射として失神があらわれることがある。失神による転倒を避けるため、接種後30分程度は座らせるなどした上で被接種者の状態を観察することが望ましい。
(特定の背景を有する者に関する注意)
(接種要注意者(接種の判断を行うに際し、注意を要する者))
被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。
1.1. 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患等の基礎疾患を有する者〔9.2腎機能障害を有する者、9.3肝機能障害を有する者の項参照〕。
1.2. 予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者。
1.3. 本剤の成分に対して、アレルギーを呈するおそれのある者。
1.4. 過去に痙攣の既往のある者。
1.5. 血小板減少症や凝固障害を有する者、抗凝固療法施行中の者:筋肉内注射部位の出血のおそれがある。
1.6. 過去に免疫不全の診断がされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者:免疫抑制治療中の被接種者又は免疫不全の被接種者は、本剤に対する免疫応答が低下するおそれがある。
(腎機能障害を有する者)
腎機能障害を有する者:接種要注意者である〔9.1.1参照〕。
(肝機能障害を有する者)
肝機能障害を有する者:接種要注意者である〔9.1.1参照〕。
(適用上の注意)
- 薬剤調製時の注意
1.1. 本剤は必ず接種前に調製すること。
1.2. 抗原製剤のバイアル内に専用溶解用液を全量注入した後、抗原製剤のバイアルを泡立てないように優しく振り混ぜ、完全に溶解すること。
1.3. 調製後はすぐに使用すること(すぐ使用できない場合は、2~25℃で保管し、4時間以上経過したものは破棄すること)。
- 薬剤接種時の注意
2.1. 接種時 1. 注射針及びシリンジは被接種者毎に取り換えること。 1. 使用前には異常な混濁、着色、異物の混入その他の異常がないかを確認し、異常を認めたものは使用しないこと。 1. 本剤を他のワクチンと混合して接種しないこと〔7.2参照〕。
2.2. 接種部位 1. 本剤は筋肉内注射のみに使用し、皮下注射、静脈内注射又は皮内注射はしないこと。 1. 接種部位は、通常、上腕三角筋部とすること。 1. 接種部位はアルコールで消毒し、同一部位に反復して接種することは避けること。 1. 筋肉内注射に当たっては、組織・神経等への影響を避けるため次の点に注意すること。
・ 針長は筋肉内注射に足る長さで、神経、血管、骨等の筋肉下組織に到達しないよう、各被接種者に対して適切な針長を決定すること。 ・ 神経走行部位を避けること。 ・ 注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり血液の逆流をみた場合は直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
(その他の注意)
- 臨床使用に基づく情報
本剤の60歳未満に対する接種は適応外であるため妊婦又は妊娠している可能性のある女性に対する接種は想定されないが、本剤と同じ有効成分を含むワクチン(アジュバント無添加)の妊婦(適応外)を対象とした臨床試験において、プラセボ群に比べて早産増加が認められている。
(取扱い上の注意)
- 外箱開封後は、遮光して保存すること。
- 誤って凍結させたものは、品質が変化しているおそれがあるので、使用しないこと。
(保険給付上の注意)
本剤は保険給付の対象とならない(薬価基準未収載)。
(アレックスビー筋注用の使用方法)
・ 本剤は必ず接種前に調製する。
・ 本剤は筋注用である。 1. 準備
次のものを準備する。
・ 抗原製剤。
・ 専用溶解用液0.5mL。
・ シリンジ、注射針。
・ 消毒用アルコール。
*本剤にシリンジ、注射針は付属されていない。
抗原製剤と専用溶解用液それぞれ、目視で異物が入っていないか確認し、異常があれば使用を中止する。
①. 接種用の注射針は、筋肉内注射に足る長さで、神経、血管、骨等の筋肉下組織に到達しないよう、各被接種者に対して適切な針長を使用する。
②. 針長は、被接種者の年齢や体格を考慮して決定する。
③. 溶解時に使用する針と接種時に使用する針は交換する。
**[参考**:米国疾病予防管理センター(CDC)による標準的な針長]
a. **体重(60kgの19歳以上の男性・女性**:針長25mm(1インチ)*。
b. **体重60~70kgの19歳以上の男性・女性**:針長25mm(1インチ)。
c. **体重70~118kgの19歳以上の男性・体重70~90kgの19歳以上の女性**:針長25~38mm(1~1.5インチ)。
d. **体重)118kgの19歳以上の男性・体重)90kgの19歳以上の女性**:針長38mm(1.5インチ)。
*専門家によっては、16mm(5/8インチ)を推奨する場合がある。
CDC.The Pink Book-14th Edition(2021)。
1. 調製方法
①. バイアルのキャップを外し、バイアル上部を消毒用アルコール等で消毒する。
②. 専用溶解用液のバイアルを少し傾けながら、全量をシリンジに吸引する。
③. 吸引した専用溶解用液を抗原製剤のバイアル内に全量注入する。
④. 抗原製剤のバイアルを泡立てないように優しく振り混ぜ、完全に溶解させる。
調製後は、乳白光を呈する、無色~微褐色の液になる。
目視で異物が入っていないか確認し、異常があれば使用を中止する。
⑤. 0.5mLを再度シリンジ内にゆっくり吸引する。
調製後はすぐに使用する。
すぐに使用できない場合は、遮光して2~25℃で保管し、4時間以上経過したものは破棄する。
1. 筋肉内注射
本剤0.5mLを筋肉内に接種する。
・ 接種時に使用する針と溶解時に使用する針は交換する。
・ 皮下注射、静脈内注射または皮内注射はしない。
・ シリンジ内の空気を除去する際は、可能な限り薬液を減じないよう注意する。
・ 神経走行部位を避けて、上腕の三角筋部(可能であれば利き腕とは逆の腕の上腕の三角筋)に接種する。
・ 同日に他のワクチンを同一部位に接種すること(反復接種)は、避ける。
・ 上腕の三角筋中央の皮膚面に垂直に筋肉内注射する。
・ 上腕の三角筋内に針が十分達するよう刺入する。
・ 使用したシリンジ、注射針およびバイアルは医療廃棄物として廃棄する。
(保管上の注意)
凍結を避けて、2~8℃で保存。