処方薬
黄熱ワクチン

黄熱ワクチンの添付文書

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効果・効能

黄熱の予防。

用法・用量

本剤を日本薬局方生理食塩液(「黄熱ワクチン溶解液」など)3mLで溶解し、その0.5mLを1回皮下に注射する。

(用法及び用量に関する接種上の注意)

  1. 接種後の免疫の賦与:本剤接種後の黄熱に対する免疫は接種10~14日目以後に賦与される。

  2. 不活化ワクチン製剤との接種間隔:不活化ワクチンの接種を受けた者は、通常、6日以上間隔を置いて本剤を接種する。

  3. 他の生ワクチン製剤との接種間隔:他の生ワクチンの接種を受けた者は、通常、27日以上間隔を置いて本剤を接種する。

  4. 輸血及びガンマグロブリン製剤との接種間隔等:輸血の投与を受けた及びガンマグロブリン製剤の投与を受けた者は3~6カ月以上間隔を置いて本剤を接種する。また、本剤接種後14日以内に輸血の投与を受けた及び本剤接種後14日以内にガンマグロブリン製剤の投与を受けた者は、3カ月以上経過した後に本剤を再接種する。

副作用

  1. 重大な副反応

    1. ショック、アナフィラキシー:ショック、アナフィラキシー(蕁麻疹、喘息様症状、呼吸困難、血管浮腫等)が現れることがあるので接種後は観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行う。
    2. 脳脊髄膜炎、ギラン・バレー症候群、急性散在性脳脊髄炎、痙攣、球麻痺等の神経系障害(Neurotropic disease):まれに(10万回接種に0.4~0.8例程度)脳脊髄膜炎、ギラン・バレー症候群、急性散在性脳脊髄炎、痙攣、球麻痺等の神経系障害が発現することがあるので、接種後は観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行う。
    3. 熱性多臓器不全(Viscerotropic disease):まれに(10万回接種に0.3~0.4例程度)接種2~5日目に疲労、筋肉痛、頭痛を伴う発熱が現れ、呼吸不全、肝機能障害、リンパ球減少、血小板減少、高ビリルビン血症、腎不全等の急速な進行を特徴とする多臓器不全を発現し、重大な転帰をたどることがある。接種後は観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行う。
  2. その他の副反応

    1. 過敏症:発疹、蕁麻疹、紅斑、そう痒感、喘息様症状等が現れることがある。
    2. 全身症状:頭痛、発熱、筋肉痛、背部痛、関節痛、倦怠感等が現れることがあるが、これらの症状は、通常5~10日中に消失する。
    3. 消化器症状:下痢、悪心、嘔吐、腹部不快感等が現れることがある。
    4. 局所症状:接種部位に発赤、紅斑、そう痒、浮腫、腫脹、疼痛、硬結、水疱等が現れることがある。

使用上の注意

(接種不適当者(予防接種を受けることが適当でない者))

被接種者が次のいずれかに該当すると認められた場合には、接種を行ってはならない。

  1. 9カ月齢未満の乳児。

  2. 明らかに免疫機能に異常のある疾患を有する者及び免疫抑制を来す治療中の者。

  3. 明らかな発熱を呈している者。

  4. 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者。

  5. 本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者。

  6. 胸腺に関連した疾患(重症筋無力症、胸腺腫)を有したことがある者及び胸腺摘除術を受けた者(熱性多臓器不全の発現が報告されている)。

  7. 前記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者。

(接種要注意者(接種の判断を行うに際し、注意を要する者))

被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種する。

  1. 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者。

  2. 予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者。

  3. 過去に痙攣の既往のある者。

  4. 過去に免疫不全の診断がなされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者。

  5. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人。

  6. 高齢者。

  7. ゼラチン含有製剤に対して過敏症又はゼラチン含有の食品に対して過敏症(ショック、アナフィラキシー(蕁麻疹、呼吸困難、口唇浮腫、喉頭浮腫等)等)の既往のある者。

  8. 本剤の成分に対してアレルギー又は鶏卵由来のものに対してアレルギー、鶏肉由来のものに対してアレルギー、その他鶏由来のものに対してアレルギーを呈する恐れのある者。

(重要な基本的注意)

  1. 本剤は「予防接種実施規則」及び「定期接種実施要領」に準拠して使用する。

  2. 被接種者について、接種前に必ず問診、検温及び診察(視診、聴診等)によって健康状態を調べる。また、予防接種歴、本剤又は他のワクチンに対する過敏症及び副反応の既往歴を調べる。

  3. 被接種者又はその保護者に、接種当日は過激な運動は避け、接種部位を清潔に保ち、また接種後の健康監視に留意し、局所の異常反応や体調の変化、更に高熱、痙攣等の異常な症状を呈した場合には、速やかに医師の診察を受けるよう事前に知らせる。

  4. 本剤は安定剤としてゼラチンを含有しており、ゼラチン含有製剤の投与(接種)により、ショック、アナフィラキシー(蕁麻疹、呼吸困難、口唇浮腫、喉頭浮腫等)等が現れたとの報告があるので、問診を十分に行い、接種後は観察を十分に行う。

  5. 本剤はSPF鶏卵及び感染性物質に汚染されていない原材料を用い無菌下で製造され、製造工程において発育鶏卵を用いた外来性ウイルス否定試験は実施されているが、ヒト由来及びニワトリ由来培養細胞を用いた外来性ウイルス否定試験並びにマイコプラズマ否定試験は実施されていない。現在までに本剤の投与により外来性ウイルスが伝播したとの報告はないが、本剤の接種に際しては被接種者又はその保護者へ十分な説明を行い、必要性を十分に検討の上、接種する。

(相互作用)

  1. 併用禁忌:放射線、副腎皮質ステロイド剤(プレドニゾロン等)、免疫抑制剤(シクロスポリン等)、アルキル化剤(シクロフォスファミド等)、代謝拮抗剤(テガフール等)[本生ワクチン接種により、次記機序で黄熱様症状が現れる恐れがあるので接種しない(免疫抑制下で本剤を接種すると、ワクチンウイルスの感染を増強あるいは持続させる可能性がある;放射線療法あるいは免疫抑制的な作用を持つ薬剤の投与中の者、特に免疫抑制的な作用を持つ薬剤の長期投与中あるいは免疫抑制的な作用を持つ薬剤の大量投与中の者、又は免疫抑制的な作用を持つ薬剤投与中止後6カ月以内の者は免疫機能が低下していることがある)]。

  2. 併用注意

    1. 輸血及びガンマグロブリン製剤との併用:本剤を輸血の投与を受けた及びガンマグロブリン製剤の投与を受けた者に接種した場合、輸血及びガンマグロブリン製剤中に黄熱ウイルス抗体が含まれると、ワクチンウイルスが中和されて増殖の抑制が起こることがある(本剤接種前3カ月以内に輸血の投与を受けた又は接種前3カ月以内にガンマグロブリン製剤の投与を受けた者は、本剤の効果が得られないことがあるので、3カ月以上過ぎるまで本剤の接種を延期する)。また、ガンマグロブリンの大量(200mg/kg以上)療法を受けた、すなわち川崎病の治療を受けた者、特発性血小板減少性紫斑病の治療を受けた(ITPの治療を受けた)者は6カ月以上過ぎるまで接種を延期する。本剤接種後14日以内にガンマグロブリン製剤を投与した場合は、本剤の効果が得られないことがあるので、投与後3カ月以上経過した後に本剤を再接種することが望ましい。
    2. 他の生ワクチン製剤との関係:他の生ワクチン(経口生ポリオワクチン、おたふくかぜワクチン、麻しんワクチン、風しんワクチン、水痘ワクチン、BCGワクチン等)の干渉作用により本剤のウイルスが増殖せず免疫が獲得できない恐れがあるので、他の生ワクチンの接種を受けた者は、通常、27日以上間隔を置いて本剤を接種する。

(高齢者への接種)

一般に高齢者では生理機能が低下しているので、接種にあたっては予診等を慎重に行い、被接種者の健康状態を十分に観察し、また、接種後10日間は慎重に健康状態を監視する。

米国での報告(2000年から2006年にVAERSに報告された660症例の分析)では、60歳以上の重篤な有害事象報告率は10万回接種あたり8.3であり、全体の報告率4.7に比し高かった。

(妊婦・産婦・授乳婦等への接種)

  1. 妊娠又は妊娠している可能性のある婦人には接種しないことを原則とし、予防接種上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ接種する[妊娠中の接種に関する安全性は確立していない、また、17Dワクチンウイルスは経胎盤感染する可能性が示唆されている]。

  2. 授乳中の婦人には接種しないことが望ましい。なお、やむをえず接種する場合には授乳を避けさせる[接種後の授乳による乳児への安全性は確立していない]。

(小児等への接種)

脳炎発症の危険性が高いことから、9カ月齢未満の乳児には接種しない(1945年から1991年までの間に、全ての17Dワクチンで報告された接種後脳炎は21症例であり、うち16例が8カ月齢未満、2例が3歳及び13歳であり、3例は成人であった)。

(接種時の注意)

  1. 接種時

    1. 接種用器具は、ガンマ線等により滅菌されたディスポーザブル品を用いる。
    2. 本剤の溶解に当っては、容器の栓及びその周囲をアルコールで消毒した後、日本薬局方生理食塩液3mLを注射筒で吸引し、ワクチンの入ったバイアルにゆっくり注入し、次いで1~2分間静置後、静かに振り混ぜて均一の懸濁液を得る(懸濁液に気泡が生じる恐れがあるので激しく振り混ぜない)。*日本薬局方生理食塩液:(「黄熱ワクチン溶解液」など)。得られた均一の懸濁液0.5mL(1人量)を接種用の注射筒に吸引する。この操作にあたっては雑菌が迷入しないように注意する。なお、溶解したワクチンは希釈しない。
    3. ゴム栓への針刺は、ゴム栓面に垂直にゆっくり行う(斜めに刺すとゴム片がワクチンに混入する恐れがある)。また、栓を取り外し、あるいは内容物を他の容器に移して使用してはならない。
    4. 接種の際、注射針の先端が血管内に入っていないことを確かめる。
    5. 注射針及び注射筒は被接種者ごとに取り替えなければならない。
  2. 接種部位:接種部位は、通常、上腕伸側とし、アルコールで消毒する。

(取扱い上の注意)

  1. 接種前:溶解時に内容をよく調べ、異常な混濁、沈殿物、異物の混入、変色、その他の異常がないことを確認する。

  2. 接種時:本剤は一度溶解したものは60分以内に使用する、また溶解後は再凍結させない。60分を経過した未使用のワクチン及び容器は適切に廃棄する。

(保管上の注意)

遮光、2~8℃。