処方薬
サラゾスルファピリジン腸溶錠500mg「日医工」
後発

サラゾスルファピリジン腸溶錠500mg「日医工」の添付文書

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効果・効能

関節リウマチ。

用法・用量

本剤は、消炎鎮痛剤などで十分な効果が得られない場合に使用する。サラゾスルファピリジンとして1日投与量1gを朝食及び夕食後の2回に分割経口投与する。

副作用

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

  1. 重大な副作用(頻度不明)

    1. 再生不良性貧血、汎血球減少症、無顆粒球症、血小板減少、貧血(溶血性貧血、巨赤芽球性貧血(葉酸欠乏)等)、播種性血管内凝固症候群(DIC):再生不良性貧血、汎血球減少症、無顆粒球症、血小板減少、貧血(溶血性貧血、巨赤芽球性貧血(葉酸欠乏)等)、播種性血管内凝固症候群(DIC)が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
    2. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、紅皮症型薬疹:中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、紅皮症型薬疹が現れることがあるので、観察を十分に行い、このような症状が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
    3. 過敏症症候群、伝染性単核球症様症状:過敏症症候群、伝染性単核球症様症状が現れることがあるので、観察を十分に行い、次のような症状が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う[初期症状として発疹、発熱、感冒様症状がみられ、更にリンパ節腫脹、肝機能障害、肝腫、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現等を伴う遅発性の重篤な過敏症状が現れることがある(なお、これらの症状は、薬剤を中止しても再燃あるいは遷延化することがあるので注意する)]。
    4. 間質性肺炎、薬剤性肺炎、PIE症候群、線維性肺胞炎:間質性肺炎、薬剤性肺炎、PIE症候群、線維性肺胞炎が現れることがあるので、発熱、咳嗽、喀痰、呼吸困難等の呼吸器症状が現れた場合には投与を中止し、速やかに胸部X線検査、速やかに血液検査等を実施し、適切な処置を行う。
    5. 急性腎障害、ネフローゼ症候群、間質性腎炎:急性腎障害、ネフローゼ症候群、間質性腎炎が現れることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
    6. 消化性潰瘍(出血、穿孔を伴うことがある)、S状結腸穿孔:消化性潰瘍(出血、穿孔を伴うことがある)、S状結腸穿孔が現れることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
    7. 脳症:脳症が現れることがあるので、観察を十分に行い、意識障害、痙攣等が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
    8. 無菌性髄膜(脳)炎:無菌性髄膜炎(無菌性髄膜脳炎)(頚部硬直(項部硬直)、発熱、頭痛、悪心、嘔吐あるいは意識混濁等)が現れることがあるので、観察を十分に行い、このような症状が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
    9. 心膜炎、胸膜炎:心膜炎、胸膜炎が現れることがあるので、呼吸困難、胸部痛、胸水等が現れた場合には投与を中止し、速やかに心電図検査、速やかに胸部X線検査等を実施し、適切な処置を行う。
    10. SLE様症状:SLE様症状が現れることがあるので、観察を十分に行い、このような症状が現れた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
    11. 劇症肝炎、肝炎、肝機能障害、黄疸:著しいAST上昇(著しいGOT上昇)、著しいALT上昇(著しいGPT上昇)等を伴う肝炎、肝機能障害、黄疸が現れることがあり、また、肝不全、劇症肝炎に至る恐れがあるので、定期的に肝機能検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
    12. ショック、アナフィラキシー:ショック、アナフィラキシーが現れることがあるので、観察を十分に行い、発疹、血圧低下、呼吸困難等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
  2. その他の副作用(頻度不明)

    1. 血液:白血球減少、免疫グロブリン減少、顆粒球減少、異型リンパ球出現、好酸球増多[このような症状が現れた場合には投与を中止する]。
    2. 肝臓:AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)[このような症状が現れた場合には投与を中止する]。
    3. 腎臓:浮腫、蛋白尿、BUN上昇、血尿、腫脹、糖尿、尿路結石[このような症状が現れた場合には投与を中止する]。
    4. 皮膚:脱毛。
    5. 消化器:悪心・嘔吐、腹痛、口内炎、胃不快感、食欲不振、便秘、腹部膨満感、下痢、口唇炎、胸やけ、舌炎、口渇、膵炎、口腔咽頭痛。
    6. 過敏症:発疹、そう痒感、顔面潮紅、紅斑、蕁麻疹、光線過敏症、血清病[このような症状が現れた場合には投与を中止する]。
    7. 精神神経系:頭痛、末梢神経炎、眩暈、うとうと状態、耳鳴、抑うつ。
    8. その他:発熱、倦怠、味覚異常、心悸亢進、筋肉痛、胸痛、関節痛、嗅覚異常、*精子数の可逆的な減少及び*精子運動性の可逆的な減少[*:2~3カ月の休薬により回復するとの報告がある]。

使用上の注意

(禁忌)

  1. サルファ剤又はサリチル酸製剤に対し過敏症の既往歴のある患者。

  2. 新生児、低出生体重児。

(慎重投与)

  1. 血液障害のある患者。

  2. 肝障害のある患者。

  3. 腎障害のある患者。

  4. 気管支喘息のある患者[急性発作が起こる恐れがある]。

  5. 急性間欠性ポルフィリン症の患者[急性発作が起こる恐れがある]。

  6. グルコース-6-リン酸脱水素酵素(G-6-PD)欠乏患者[溶血が起こる恐れがある]。

  7. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人、授乳婦。

  8. 他の薬物に対し過敏症の既往歴のある患者。

  9. 高齢者。

(重要な基本的注意)

  1. 本剤は、関節リウマチの治療に十分な経験を持つ医師のもとで使用する。

  2. 本剤は、通常1~2カ月後に効果が得られるので、臨床効果が発現するまでは、従来より投与している消炎鎮痛剤は継続して併用することが望ましい。

  3. サラゾスルファピリジン腸溶性製剤の臨床試験において、1日投与量2gでは1gに比し副作用発現率が有意に高かったことから、本剤の投与に際しては用法・用量を厳守する。

  4. 本剤投与開始前には、必ず血液学的検査(白血球分画を含む血液像)、肝機能検査及び腎機能検査を実施する。投与中は臨床症状を十分観察するとともに、定期的に(投与開始後最初の3カ月間は2週間に1回、次の3カ月間は4週間に1回、その後は3カ月ごとに1回)、血液学的検査及び肝機能検査を行う。また、腎機能検査についても定期的に行う。

(相互作用)

併用注意:

  1. スルホニルアミド系経口糖尿病用剤、スルホニルウレア系経口糖尿病用剤[低血糖を発症する恐れがあるので、これらの薬剤の用量を調節するなど注意する(代謝抑制又は蛋白結合の置換により、作用が増強される)]。

  2. クマリン系抗凝血剤[併用薬の血中濃度が上昇しプロトロンビン時間が延長する恐れがあるので、これらの薬剤の用量を調節するなど注意する(併用薬の代謝が抑制される)]。

  3. 葉酸[葉酸の吸収が低下し大赤血球症・汎血球減少を来す葉酸欠乏症を起こす恐れがあるので、葉酸欠乏症が疑われる場合は、葉酸を補給する(機序不明)]。

  4. ジゴキシン[ジゴキシンの吸収が低下する恐れがある(機序不明)]。

  5. アザチオプリン、メルカプトプリン[白血球減少等の骨髄抑制が現れる恐れがある(本剤はこれらの薬剤の代謝酵素であるチオプリンメチルトランスフェラーゼを阻害するとの報告がある)]。

(高齢者への投与)

高齢者では、少量(0.5g、1日1回、夕食後)から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与する[サラゾスルファピリジン腸溶性製剤の臨床試験において高齢者に消化器系、肝臓系及び腎臓系の副作用の発現率が高い傾向が認められる]。

(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)

  1. 妊婦:妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい[本剤の動物実験では催奇形作用は認められていないが、他のサルファ剤(スルファメトピラジン等)では催奇形作用が認められており、また本剤の代謝物の胎盤通過により、新生児に高ビリルビン血症を起こすことがある]。

  2. 授乳婦:授乳中の婦人には投与しないことが望ましいが、やむを得ず投与する場合は授乳を中止させる[母乳中に移行し、乳児に血便又は血性下痢が現れたとの報告がある]。

(小児等への投与)

  1. 新生児、低出生体重児には投与しない[高ビリルビン血症を起こすことがある]。

  2. 小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。

(臨床検査結果に及ぼす影響)

本剤投与中の患者において、ALT、AST、CK-MB、GLDH、血中アンモニア、血中チロキシン及び血中グルコース等の測定値がみかけ上増加又は減少することがあるため、これらの検査結果の解釈は慎重に行う(サラゾスルファピリジン並びに代謝物5-アミノサリチル酸及びスルファピリジンは、NAD(H)又はNADP(H)を使用した340nm付近の紫外線吸光度測定に干渉する可能性があり、検査方法により検査結果に及ぼす影響が異なることが報告されている)。

(過量投与)

サラゾスルファピリジンの過量投与時の一般的な症状、処置は次のとおりである。

  1. 過量投与時の症状:悪心・嘔吐、胃腸障害、腹痛、精神神経系症状(傾眠、痙攣等)。

  2. 過量投与時の処置:症状に応じて、催吐、胃洗浄、寫下、尿のアルカリ化、強制利尿(腎機能が正常な場合)、血液透析等を行う。

(適用上の注意)

薬剤交付時:

  1. 本剤は腸溶性製剤であり、噛んだり、砕いたりせずに服用するように指導する。

  2. PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。

(その他の注意)

  1. 動物実験(ラット)で甲状腺腫及び甲状腺機能異常を起こすことが報告されている。

  2. 本剤の成分により皮膚、爪及び尿・汗等の体液が黄色~黄赤色に着色することがある。また、ソフトコンタクトレンズが着色することがある。

(取扱い上の注意)

安定性試験:最終包装製品を用いた加速試験(40℃、相対湿度75%、6カ月)の結果、本剤は通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。