アービタックス注射液100mgの添付文書
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効果・効能
1. RAS遺伝子野生型の治癒切除不能な進行・再発の結腸癌、RAS遺伝子野生型の治癒切除不能な進行・再発の直腸癌。
1. 頭頸部癌。
(効能又は効果に関連する注意)
- 〈効能共通〉術後補助療法としての本剤の有効性及び安全性は確立していない。
- 〈効能共通〉「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。
用法・用量
1週間間隔投与の場合:
通常、成人には、セツキシマブ(遺伝子組換え)として、初回は400mg/㎡(体表面積)を2時間かけて、2回目以降は250mg/㎡(体表面積)を1時間かけて1週間間隔で点滴静注する。なお、患者の状態により適宜減量する。
2週間間隔投与の場合:
通常、成人には、セツキシマブ(遺伝子組換え)として、500mg/㎡(体表面積)を2時間かけて2週間間隔で点滴静注する。なお、患者の状態により適宜減量する。
(用法及び用量に関連する注意)
- 〈効能共通〉本剤投与時にあらわれることがあるinfusion reactionを軽減させるため、本剤の投与前に抗ヒスタミン剤の前投薬を行うこと(さらに、本剤投与前に副腎皮質ホルモン剤を投与すると、infusion reactionが軽減されることがある)〔1.2、7.2、8.1、8.2、11.1.1参照〕。
- 〈効能共通〉重度(Grade3以上)infusion reactionが発現した場合には、本剤の投与を直ちに中止し、再投与しないこと。軽度~中等度(Grade1-2)infusion reactionが発現した場合には、投与速度を減速し、その後の全ての投与においても減速した投与速度で投与すること。投与速度を減速した後に再度infusion reactionが発現した場合には、直ちに投与を中止し、再投与しないこと〔1.2、7.1、7.4、8.1、8.2、11.1.1参照〕。
- 〈効能共通〉重度(Grade3以上)の皮膚症状が発現した場合には、次に従い本剤の用量を調節すること〔8.4、11.1.2参照〕。
[用量調節の目安]
〈効能共通〉初回発現時:
①. 〈効能共通〉Grade3以上の皮膚症状(初回発現時):投与延期し、投与延期後Grade2以下に回復した場合、1週間間隔投与で放射線療法との併用の場合200mg/㎡で投与継続。
②. 〈効能共通〉Grade3以上の皮膚症状(初回発現時):投与延期し、投与延期後Grade2以下に回復した場合、1週間間隔投与で放射線療法との併用以外の場合250mg/㎡で投与継続。
③. 〈効能共通〉Grade3以上の皮膚症状(初回発現時):投与延期し、投与延期後Grade2以下に回復した場合、2週間間隔投与の場合500mg/㎡で投与継続。
④. 〈効能共通〉Grade3以上の皮膚症状(初回発現時):投与延期し、投与延期後回復しない場合、投与中止。
〈効能共通〉2回目の発現時:
①. 〈効能共通〉Grade3以上の皮膚症状(2回目の発現時):投与延期し、投与延期後Grade2以下に回復した場合、1週間間隔投与で放射線療法との併用の場合150mg/㎡で投与継続。
②. 〈効能共通〉Grade3以上の皮膚症状(2回目の発現時):投与延期し、投与延期後Grade2以下に回復した場合、1週間間隔投与で放射線療法との併用以外の場合200mg/㎡で投与継続。
③. 〈効能共通〉Grade3以上の皮膚症状(2回目の発現時):投与延期し、投与延期後Grade2以下に回復した場合、2週間間隔投与の場合400mg/㎡で投与継続。
④. 〈効能共通〉Grade3以上の皮膚症状(2回目の発現時):投与延期し、投与延期後回復しない場合、投与中止。
〈効能共通〉3回目の発現時:
①. 〈効能共通〉Grade3以上の皮膚症状(3回目の発現時):投与延期し、投与延期後Grade2以下に回復した場合、1週間間隔投与で放射線療法との併用の場合投与中止。
②. 〈効能共通〉Grade3以上の皮膚症状(3回目の発現時):投与延期し、投与延期後Grade2以下に回復した場合、1週間間隔投与で放射線療法との併用以外の場合150mg/㎡で投与継続。
③. 〈効能共通〉Grade3以上の皮膚症状(3回目の発現時):投与延期し、投与延期後Grade2以下に回復した場合、2週間間隔投与の場合300mg/㎡で投与継続。
④. 〈効能共通〉Grade3以上の皮膚症状(3回目の発現時):投与延期し、投与延期後回復しない場合、投与中止。
〈効能共通〉Grade3以上の皮膚症状(4回目の発現時):投与中止。
GradeはNCI-CTCに準じる。
- 〈効能共通〉本剤の投与時には、10mg/分以下の投与速度で静脈内注射すること〔7.2参照〕。
- 〈RAS遺伝子野生型の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌〉オキサリプラチン及びフッ化ピリミジン系薬剤を含む化学療法が無効となった患者に対するイリノテカン塩酸塩水和物との併用において、本剤の上乗せによる延命効果は検証されていない〔17.1.1-17.1.5参照〕。
- 〈RAS遺伝子野生型の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌〉本剤と放射線療法との併用における有効性及び安全性は確立していない。
- 〈頭頸部癌〉本剤は、放射線療法又は他の抗悪性腫瘍剤と併用すること〔17.1.6-17.1.9参照〕。
- 〈頭頸部癌〉頭頸部癌で2週間間隔投与の場合、放射線療法との併用における有効性及び安全性は確立していない。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
1.1. 重度infusion reaction(0.8%):気管支痙攣、蕁麻疹、低血圧、意識消失又はショックを症状としたアナフィラキシー様症状があらわれることがあるので、infusion reactionを発現した場合には、全ての徴候及び症状が完全に回復するまで患者を十分に観察すること。なお、本剤によるアナフィラキシーの発生機序の一つとして、本剤に含まれるGalactose-α-1,3-galactose(α-gal)に対するIgE抗体を介した機序が報告されており、赤肉に対するアレルギー歴(牛肉に対するアレルギー歴等)やマダニ咬傷歴のある患者では、α-galに対するIgE抗体が検出されることが報告されている。そのうち、牛肉に対するアレルギー歴のある患者で、本剤によるアナフィラキシーが認められたとの報告がある〔1.2、7.1、7.2、8.1、8.2参照〕。
1.2. 重度の皮膚症状(18.8%):主にざ瘡様皮疹、皮膚乾燥及び皮膚亀裂、続発炎症性症状及び続発感染性症状(眼瞼炎、口唇炎、蜂巣炎、嚢胞)等があらわれることがあり、重度皮膚症状(主にざ瘡様皮疹)発現後に、切開排膿を要する膿瘍、壊死性筋膜炎や黄色ブドウ球菌敗血症等を合併した例が報告されているので、重度の皮膚症状が認められた場合には、本剤の投与量を調節するとともに、続発する炎症性又は感染性の症状の発現に十分注意し、これらの症状に対する適切な治療を行うこと〔7.3、8.4参照〕。
1.3. 間質性肺疾患(0.2%):咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状や発熱が急激にあらわれた場合、あるいは胸部X線等の検査で異常が認められた場合など、間質性肺疾患が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤投与等の適切な処置を行うこと〔9.1.1参照〕。
1.4. 心不全(頻度不明)〔9.1.2参照〕。
1.5. 低マグネシウム血症(8.2%):QT延長、痙攣、しびれ、全身倦怠感等を伴う低マグネシウム血症があらわれることがある。なお、低マグネシウム血症に起因した、低カルシウム血症、低カリウム血症等の電解質異常を伴う場合には、特に症状が重篤化することがあるので注意すること(電解質異常が認められた場合には、必要に応じ電解質補充等の適切な処置を行うこと)〔8.3参照〕。
1.6. 重度の下痢(2.2%):重度下痢及び脱水があらわれることがあり、腎不全に至った症例も報告されているので、これらの症状があらわれた場合には、止瀉薬(ロペラミド等)の投与、補液等の適切な処置を行うこと。
1.7. 血栓塞栓症(1.2%):深部静脈血栓症、肺塞栓症等があらわれることがある。
1.8. 感染症(4.4%):肺炎、敗血症等の重度感染症があらわれることがある。
- その他の副作用
- 全身症状:(10%以上)疲労、無力症、(0.5~10%未満)発熱、体重減少、粘膜炎症、悪寒、疼痛(皮膚疼痛・筋肉疼痛等)、浮腫、倦怠感、(頻度不明)PO2低下。
- 消化器:(10%以上)悪心、口内炎、(0.5~10%未満)食欲不振、嘔吐、便秘、腹痛、消化不良、(0.5%未満)歯槽出血、吐血、(頻度不明)下痢。
- 血液/リンパ系:(0.5~10%未満)好中球減少症、白血球減少症、血小板減少症、リンパ球減少症、ヘモグロビン減少、好中球増加症、白血球増加症。
- 心・血管系:(0.5%未満)心筋梗塞。
- 代謝/栄養:(0.5~10%未満)低カルシウム血症、低アルブミン血症、低カリウム血症、脱水、低ナトリウム血症、低リン酸血症、総蛋白減少、(0.5%未満)血中アミラーゼ増加。
- 肝臓:(0.5~10%未満)ALT上昇、AST上昇、Al-P上昇、(0.5%未満)血中ビリルビン増加。
- 精神・神経系:(0.5~10%未満)頭痛、不眠症、末梢神経障害。
- 呼吸器:(0.5~10%未満)鼻出血、呼吸困難、咳嗽、(0.5%未満)喀血。
- 皮膚/皮膚付属器:(10%以上)発疹(45.0%)、ざ瘡/ざ瘡様皮膚炎(44.5%)、皮膚乾燥、爪囲炎、皮膚そう痒症、皮膚亀裂、(0.5~10%未満)爪障害、脱毛症、皮膚毒性、手足症候群、多毛症、口唇炎、蕁麻疹、皮膚反応、毛髪障害、(0.5%未満)剥脱性皮膚炎、(頻度不明)皮膚障害。
- 眼:(0.5~10%未満)結膜炎、眼瞼炎、(0.5%未満)角膜炎[眼の異常があらわれた場合には、直ちに眼科的検査を行い、必要な処置を行うこと]。
その他:(0.5~10%未満)過敏症、尿蛋白、(0.5%未満)C-反応性蛋白増加、尿中ウロビリン陽性、血尿、尿中血陽性、卵巣嚢胞破裂、(頻度不明)*放射線性皮膚炎、*遅発性放射線障害[*:放射線療法との併用時における発現頻度]。
発現頻度は国内外臨床試験(EMR62202-049、EMR62241-053、EMR62241-056、EMR62202-002、EMR62202-006及びEMR62202-013)計6試験の結果に基づき算出した。
使用上の注意
(警告)
- 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
- 重度infusion reactionが発現し、死亡に至る例が報告されている。症状としては、気管支痙攣、蕁麻疹、低血圧、意識消失、ショックがあらわれ、心筋梗塞、心停止も報告されており、これらの症状は本剤の初回投与中又は投与終了後1時間以内に観察されているが、投与数時間後又は2回目以降の本剤投与でも発現することがあるので、患者の状態を十分に確認しながら慎重に投与すること。また、重度infusion reactionが発現した場合は、本剤の投与を直ちに中止し、再投与しないこと〔7.1、7.2、8.1、8.2、11.1.1参照〕。
(禁忌)
本剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある患者。
(重要な基本的注意)
- 本剤の投与は、重度infusion reactionに備えて緊急時に十分な対応のできる準備を行った上で開始すること。2回目以降の本剤投与時に初めて重度infusion reactionを発現することもあるので、本剤投与中は毎回患者の状態に十分に注意し、本剤投与中及び本剤投与終了後少なくとも1時間は観察(バイタルサインをモニターするなど)期間を設けること〔1.2、7.1、7.2、8.2、11.1.1参照〕。
- 抗ヒスタミン剤の前投薬を行った患者においても、重度のinfusion reactionが発現したとの報告があるので、患者の状態を十分に観察すること〔1.2、7.1、7.2、8.1、11.1.1参照〕。
- 低マグネシウム血症、低カリウム血症、低カルシウム血症が発現することが報告されており、また、心不全等の心臓障害の発現も報告されているので、治療開始前、治療中及び治療終了後は血清中電解質(マグネシウム、カリウム及びカルシウム)をモニタリングすること〔11.1.5参照〕。
- 重度皮膚症状があらわれることがあるので、必要に応じて皮膚科を受診するよう患者に指導すること〔7.3、11.1.2参照〕。
- 本剤の使用にあたっては、本剤と一般名が類似しているセツキシマブ サロタロカンナトリウム(遺伝子組換え)との取り違えに注意すること。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
1.1. 間質性肺疾患の既往歴のある患者:間質性肺疾患を増悪させるおそれがある〔11.1.3参照〕。
1.2. 心疾患のある患者又はその既往歴のある患者:本剤による治療を開始するにあたっては、患者の冠動脈疾患、うっ血性心不全及び不整脈等の既往歴に注意すること(心疾患を増悪させるおそれがある)。また、本剤と放射線療法を併用した頭頸部扁平上皮癌患者に対する海外臨床試験において、心肺停止及び突然死が報告されている〔11.1.4参照〕。
(生殖能を有する者)
妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中、適切な避妊法を用いるように指導すること〔9.5妊婦の項参照〕。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(サルの胚・胎仔発生への影響に関する試験において、流産及び胎仔死亡の発現頻度の上昇がみられた)〔9.4生殖能を有する者の項参照〕。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒトIgG1はヒト乳汁中に排出される)。
(小児等)
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
(高齢者)
患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること(一般に高齢者では生理機能が低下している)。
(適用上の注意)
- 薬剤調製時の注意
1.1. 本剤の投与時には必要量を注射筒で抜き取り、点滴バッグ等を用い日局生理食塩液で希釈してあるいは希釈せずに投与すること。
1.2. 他の薬剤(日局生理食塩液を除く)との混注はしないこと。
1.3. 本剤は、振とうしないこと。
- 薬剤投与時の注意
2.1. 投与終了後は、本剤と同じ投与速度でラインを日局生理食塩液にてフラッシュすること。
2.2. 開封後は速やかに使用すること。
(保管上の注意)
2~8℃で保存。