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ジャカビ錠5mg
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効果・効能

1.  骨髄線維症。
1.  真性多血症(既存治療が効果不十分又は不適当な場合に限る)。
1.  造血幹細胞移植後の移植片対宿主病(ステロイド剤の投与で効果不十分な場合)。

(効能又は効果に関連する注意)

    1. 〈骨髄線維症〉患者のリスク分類、脾臓の大きさ等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分理解した上で、適応患者の選択を行うこと。
    1. 〈骨髄線維症〉病理組織学的検査を行い、骨髄線維症と診断された患者に使用すること。
    1. 〈真性多血症〉ヒドロキシカルバミドによる適切な治療を行っても十分な効果が認められない場合、又はヒドロキシカルバミドによる治療が不適当と判断される場合に本剤の投与を考慮すること。
    1. 〈真性多血症〉臨床試験に組み入れられた患者の脾臓の大きさ等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分理解した上で、適応患者の選択を行うこと。
    1. 〈造血幹細胞移植後の移植片対宿主病〉臨床試験に組み入れられた患者の移植片対宿主病の重症度等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。

用法・用量

〈骨髄線維症〉

通常、成人には本剤を1日2回、12時間毎を目安に経口投与する。用量は、ルキソリチニブとして1回5mg~25mgの範囲とし、患者の状態により適宜増減する。

〈真性多血症〉

通常、成人にはルキソリチニブとして1回10mgを開始用量とし、1日2回、12時間毎を目安に経口投与する。患者の状態により適宜増減するが、1回25mg1日2回を超えないこと。

〈造血幹細胞移植後の移植片対宿主病〉

通常、成人及び12歳以上の小児にはルキソリチニブとして1回10mgを1日2回、12時間毎を目安に経口投与する。患者の状態により適宜減量する。

通常、6歳以上12歳未満の小児にはルキソリチニブとして1回5mgを1日2回、12時間毎を目安に経口投与する。患者の状態により適宜減量する。

(用法及び用量に関連する注意)

    1. 〈骨髄線維症、真性多血症〉他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
    1. 〈骨髄線維症、真性多血症〉十分な効果が認められず、血球数から増量可能と判断できる場合は、1回の投与量を5mgずつ2週間以上の間隔をあけて増量することができる(ただし、本剤の初回投与後、4週間は増量しないこと)。
    1. 〈骨髄線維症〉本剤の投与開始にあたっては、血小板数に基づき次を参考に開始用量を決定すること。
    1. 〈骨髄線維症〉骨髄線維症で血小板数20万/mm3超:開始用量1回20mg1日2回。
    2. 〈骨髄線維症〉骨髄線維症で血小板数10万/mm3以上20万/mm3以下:開始用量1回15mg1日2回。

      〈骨髄線維症〉骨髄線維症で血小板数5万/mm3以上10万/mm3未満の患者に対する開始用量の情報は限られているため、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分理解した上で、本剤の投与の可否を慎重に検討すること。骨髄線維症で血小板数5万/mm3以上10万/mm3未満の患者に投与可能と判断する場合、1回5mg1日2回から投与を開始するとともに、観察を十分に行い、有害事象の発現に十分注意すること。血小板数5万/mm3未満の患者に対する投与は避けること。

    1. 〈骨髄線維症〉本剤の投与中に血小板数が減少した場合、次を参考に減量又は休薬を考慮すること。
    1. 〈骨髄線維症〉血小板数10万/mm3以上12.5万/mm3未満:1回あたりの用量25mg(1日2回)→1回あたりの用量20mg(1日2回)、1回あたりの用量20mg/15mg/10mg/5mg(1日2回)→用量変更なし。
    2. 〈骨髄線維症〉血小板数7.5万/mm3以上10万/mm3未満:1回あたりの用量25mg/20mg/15mg(1日2回)→1回あたりの用量10mg(1日2回)、1回あたりの用量10mg/5mg(1日2回)→用量変更なし。
    3. 〈骨髄線維症〉血小板数5万/mm3以上7.5万/mm3未満:1回あたりの用量25mg/20mg/15mg/10mg(1日2回)→1回あたりの用量5mg(1日2回)、1回あたりの用量5mg(1日2回)→用量変更なし。
    4. 〈骨髄線維症〉血小板数5万/mm3未満:休薬(なお、血小板数が休薬前の数値以上に回復した場合には、1回5mg1日2回から投与を再開できる、ただし、患者の状態をより慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること)。
    1. 〈骨髄線維症〉本剤の投与中に好中球数が500/mm3未満に減少した場合には休薬すること(なお、好中球数が休薬前の数値以上に回復した場合には、1回5mg1日2回から投与を再開できる、ただし、患者の状態をより慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること)。
    1. 〈真性多血症〉真性多血症で血小板数5万/mm3以上10万/mm3未満の患者における開始用量の情報は得られていないため、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分理解した上で、本剤の投与の可否を慎重に検討すること。真性多血症で血小板数5万/mm3以上10万/mm3未満の患者に投与可能と判断する場合、低用量から投与を開始するとともに、観察を十分に行い、有害事象の発現に十分注意すること。血小板数5万/mm3未満の患者に対する投与は避けること。
    1. 〈真性多血症〉本剤の投与中に血小板数又はヘモグロビンが減少した場合、次を参考に減量又は休薬を考慮すること。
    1. 〈真性多血症〉血小板数5万/mm3以上10万/mm3未満:減量(減量幅は、1回の投与量として5mgとする)。
    2. 〈真性多血症〉血小板数5万/mm3未満:休薬(なお、血小板数が休薬前の数値以上に回復した場合には、1回5mg1日2回から投与を再開できる、ただし、患者の状態をより慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること)。
    3. 〈真性多血症〉ヘモグロビン8g/dL以上12g/dL未満:減量(減量幅は、1回の投与量として5mgとする)。
    4. 〈真性多血症〉ヘモグロビン8g/dL未満:休薬(なお、ヘモグロビンが休薬前の数値以上に回復した場合には、1回5mg1日2回から投与を再開できる、ただし、患者の状態をより慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること)。
    1. 〈真性多血症〉本剤の投与中に好中球数1000/mm3未満に減少した場合には休薬すること(なお、好中球数が休薬前の数値以上に回復した場合には、1回5mg1日2回から投与を再開できる、ただし、患者の状態をより慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること)。
    1. 〈造血幹細胞移植後の移植片対宿主病〉副作用により本剤を休薬、減量する場合は、次の基準を考慮すること[1段階減量の基準]1)投与量1回10mg1日2回:1回5mg1日2回に減量、2)投与量1回5mg1日2回:1回5mg1日1回に減量、3)投与量1回5mg1日1回:休薬〔9.1.4参照〕。
    1. 〈造血幹細胞移植後の移植片対宿主病〉血小板数

      ①. 〈造血幹細胞移植後の移植片対宿主病〉血小板数1.5万/mm3以上2万/mm3未満:1段階減量する(減量後7日以内に2万/mm3以上に回復した場合は、減量前の用量を再開してもよい、減量後7日を過ぎても2万/mm3以上に回復しない場合は、1段階減量を維持する)。

      ②. 〈造血幹細胞移植後の移植片対宿主病〉血小板数1.5万/mm3未満:2万/mm3以上になるまで休薬し、休薬前の用量(休薬前に当該事象により既に1段階減量している場合は、減量前の用量とする)から1段階減量して投与を再開する。

    2. 〈造血幹細胞移植後の移植片対宿主病〉好中球数

      ①. 〈造血幹細胞移植後の移植片対宿主病〉好中球数500/mm3以上750/mm3未満:1段階減量する(1000/mm3超に回復した場合は、減量前の用量を再開する)。

      ②. 〈造血幹細胞移植後の移植片対宿主病〉好中球数500/mm3未満:500/mm3を超えるまで休薬し、休薬前の用量(休薬前に当該事象により既に1段階減量している場合は、減量前の用量とする)から1段階減量して投与を再開する(1000/mm3超に回復した場合は、休薬前の用量(休薬前に当該事象により既に1段階減量している場合は、減量前の用量とする)を再開してもよい)。

    3. 〈造血幹細胞移植後の移植片対宿主病〉総ビリルビン上昇:移植片対宿主病に伴う肝病変を有さない場合:

      ①. 〈造血幹細胞移植後の移植片対宿主病〉総ビリルビン3×ULN超・5×ULN以下:3×ULN以下になるまで、1段階減量する。

      ②. 〈造血幹細胞移植後の移植片対宿主病〉総ビリルビン5×ULN超・10×ULN以下:3×ULN以下になるまで最長14日間休薬する(14日以内に3×ULN以下に回復した場合は、休薬前の用量(休薬前に当該事象により既に1段階減量している場合は、減量前の用量とする)で投与を再開してもよい、14日を過ぎても3×ULN以下に回復しない場合は、休薬前の用量(休薬前に当該事象により既に1段階減量している場合は、減量前の用量とする)から1段階減量して投与を再開する)。

      ③. 〈造血幹細胞移植後の移植片対宿主病〉総ビリルビン10×ULN超:3×ULN以下になるまで休薬し、休薬前の用量(休薬前に当該事象により既に1段階減量している場合は、減量前の用量とする)から1段階減量して投与を再開する。

    4. 〈造血幹細胞移植後の移植片対宿主病〉総ビリルビン上昇:移植片対宿主病に伴う肝病変を有する場合で総ビリルビン3×ULN超:3×ULN以下になるまで、1段階減量を継続する。

      ULN:基準値上限。

    1. 〈造血幹細胞移植後の移植片対宿主病〉治療効果が認められた場合は本剤の漸減を検討すること(本剤の漸減はステロイド投与中止後に2カ月ごとに1段階を目安とし副作用により減量する場合の1段階減量と同じ減量幅とすること)、なお、本剤の漸減中に症状が再発した場合は本剤の漸増等の適切な対応を行うこと。
    1. 〈造血幹細胞移植後の移植片対宿主病〉錠剤と液剤の生物学的同等性は示されていないため、錠剤と液剤の切替えを可能な限り避け、やむを得ず切り替える場合には、患者の状態を慎重に観察すること。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    1. 重大な副作用
  1. 1.1. 骨髄抑制:血小板減少症(33.3%)、貧血(29.9%)、好中球減少症(10.7%)、汎血球減少症(0.9%)等があらわれることがある〔8.1参照〕。

  2. 1.2. 感染症(16.7%):細菌、真菌、ウイルス又は原虫による重篤な感染症が発現又は重篤な感染症悪化(帯状疱疹が発現又は帯状疱疹悪化(1.7%)、尿路感染が発現又は尿路感染悪化(2.6%)、結核が発現又は結核悪化(0.1%)等)や日和見感染が発現又は日和見感染悪化することがあり、死亡に至った症例が報告されているので、本剤投与中及び投与終了後は患者の状態を十分に観察すること〔1.2、8.2、8.3、9.1.1-9.1.3参照〕。

  3. 1.3. 進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明):本剤投与中及び投与終了後は患者の状態を十分に観察し、意識障害、認知障害、麻痺症状(片麻痺、四肢麻痺)、言語障害等の症状があらわれた場合には、MRIによる画像診断及び脳脊髄液検査を実施するとともに、投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  4. 1.4. 出血:脳出血等の頭蓋内出血(0.1%)(初期症状:頭痛、悪心・嘔吐、意識障害、片麻痺等)、胃腸出血(1.2%)、処置後出血(0.1%)、鼻出血(1.3%)、血尿(0.7%)等があらわれることがあり、死亡に至った症例が報告されている〔8.4参照〕。

  5. 1.5. 間質性肺疾患(頻度不明)。

  6. 1.6. 肝機能障害:AST上昇(3.2%)、ALT上昇(4.9%)等を伴う肝機能障害があらわれることがあり、死亡に至った症例が報告されている〔8.5参照〕。

  7. 1.7. 心不全(0.4%)。

    1. その他の副作用
    1. 感染症:(1~5%未満)肺炎、敗血症、上咽頭炎、(1%未満)サイトメガロウイルス感染、BKウイルス感染。
    2. 血液及びリンパ系障害:(5%以上)白血球数減少。
    3. 代謝及び栄養障害:(1~5%未満)体重増加、高コレステロール血症、(1%未満)高トリグリセリド血症、体液貯留、低カルシウム血症、食欲減退。
    4. 精神障害:(1~5%未満)不眠症。
    5. 神経系障害:(1~5%未満)頭痛、浮動性めまい、(1%未満)末梢性ニューロパチー、錯感覚。
    6. 心臓障害:(1%未満)動悸。
    7. 血管障害:(1~5%未満)高血圧。
    8. 呼吸器系障害:(1~5%未満)呼吸困難、咳嗽、(1%未満)ラ音。
    9. 胃腸障害:(5%以上)下痢、(1~5%未満)悪心、腹痛、嘔吐、便秘、腹部膨満、口内炎、鼓腸、上腹部痛、(1%未満)口内乾燥、口腔内潰瘍形成、消化不良、リパーゼ上昇、アミラーゼ上昇。
    10. 肝胆道系障害:(1~5%未満)γ-GTP増加、ALP増加、血中ビリルビン増加。
    11. 皮膚及び皮下組織障害:(1~5%未満)挫傷、(1%未満)発疹、寝汗。
    12. 筋骨格系障害:(1~5%未満)筋痙縮、四肢痛、筋肉痛、関節痛、血中CK上昇、(1%未満)骨痛、背部痛。
    13. 腎及び尿路障害:(1~5%未満)血中尿素増加、血中クレアチニン上昇。
    14. 全身障害:(1~5%未満)末梢性浮腫、無力症、発熱、疲労。
    15. 臨床検査:(1%未満)APTT延長。

使用上の注意

(警告)

    1. 本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療又は造血幹細胞移植に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ行うこと。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。
    1. 本剤の投与により、結核、敗血症等の重篤な感染症が発現し、死亡に至った症例が報告されていることから、十分な観察を行うなど感染症の発症に注意すること〔8.2、9.1.1-9.1.3、11.1.2参照〕。

(禁忌)

    1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
    1. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。

(重要な基本的注意)

    1. 血小板減少症、貧血、好中球減少症があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与中は、定期的に血液検査(血球数算定、白血球分画等)を行うこと〔11.1.1参照〕。
    1. 免疫抑制作用により、細菌、真菌、ウイルス又は原虫による感染症が発現又は感染症悪化や日和見感染が発現又は日和見感染悪化することがある。肝炎ウイルス再活性化、結核再活性化等するおそれがあるので、本剤投与に先立って肝炎ウイルス、結核等の感染の有無を確認し、本剤の投与開始前に適切な処置の実施を考慮すること。本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること〔1.2、9.1.1-9.1.3、11.1.2参照〕。
    1. 帯状疱疹があらわれることがあるので、本剤の投与開始前に、患者に対して帯状疱疹の初期症状について説明し、異常が認められた場合には速やかに連絡し、適切な処置を受けるよう指導すること〔11.1.2参照〕。
    1. 出血があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に血液検査等を実施すること〔11.1.4参照〕。
    1. 肝機能障害があらわれることがあるので、本剤投与中は定期的に肝機能検査等を実施すること〔11.1.6参照〕。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

  1. 1.1. 結核の既感染者(特に結核の既往歴のある患者及び胸部レントゲン上結核治癒所見のある患者):結核を活動化させるおそれがある〔1.2、8.2、11.1.2参照〕。

  2. 1.2. 感染症(敗血症、肺炎、ウイルス感染等)を合併している患者:免疫抑制作用により病態を悪化させるおそれがある〔1.2、8.2、11.1.2参照〕。

  3. 1.3. B型肝炎ウイルスキャリアの患者又はHBs抗原陰性かつHBc抗体陽性若しくはHBs抗原陰性かつHBs抗体陽性の患者:B型肝炎ウイルス再活性化による肝炎があらわれるおそれがある〔1.2、8.2、11.1.2参照〕。

  4. 1.4. 移植片対宿主病に伴う肝病変(総ビリルビン値が正常値上限の3倍以上)を有する患者:より頻回に血球数を測定し、投与量を調節することが望ましい〔7.9参照〕。

(腎機能障害患者)

腎機能障害患者:減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること(活性代謝物の血中濃度が上昇するとの報告がある)〔16.6.1参照〕。

(肝機能障害患者)

肝機能障害患者:減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること(未変化体の血中濃度が上昇するとの報告がある)〔16.6.2参照〕。

(生殖能を有する者)

妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること〔9.5妊婦の項参照〕。

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(動物実験(ラット)において、胚毒性・胎仔毒性(着床後死亡増加、胎仔重量減少)が認められたとの報告がある)〔2.2、9.4生殖能を有する者の項参照〕。

(授乳婦)

授乳しないことが望ましい(動物実験(ラット)において、本剤及び本剤の代謝物が乳汁中に移行し、母体血漿中濃度の13倍であったとの報告がある)。

(小児等)

〈骨髄線維症、真性多血症〉小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

〈造血幹細胞移植後の移植片対宿主病〉28日齢未満の小児等を対象とした臨床試験は実施していない。また、造血幹細胞移植後の移植片対宿主病の場合、2歳未満の患者に対する本剤の用法及び用量の適切性について、臨床試験で十分な検討は行われていない〔16.6.3参照〕。

(高齢者)

患者の状態を十分に観察し、慎重に投与すること(臨床試験において、高齢者(65歳超)では、65歳以下の患者と比較して、血小板減少症、心不全等の発現が増加することが報告されている)。

(相互作用)

本剤は主として代謝酵素CYP3A4で代謝され、CYP3A4に比べて寄与率は小さいがCYP2C9によっても代謝される。また、in vitroの検討から、本剤はP-糖蛋白(P-gp)及び乳癌耐性蛋白(BCRP)を阻害する可能性が示唆されている。

  1. 2. 併用注意
    1. 強力なCYP3A4阻害剤(イトラコナゾール、リトナビル、クラリスロマイシン等)〔16.7.1参照〕[本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、CYP3A4阻害作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮するが、やむを得ず強力なCYP3A4阻害剤と本剤を併用投与する場合には、本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること(これらの薬剤の強力なCYP3A4阻害作用により、本剤の代謝が阻害されると考えられる)]。
    2. CYP3A4及びCYP2C9を阻害する薬剤(フルコナゾール等)[本剤の血中濃度が上昇するおそれがある(これらの薬剤の2つの代謝酵素(CYP3A4及びCYP2C9)の阻害作用により、本剤の代謝が阻害されると考えられる)]。
    3. CYP3A4阻害剤(エリスロマイシン、シプロフロキサシン、アタザナビル、ジルチアゼム、シメチジン等)〔16.7.2参照〕[本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、CYP3A4阻害剤と本剤を併用投与する場合には、患者の状態を慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること(これらの薬剤のCYP3A4阻害作用により、本剤の代謝が阻害されると考えられる)]。
    4. CYP3A4誘導剤(リファンピシン、フェニトイン、セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品(St.John’s Wort)等)〔16.7.3参照〕[本剤の血中濃度が低下し本剤の有効性が減弱する可能性があるので、CYP3A4誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること(これらの薬剤のCYP3A4誘導作用により、本剤の代謝が促進されると考えられる)]。

(適用上の注意)

    1. 薬剤交付時の注意

    PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。

(その他の注意)

    1. 臨床使用に基づく情報
  1. 1.1. 心血管系事象のリスク因子を有する関節リウマチ患者を対象としたJAK阻害剤トファシチニブクエン酸塩の海外臨床試験の結果、主要評価項目である主要な心血管系事象(Major Adverse Cardiovascular Events:MACE)及び悪性腫瘍(非黒色腫皮膚癌を除く)の発現率について、TNF阻害剤群に対するハザード比(95%信頼区間)はそれぞれ1.33(0.91,1.94)及び1.48(1.04,2.09)であり、95%信頼区間上限は予め設定していた非劣性マージン1.8を超え、TNF阻害剤群に対する非劣性が検証されなかったことが報告されている。また、本剤でも、国内市販後の自発報告において、心血管系事象の発現が認められている。

    1. 非臨床試験に基づく情報
  2. 2.1. イヌを用いた心血管系への影響に関する試験では、心拍数増加を伴う血圧低下が認められ、ラットを用いた呼吸機能検査では、分時換気量減少が認められた。

  3. 2.2. イヌを用いた26及び52週間反復投与毒性試験において、皮膚乳頭腫の発現が認められた。また、本剤との因果関係は明らかでないものの、本剤投与後に非黒色腫皮膚癌(基底細胞癌、扁平上皮癌、メルケル細胞癌を含む)等の悪性腫瘍(二次発がん)の発現が報告されている。

  4. 2.3. 幼若ラットを用いた毒性試験において、骨成長抑制と骨折が認められた。幼若ラットでの曝露量(AUC)は、最大推奨用量を投与した成人でのAUCの1.5倍(骨成長の抑制)、13倍(骨折)であった。

(保管上の注意)

室温保存。