塩化カルシウム注2%「NP」の添付文書
添付文書PDFファイル
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効果・効能
低カルシウム血症に起因する次記症候の改善:テタニー、テタニー関連症状。
鉛中毒症。
マグネシウム中毒症。
次記代謝性骨疾患におけるカルシウム補給:妊婦の骨軟化症・産婦の骨軟化症。
用法・用量
塩化カルシウム水和物として、0.4~1.0g(カルシウムとして7.2~18mEq)を2%(0.36mEq/mL)液として、1日1回静脈内に緩徐に(カルシウムとして毎分0.68~1.36mEq)注射する。但し、妊婦・産婦の骨軟化症に用いる場合は、経口投与不能時に限る。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
副作用
本剤は、副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
長期投与:(頻度不明)高カルシウム血症、結石症。
代謝異常:(頻度不明)アシドーシス。
消化器:(頻度不明)食欲不振、便秘等。
注射部位:(頻度不明)血管外漏出による組織炎症、組織壊死。
使用上の注意
(禁忌)
強心配糖体投与中(ジゴキシン等)の患者。
高カルシウム血症の患者[高カルシウム血症が悪化する恐れがある]。
腎結石のある患者[結石症が悪化する恐れがあり、また、腎石灰化や尿路結石を誘発する恐れがある]。
重篤な腎不全のある患者[高カルシウム血症が悪化する恐れがある]。
(慎重投与)
活性型ビタミンD製剤服用中の患者[高カルシウム血症を生じる恐れがある]。
腎不全を有する低カルシウム血症の患者[アシドーシスを促進する恐れがある]。
高カルシウム血症が現れやすい病態の患者[高カルシウム血症を生じる恐れがある]。
(重要な基本的注意)
長期投与により血中カルシウム高値及び尿中カルシウム高値になることがあるので、長期投与する場合には定期的に血中カルシウム又は尿中カルシウムを検査することが望ましい。また、高カルシウム血症が現れた場合には、投与を中止する。
静脈内注射は緩徐に(カルシウムとして毎分0.68~1.36mEq)行う[急速な静脈内注射によって動悸、徐脈、血圧変動、熱感、潮紅、発汗等が現れることがある]。
(相互作用)
併用禁忌:ジギタリス製剤(ジゴキシン等)[心停止を引き起こすことがある(カルシウムがジギタリス製剤の作用を増強する恐れがある)]。
(高齢者への投与)
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、投与速度を緩徐にし、減量するなど注意する。
(適用上の注意)
開封後直ちに使用し、残液は決して使用しない。
投与経路:静脈内注射にのみ使用する。
調製時:
- クエン酸塩を含む製剤、炭酸塩を含む製剤、リン酸塩を含む製剤、硫酸塩を含む製剤、酒石酸塩を含む製剤等と混合した場合、沈殿を生じるので混合を避ける。
- エタノールにより沈殿を生じるので、エタノールで消毒した注射器は用いない。
投与前:
- 投与に際しては、感染に対する配慮をする。
- 寒冷期には、体温程度に温めて使用する。
投与時:投与に際しては、血管外に漏出しないよう注意する。
アンプルカット時:本剤は、ワンポイントカットアンプルを使用しているので、アンプル頭部のマークを上にして反対側(下の方向)に軽く力を加えてカットする。なお、アンプルカット時の異物混入を避けるため、首部の周りをエタノール綿等で清拭する。このとき、エタノールが内容液中に混入しないよう注意する。
(取扱い上の注意)
安定性試験:最終包装製品を用いた長期保存試験[室温(1~30℃)、3年間]の結果、外観及び含量等は規格の範囲内であり、塩化カルシウム注2%「NP」は通常の市場流通下において3年間安定であることが確認された。