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ビデュリオン皮下注用2mg
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ビデュリオン皮下注用2mgの添付文書

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効果・効能

2型糖尿病(但し、食事療法・運動療法に加えてスルホニルウレア剤、ビグアナイド系薬剤及びチアゾリジン系薬剤(各薬剤単独療法又は併用療法を含む)による治療で十分な効果が得られない場合に限る)。

(効能・効果に関連する使用上の注意)

本剤は、食事・運動療法に加えてSU剤、ビグアナイド系薬剤、チアゾリジン系薬剤の各薬剤の単独療法、又はSU剤とビグアナイド系薬剤、SU剤とチアゾリジン系薬剤、ビグアナイド系薬剤とチアゾリジン系薬剤との併用療法を行っても十分な効果が得られない場合に限り適用を考慮する(SU剤:スルホニルウレア剤)。

用法・用量

エキセナチドとして、2mgを週に1回、皮下注射する。

副作用

日本人及びアジア人を対象とした第3相臨床試験[スルホニルウレア剤、ビグアナイド系薬剤及びチアゾリジン系薬剤(各薬剤単独療法又は併用療法を含む)]において、安全性評価対象818例(うち日本人患者556例)中426例(52.1%)に副作用が認められ、主なものは、注射部位硬結161例(19.7%)、悪心104例(12.7%)、嘔吐62例(7.6%)、注射部位そう痒感55例(6.7%)、便秘49例(6.0%)、下痢43例(5.3%)等であった(ビデュリオン皮下注用2mg承認時)。

  1. 重大な副作用

    1. 低血糖:低血糖症状(脱力感、高度空腹感、冷汗、顔面蒼白、動悸、振戦、頭痛、眩暈、嘔気、知覚異常等)を起こすことがある。低血糖症状が認められた場合、本剤あるいは併用している経口糖尿病用薬を一時的に中止するか、あるいは減量するなど慎重に投与する(特にスルホニルウレア剤との併用により、多く発現することが報告されている)。また、スルホニルウレア剤との併用で重篤な低血糖症状が現れ、意識消失を来す例も報告されていることから、スルホニルウレア剤と併用する場合には、スルホニルウレア剤の減量を検討する。低血糖症状が認められた場合には通常ショ糖を投与し、α-グルコシダーゼ阻害剤との併用により低血糖症状が認められた場合にはブドウ糖を投与する。
    2. 腎不全:腎不全が報告されているので、患者の状態を注意深く観察しながら投与し、特に、腎障害が知られている薬剤を使用している患者又は脱水状態に至る悪心・脱水状態に至る嘔吐・脱水状態に至る下痢等の症状のある患者において、急性腎不全、慢性腎不全悪化、クレアチニン上昇、腎機能障害が現れ透析を必要とする例が報告されているので、このような場合には本剤の投与を中止するなど適切な処置を行う。
    3. 急性膵炎(0.2%):急性膵炎が現れることがあるので、急性膵炎に特徴的な症状(嘔吐を伴う持続的な激しい腹痛等)に注意し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。また、膵炎と診断された場合には、本剤を再投与しない。非常にまれであるが、壊死性膵炎又は出血性膵炎あるいは死亡に至るなどの致命的経過をたどった症例が報告されている。
    4. アナフィラキシー反応、血管浮腫:アナフィラキシー反応、血管浮腫が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
    5. 腸閉塞:腸閉塞が現れることがあるので、観察を十分に行い、高度便秘、腹部膨満、持続する腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
  2. その他の副作用:次のような副作用が認められた場合には、症状に応じて適切な処置を行う。

    1. 精神神経系:(1~5%未満)浮動性眩暈、(1%未満)頭痛、味覚異常、傾眠。
    2. 消化器:(5%以上)悪心、下痢、嘔吐、便秘、食欲減退、(1~5%未満)消化不良、腹部不快感、腹部膨満、(1%未満)鼓腸、腹痛、逆流性食道炎、上腹部痛、胃炎、(頻度不明)おくび。
    3. 肝臓:(1%未満)肝機能異常。
    4. 腎臓:(頻度不明)血中クレアチニン増加。
    5. 代謝異常:(1%未満)体重減少、(頻度不明)脱水。
    6. 皮膚:(1%未満)発疹、皮膚そう痒症、紅斑、脱毛症、蕁麻疹、(頻度不明)全身性そう痒症、斑状皮疹、丘疹。
    7. 注射部位:(5%以上)注射部位硬結、注射部位そう痒感、(1~5%未満)*注射部位結節、注射部位紅斑、(1%未満)注射部位疼痛、注射部位出血、注射部位腫脹、(頻度不明)注射部位発疹、注射部位膿瘍、注射部位蜂巣炎[*:注射部位結節の発現は重合体マイクロスフェア(d,l-ラクチド・グリコリド共重合体)製剤による特徴として知られている。外国での臨床試験における報告では、ほとんどの結節は無症候性であり、投与の中止に至らず、4~8週間で改善した]。
    8. その他:(1%未満)疲労。

使用上の注意

(禁忌)

  1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

  2. 糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡又は糖尿病性前昏睡、1型糖尿病の患者[輸液及びインスリン製剤による速やかな高血糖の治療が必須となるので、本剤の投与は適さない]。

  3. 重症感染症、手術等の緊急の場合[インスリン製剤による血糖管理が望まれるので、本剤の投与は適さない]。

  4. 透析患者を含む重度腎機能障害のある患者[本剤の消化器系副作用により忍容性が認められていない]。

(慎重投与)

  1. 糖尿病胃不全麻痺等の重度胃腸障害のある患者[十分な使用経験がなく、これらの症状が悪化する恐れがある]。

  2. 中等度腎機能障害又は軽度腎機能障害のある患者[十分な使用経験がない]。

  3. 肝機能障害のある患者[十分な使用経験がない]。

  4. 膵炎の既往歴のある患者。

  5. 腹部手術の既往又は腸閉塞の既往のある患者[腸閉塞を起こす恐れがある]。

  6. 高齢者。

  7. 次に掲げる患者又は状態

    1. 脳下垂体機能不全又は副腎機能不全[低血糖を起こす恐れがある]。
    2. 栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量不足又は衰弱状態[低血糖を起こす恐れがある]。
    3. 激しい筋肉運動[低血糖を起こす恐れがある]。
    4. 過度のアルコール摂取者[低血糖を起こす恐れがある]。

(重要な基本的注意)

  1. 糖尿病の診断が確立した患者に対してのみ適用を考慮する。糖尿病以外にも耐糖能異常・尿糖陽性等、糖尿病類似の症状を有する疾患(腎性糖尿、甲状腺機能異常等)があることに留意する。

  2. 本剤の適用は予め糖尿病治療の基本である食事、運動療法を十分に行ったうえで、SU剤、ビグアナイド系、チアゾリジン系の各薬剤の単独療法、又はSU剤とビグアナイド系、SU剤とチアゾリジン系、ビグアナイド系とチアゾリジン系との併用療法でも効果不十分な場合に限り考慮する(SU剤:スルホニルウレア剤)。

  3. 本剤からバイエッタ皮下注に切り替える際には、本剤とバイエッタ皮下注では併用可能な薬剤が異なることに留意する。

  4. 本剤はインスリン製剤の代替薬ではないため、本剤の投与に際しては、患者のインスリン依存状態を確認し、投与の可否を判断する(インスリン依存状態の患者で、インスリン製剤からエキセナチド製剤に切り替え、急激な高血糖及び糖尿病性ケトアシドーシスが発現した症例が報告されている)。

  5. 投与する場合には、血糖、尿糖を定期的に検査し、薬剤の効果を確かめ、3~4カ月間投与して効果が不十分な場合には、適切に他の治療薬への切り替えを行う。

  6. 投与の継続中に、投与の必要がなくなる場合があり、また、患者の不養生、感染症の合併等により効果がなくなったり、不十分となる場合があるので、食事摂取量、血糖値、感染症の有無等に留意のうえ、常に投与継続の可否、薬剤の選択等に注意する。

  7. 本剤の投与を新たに開始する際には効果発現までの期間を考慮する(空腹時血糖が低下し安定するまでに約3週間かかる場合がある)。

  8. 本剤中止後も効果が持続する可能性を考慮し、本剤中止後も血糖値の変動や副作用予防、副作用発現時の処置について十分留意する(本剤は持続性製剤であるため、本剤中止後も有効血中濃度が持続する)。

  9. バイエッタ皮下注から切り替える際には一時的に血糖値が上昇することがあるので留意する(なお、一般的に血糖値は投与2週間以内に改善がみられる)。

  10. スルホニルウレア剤と併用する場合、低血糖のリスクが増加する恐れがあるので、スルホニルウレア剤による低血糖のリスクを軽減するため、スルホニルウレア剤と併用する場合には、スルホニルウレア剤の減量を検討する。

  11. 急性膵炎が発現した場合は、本剤の投与を中止し、再投与しない。急性膵炎の初期症状(嘔吐を伴う持続的な激しい腹痛等)が現れた場合は、使用を中止し、速やかに医師の診断を受けるよう指導する。

  12. 胃腸障害が発現した場合、急性膵炎の可能性を考慮し、必要に応じて画像検査等による原因精査を考慮するなど、慎重に対応する。

  13. インスリン製剤、速効型インスリン分泌促進剤、α-グルコシダーゼ阻害剤又はジペプチジルペプチダーゼ-4阻害剤との併用については、検討が行われていない。

  14. 低血糖を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときは注意する。また、患者に対し、低血糖症状及びその対処方法について十分説明する。

  15. 本剤投与中は、甲状腺関連の症候の有無を確認し、甲状腺関連の異常が認められた場合には、専門医を受診するよう指導する。

  16. 本剤の臨床試験において心拍数増加がみられている。心拍数の増加が持続的にみられた場合には患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には適切な処置を行う。

  17. 本剤の自己注射にあたっては、患者に投与法及び安全な廃棄方法の指導を行う。

    1. 本剤の自己注射にあたっては、投与法について十分な教育訓練を実施したのち、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導のもとで実施する。
    2. 本剤の自己注射にあたっては、全ての器具の安全な廃棄方法について指導を徹底する。
    3. 本剤の自己注射にあたっては、添付されている取扱説明書を必ず読むよう指導する。

(相互作用)

併用注意:

  1. 糖尿病用薬(ビグアナイド系薬剤、スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤、α-グルコシダーゼ阻害剤、チアゾリジン系薬剤、ジペプチジルペプチダーゼ-4阻害剤、インスリン製剤、SGLT2阻害剤等)[糖尿病用薬との併用時には、低血糖の発現に注意し、低血糖症状が認められた場合には、糖質を含む食品を摂取するなど適切な処置を行う(血糖降下作用が増強される)。特に、スルホニルウレア剤と併用する場合、低血糖のリスクが増加するので、スルホニルウレア剤による低血糖のリスクを軽減するため、スルホニルウレア剤の減量を検討し、低血糖症状が認められた場合には、糖質を含む食品を摂取するなど適切な処置を行う(血糖降下作用が増強される)]。

  2. 血糖降下作用が増強される薬剤(β-遮断剤、サリチル酸誘導体、モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤等)[血糖降下作用が増強されることがあるので、血糖値モニター、その他患者の状態を十分に観察しながら投与する(血糖降下作用が増強される)]。

  3. 血糖降下作用が減弱される薬剤(アドレナリン、副腎皮質ステロイド、甲状腺ホルモン等)[血糖降下作用を減弱させ血糖値が上昇してコントロール不良になることがあるので、食後の血糖上昇が加わることによる影響に十分注意し、併用時は血糖値コントロールに注意し、血糖値モニター、その他患者の状態を十分に観察しながら投与する(血糖降下作用が減弱される)]。

  4. クマリン系薬剤(経口)(ワルファリンカリウム(経口))[バイエッタ皮下注においてワルファリンのtmaxが約2時間遅延したとの報告があり、ときに出血を伴うINR増加が報告されている(エキセナチドの胃内容物排出遅延作用による)]。

  5. HMG-CoA還元酵素阻害剤(経口)[バイエッタ皮下注においてロバスタチン(国内未承認)のAUCが40%・Cmaxが28%低下し、tmaxが4時間遅延したとの報告がある(エキセナチドの胃内容物排出遅延作用による)]。

(高齢者への投与)

一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いため、患者の状態を観察しながら慎重に投与する(十分な使用経験がない)。

(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)

  1. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には本剤を投与しないで、インスリン製剤を使用する[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない、動物実験では、妊娠ウサギにエキセナチド22μg/kg/日(ヒトに本剤の2mgを1週間に1回皮下投与した場合の血漿中曝露量の49.5倍)以上又は妊娠マウスにエキセナチド68μg/kg/日(ヒトに本剤の2mgを1週間に1回皮下投与した場合の血漿中曝露量の5.4倍)以上を皮下投与した場合に、母動物体重減少及び母動物摂餌量低下に起因した胎仔発育遅延(ウサギ)、胎仔骨格への影響並びに胎仔と新生仔発育遅延(マウス)が報告されており、また、妊娠ラットに本剤0.3mg/kg(ヒトに本剤の2mgを1週間に1回皮下投与した場合の血漿中曝露量の1.7倍)以上を3日に1回皮下投与した場合、胎仔体重低下が認められたが、3mg/kg(ヒトに本剤の2mgを1週間に1回皮下投与した場合の血漿中曝露量の10.9倍)まで催奇形性は認められなかった]。

  2. 授乳婦に投与する場合には、授乳を中止させる[動物実験(授乳マウス)では、乳汁中へ移行することが報告されている]。

(小児等への投与)

低出生体重児、新生児、乳児、幼児、又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。

(過量投与)

  1. 症状:バイエッタ皮下注の外国臨床試験において1回100μg(バイエッタ皮下注の最大推奨用量の10倍)が投与された2型糖尿病患者で、重度悪心・重度嘔吐及び血糖値急激低下が報告されている。

  2. 処置:過量投与となった場合には、症状に応じた支持療法を行う。

(適用上の注意)

  1. 投与時

    1. 使用前に専用懸濁用液に濁りが無く浮遊物が無いか確認を行い、懸濁後、白色から白濁色になっているのを確認できたときのみ使用する。
    2. 本剤は専用懸濁用液と懸濁後すぐに投与する。
  2. 投与方法

    1. 専用懸濁用液及び注射針は付属のものを用いる。
    2. 投与経路:必ず皮下投与とし、静脈内、筋肉内には投与しない。
    3. 投与部位:腹部・大腿部又は上腕部に皮下投与する。同一部位に繰り返し注射することは避けることが望ましい。

(その他の注意)

  1. エキセナチド量として0.3、1.0、3.0mg/kg/回の用量で本剤を2週に1回投与したがん原性試験において、全投与群のラットで甲状腺C細胞腫瘍(腺腫及びC細胞癌の合計)の発生頻度が増加した(ヒトに本剤の2mgを週1回投与した場合の血漿中曝露量の1.1~16.2倍に相当)。

  2. 甲状腺髄様癌の既往のある患者及び甲状腺髄様癌又は多発性内分泌腫瘍症2型の家族歴のある患者に対する、本剤の安全性は確立していない。

  3. 蛋白製剤及びペプチド製剤では免疫原性を示すことが知られており、本剤投与により抗体が発現する可能性があり、高抗体価の患者で有効性が減弱する可能性が示唆されている。なお、ほとんどの患者で、抗体価の程度は時間がたつにつれて低下する。海外の臨床試験では、試験終了時点で低抗体価の患者は約45%で認められたが、血糖コントロールは抗体陰性の患者と同様であった。一方、高抗体価の患者は約5%で認められたが、各々の患者の血糖コントロールにはばらつきがあり有効性を予測できるものではなかった。また、注射部位反応は抗体陰性の患者において発現率が低く、高抗体価の患者において発現率が高い傾向が認められた。

(取扱い上の注意)

凍結を避け、2~8℃の冷蔵で遮光保存する(やむを得ず室温で保存する場合は、30℃以下で遮光して保存し、4週間以内に使用し、針詰まりが生じる恐れがあるので、30℃を超える場所で保存しない)。

(保管上の注意)

遮光、2~8℃。