処方薬
ボスミン注1mg

ボスミン注1mgの添付文書

添付文書PDFファイル

PDFファイルを開く

※添付文書のPDFファイルは随時更新しておりますが、常に最新であるとは限りません。予めご了承ください。

効果・効能

1.  **次記疾患に基づく気管支痙攣の緩解**:気管支喘息、百日咳。
1.  各種疾患もしくは状態に伴う急性低血圧またはショック時の補助治療。
1.  局所麻酔薬の作用延長。
1.  手術時の局所出血の予防と治療。
1.  心停止の補助治療。
1.  虹彩毛様体炎時における虹彩癒着の防止。

(効能又は効果に関連する注意)

〈各種疾患もしくは状態に伴う急性低血圧またはショック時の補助治療に対する使用時〉本剤は心筋酸素需要を増加させるため、心原性ショックや出血性ショック・外傷性ショック時の使用は避けること。

用法・用量

〈気管支喘息および百日咳に基づく気管支痙攣の緩解、各種疾患もしくは状態に伴う急性低血圧またはショック時の補助治療、心停止の補助治療〉

アドレナリンとして、通常成人1回0.2~1mg(0.2~1mL)を皮下注射または筋肉内注射する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

蘇生などの緊急時には、アドレナリンとして、通常成人1回0.25mg(0.25mL)を超えない量を生理食塩液などで希釈し、できるだけゆっくりと静注する。なお、必要があれば、5~15分ごとにくりかえす。

〈局所麻酔薬の作用延長〉

アドレナリンの0.1%溶液として、血管収縮薬未添加の局所麻酔薬10mLに1~2滴(アドレナリン濃度1:10~20万)の割合に添加して用いる。なお、年齢、症状により適宜増減する。

〈手術時の局所出血の予防と治療〉

アドレナリンの0.1%溶液として、単独に、または局所麻酔薬に添加し、局所注入する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

〈虹彩毛様体炎時における虹彩癒着の防止〉

アドレナリンの0.1%溶液として、点眼するかまたは結膜下に0.1mg(0.1mL)以下を注射する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    1. 重大な副作用
  1. 1.1. 肺水腫(頻度不明):初期症状として、血圧異常上昇があらわれることがある〔8.2参照〕。

  2. 1.2. 呼吸困難(頻度不明)。

  3. 1.3. 心停止(頻度不明):初期症状として、頻脈、不整脈、心悸亢進、胸内苦悶があらわれることがある〔8.2参照〕。

    1. その他の副作用
    1. 〈用法共通〉

      ①. 〈用法共通〉循環器:(頻度不明)心悸亢進、胸内苦悶、不整脈、顔面潮紅・顔面蒼白、血圧異常上昇。

      ②. 〈用法共通〉精神神経系:(頻度不明)頭痛、めまい、不安、振戦。

      ③. 〈用法共通〉過敏症:(頻度不明)過敏症状等。

      ④. 〈用法共通〉消化器:(頻度不明)悪心・嘔吐。

      ⑤. 〈用法共通〉その他:(頻度不明)熱感、発汗。

    2. 〈点眼・結膜下注射(眼領域)使用時〉その他:(頻度不明)全身症状、結膜過敏症状・眼瞼過敏症状・目のまわりの過敏症状等の過敏症状、結膜充血、眼痛、*眼瞼色素沈着・*結膜色素沈着[*:点眼・結膜下注射の長期連用時]、*※鼻涙管色素沈着による*※鼻涙管閉鎖[*:点眼・結膜下注射の長期連用時、※:涙道洗浄により取り除くことができる]、*角膜色素沈着[*:点眼・結膜下注射の長期連用時]、※※黄斑部浮腫、※※微少出血、※※血管痙攣[※※:無水晶体眼患者への点眼・結膜下注射の連用時]。

使用上の注意

(禁忌)

    1. 〈用法共通〉ブチロフェノン系・フェノチアジン系等の抗精神病薬投与中、α遮断薬投与中の患者(ただし、アナフィラキシーショックの救急治療時はこの限りでない)〔10.1参照〕。
    1. 〈用法共通〉イソプレナリン塩酸塩、ノルアドレナリン等のカテコールアミン製剤投与中、アドレナリン作動薬投与中の患者(ただし、蘇生等の緊急時はこの限りでない)〔10.1参照〕。
    1. 〈点眼・結膜下注射(眼領域)使用時〉狭隅角や前房が浅いなど眼圧上昇素因のある患者[閉塞隅角緑内障患者の発作を誘発することがある]〔8.5参照〕。

(重要な基本的注意)

    1. 〈用法共通〉本剤はアドレナリン受容体作動薬として、α受容体、β受容体それぞれに作用し、その作用は投与量、投与方法等に影響を受けやすいので注意すること。
    1. 〈用法共通〉過度の昇圧反応を起こすことがあり、急性肺水腫、不整脈、心停止等を起こすおそれがあるので、過量投与にならないよう注意すること〔11.1.1、11.1.3参照〕。
    1. 〈各種疾患もしくは状態に伴う急性低血圧またはショック時の補助治療に対する使用時〉本剤はアナフィラキシーショックの救急治療の第一次選択剤であり、ショック時の循環動態を改善するが、その循環動態はショックを起こした原因及び病期により異なることがあるので、治療に際し本剤の選択、使用時期には十分注意すること。
    1. 〈各種疾患もしくは状態に伴う急性低血圧またはショック時の補助治療に対する使用時〉本剤には昇圧作用のほか血管収縮、気管支拡張作用等もあるので、ショックの初期治療後は他の昇圧薬を用いること。
    1. 〈点眼・結膜下注射(眼領域)使用時〉隅角の所見が未確定のまま投与しないこと(また、全身症状があらわれた場合には、投与を中止すること)〔2.3参照〕。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

  1. 1.1. 次の患者には治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと。 1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。 1. 交感神経作動薬に対し過敏反応を示す患者:アドレナリン受容体が本剤に対し高い感受性を示すおそれがある。 1. 動脈硬化症の患者:本剤の血管収縮作用により、閉塞性血管障害が促進され、冠動脈攣縮や脳血管攣縮等及び冠動脈の基質的閉塞や脳血管の基質的閉塞等があらわれるおそれがある。 1. 甲状腺機能亢進症の患者:頻脈、心房細動がみられることがあり、本剤の投与により悪化するおそれがある。 1. 糖尿病の患者:肝におけるグリコーゲン分解の促進や、インスリン分泌の抑制により、高血糖を招くおそれがある。 1. 心室性頻拍等の重症不整脈のある患者:本剤のβ刺激作用により、不整脈を悪化させるおそれがある。 1. 精神神経症の患者:一般に交感神経作動薬の中枢神経系の副作用として情緒不安、不眠、錯乱、易刺激性及び精神病的状態等があるので悪化するおそれがある。 1. コカイン中毒の患者:コカインは、交感神経末端でのカテコールアミンの再取り込みを阻害するので、本剤の作用が増強されるおそれがある。

  2. 1.2. 高血圧の患者:本剤の血管収縮作用により、急激な血圧上昇があらわれるおそれがある。

  3. 1.3. 肺気腫のある患者:肺循環障害を増悪させ、右心系への負荷が過重となり、右心不全に陥るおそれがある。

  4. 1.4. 心疾患のある患者:本剤のβ刺激作用により、心疾患を悪化させるおそれがある。

  5. 1.5. 脊椎麻酔を行う患者:局所麻酔薬に添加して用いる場合、脊髄への血液供給を妨げるおそれがある。

  6. 1.6. 全身性血行障害又は末梢性血行障害のある患者、複数の指趾への同時投与を予定している患者:リドカイン注射液に添加して耳又は指趾へ投与する場合には、投与の可否を慎重に検討し、投与する場合は、必要に応じて減量等を行うこと(壊死状態になるおそれがある)、リドカイン注射液に添加して複数の指趾への同時投与を予定している患者の指趾へ投与する場合には、投与の可否を慎重に検討し、投与する場合は、必要に応じて減量等を行うこと(壊死状態になるおそれがある)〔14.1.5参照〕。

(妊婦)

妊婦、妊娠している可能性のある女性又は産婦には投与しないことが望ましい(胎児の酸素欠乏をもたらしたり、分娩第二期を遅延するおそれがある)。

(授乳婦)

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

(小児等)

  1. 7.1. 少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(小児等を対象とした臨床試験は実施していない)。

  2. 7.2. リドカイン注射液に添加して耳又は指趾へ投与する場合には、投与の可否を慎重に検討し、投与する場合は、必要に応じて減量等を行うこと(壊死状態になるおそれがある)〔14.1.5参照〕。

(高齢者)

少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(本剤の作用に対する感受性が高いことがある)。

(相互作用)

    1. 併用禁忌
    1. 抗精神病薬(ブチロフェノン系薬剤(セレネース、トロペロン等)、フェノチアジン系薬剤(ウインタミン等)、イミノジベンジル系薬剤(クレミン等)、ゾテピン(ロドピン)、セロトニン・ドパミン拮抗薬(リスパダール等)、多元受容体標的化抗精神病薬(セロクエル等)、ドパミン受容体部分作動薬(エビリファイ))、α遮断薬〔2.1参照〕[本剤の昇圧作用の反転により低血圧があらわれることがあるので、アナフィラキシーショックの救急治療時以外には併用しないこと(これらの薬剤のα遮断作用により、本剤のβ刺激作用が優位になると考えられている)]。
    2. カテコールアミン製剤(イソプレナリン塩酸塩(プロタノール等)、ノルアドレナリン(ノルアドリナリン)等)、アドレナリン作動薬(メチルフェニデート以外)(β刺激薬(ベネトリン等)、エフェドリン(エフェドリン)、メチルエフェドリン(メチエフ等)等)〔2.2参照〕[不整脈、場合により心停止があらわれることがあるので、蘇生等の緊急時以外には併用しないこと(これらの薬剤のβ刺激作用により、交感神経興奮作用が増強すると考えられている)]。
    1. 併用注意
    1. ハロゲン含有吸入麻酔薬(ハロタン、イソフルラン、セボフルラン、デスフルラン)[頻脈・心室細動発現の危険性が増大する(これらの薬剤により、心筋のカテコールアミン感受性が亢進すると考えられている)]。

      ①. ハロタン麻酔中のヒトの50%に心室性期外収縮を誘発するアドレナリン量(粘膜下投与)は2.1μg/kgと報告されている。この量は60kgのヒトの場合、20万倍希釈アドレナリン含有溶液25mLに相当する。

      ②. イソフルラン麻酔中のヒトの50%に心室性期外収縮を誘発するアドレナリン量(粘膜下投与)は6.7μg/kgと報告されている。この量は60kgのヒトの場合、20万倍希釈アドレナリン含有溶液80mLに相当する。

      ③. セボフルラン麻酔中、5μg/kg未満のアドレナリンを粘膜下に投与しても3回以上持続する心室性期外収縮は誘発されなかったが、5μg/kg~14.9μg/kgのアドレナリンを投与した場合、1/3の症例に3回以上持続する心室性期外収縮が誘発された。アドレナリン5μg/kgは、60kgのヒトの場合、20万倍希釈アドレナリン含有溶液60mLに相当する。

      ④. デスフルラン麻酔中、7.0μg/kg未満のアドレナリンを粘膜下に投与しても3回以上持続する心室性期外収縮は誘発されなかったが、7.0μg/kg~13.0μg/kgのアドレナリンを投与した場合、50%(6/12例)の症例に3回以上持続する心室性期外収縮が誘発された。アドレナリン7.0μg/kgは、60kgのヒトの場合、20万倍希釈アドレナリン含有溶液84mLに相当する。

    2. モノアミン酸化酵素阻害薬[本剤の作用が増強され血圧の異常上昇をきたすことがある(本剤の代謝酵素を阻害することにより、カテコールアミン感受性が亢進すると考えられている)]。

    3. 三環系抗うつ薬(イミプラミン、アミトリプチリン等)、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)(ミルナシプラン等)、その他の抗うつ薬(マプロチリン等)、メチルフェニデート[本剤の作用が増強され血圧の異常上昇をきたすことがある(アドレナリン作動性神経終末でのカテコールアミンの再取り込みを遮断し、受容体でのカテコールアミン濃度を上昇させると考えられている)]。

    4. 分娩促進薬(オキシトシン等)、バッカクアルカロイド類(エルゴタミン等)[本剤の作用が増強され血圧の異常上昇をきたすことがある(これらの薬剤の血管平滑筋収縮作用により、血圧上昇作用を増強すると考えられている)]。

    5. ジギタリス製剤[異所性不整脈があらわれることがある(ともに異所性刺激能を有し、不整脈発現の可能性が高くなると考えられている)]。

    6. キニジン[心室細動があらわれることがある(相互に心筋に対する作用を増強すると考えられている)]。

    7. 甲状腺製剤(チロキシン等)[冠不全発作があらわれることがある(甲状腺ホルモンは心筋のβ受容体を増加させるため、カテコールアミン感受性が亢進すると考えられている)]。

    8. 非選択性β遮断薬

      ①. 非選択性β遮断薬(プロプラノロール、カルベジロール等)[相互の薬剤の効果が減弱する(これらの薬剤のβ遮断作用により本剤の作用が抑制され、また、本剤のβ刺激作用により、これらの薬剤の作用が抑制される)]。

      ②. 非選択性β遮断薬(プロプラノロール、カルベジロール等)[血圧上昇、徐脈があらわれることがある(これらの薬剤のβ遮断作用により、本剤のα刺激作用が優位になると考えられている)]。

    9. 血糖降下薬(インスリン等)[血糖降下薬の作用を減弱させることがある(本剤の血糖上昇作用によると考えられている)]。

    10. ブロモクリプチン[血圧上昇、頭痛、痙攣等があらわれることがある(機序は明らかではないが、本剤の血管収縮作用、血圧上昇作用に影響を及ぼすと考えられている)]。

    11. 利尿剤(チアジド系利尿剤(トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジド等)、チアジド系類似剤(インダパミド等)、ループ利尿剤(フロセミド等)、カリウム保持性利尿剤(スピロノラクトン))[本剤の作用が減弱することがあるので、手術前の患者に使用する場合、利尿剤の一時休薬等を行うこと(本剤の血管反応性を低下させることがある)]。

(過量投与)

    1. 症状
  1. 1.1. 過量投与時、ときに心室細動、脳出血等があらわれることがある(またアドレナリン受容体感受性の高い患者では、特に注意すること)。

  2. 1.2. 過量投与時、腎血管の異常収縮により、腎機能停止するおそれがある。

  3. 1.3. 過量投与時、血中の乳酸濃度が上昇し、重篤な代謝性アシドーシスがあらわれるおそれがある。

(適用上の注意)

    1. 薬剤投与時の注意
  1. 1.1. 〈静脈内注射時〉本剤にて心肺蘇生時、炭酸水素ナトリウムとの混注は避けること。

  2. 1.2. 〈静脈内注射時〉血圧異常上昇をきたさないよう慎重に投与すること。

  3. 1.3. 〈点滴静注時〉大量の注射液が血管外に漏出した場合、局所の虚血性壊死があらわれることがある。

  4. 1.4. 〈局所麻酔薬添加時〉リドカイン注射液以外の局所麻酔薬に添加して用いる場合には耳・指趾又は陰茎に投与しないこと。

  5. 1.5. 〈局所麻酔薬添加時〉リドカイン注射液に添加して用いる場合には、次の点に注意すること。

    ・ 〈局所麻酔薬添加時〉リドカイン注射液に添加して用いる場合には陰茎には投与しないこと。

    ・ 〈局所麻酔薬添加時〉全身性血行障害又は末梢性血行障害のある患者、及び小児において、リドカイン注射液に添加して耳又は指趾へ投与する場合は壊死状態になるおそれがあるため、投与の可否を慎重に検討すること、リドカイン注射液に添加して複数の指趾への同時投与を予定している患者において、指趾へ投与する場合は壊死状態になるおそれがあるため、投与の可否を慎重に検討すること〔9.1.6、9.7.2参照〕。

  6. 1.6. 〈筋肉内注射時〉筋肉内注射時、組織・神経等への影響を避けるため次の点に注意すること。

    ・ 〈筋肉内注射時〉注射部位については、筋肉内注射時神経走行部位を避けて慎重に投与すること。

    ・ 〈筋肉内注射時〉筋肉内注射時、繰り返し注射する場合には、左右交互に注射するなど、筋肉内注射時同一部位を避けること。なお、小児等には特に注意すること。

    ・ 〈筋肉内注射時〉注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は、直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。

  7. 1.7. 〈点眼時〉点眼時、原則として横臥位をとり、患眼を開瞼して結膜嚢内に点眼し、1~5分間閉瞼して涙嚢部を圧迫させた後、開瞼すること。

(取扱い上の注意)

外箱開封後は遮光して保存すること。

(保管上の注意)

室温保存。