処方薬
スマトリプタン錠50mg「DK」
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スマトリプタン錠50mg「DK」の添付文書

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効果・効能

片頭痛(家族性片麻痺性・孤発性片麻痺性・脳底型・眼筋麻痺性片頭痛を除く)。

(効能・効果に関連する使用上の注意)

  1. 本剤は国際頭痛学会による片頭痛診断基準により「前兆のない片頭痛」あるいは「前兆のある片頭痛」と確定診断が行われた場合にのみ投与する。特に次のような患者は、クモ膜下出血等の脳血管障害や他の原因による頭痛の可能性があるので、本剤投与前に問診、診察、検査を十分に行い、頭痛の原因を確認してから投与する。

    1. 今までに片頭痛と診断が確定したことのない患者は、クモ膜下出血等の脳血管障害や他の原因による頭痛の可能性があるので、本剤投与前に問診、診察、検査を十分に行い、頭痛の原因を確認してから投与する。
    2. 片頭痛と診断されたことはあるが、片頭痛の症状や経過とは異なる頭痛・随伴症状のある者はクモ膜下出血等の脳血管障害や他の原因による頭痛の可能性があるので投与前に問診、診察、検査を十分に行い頭痛の原因を確認してから投与する。
  2. 家族性片麻痺性片頭痛、孤発性片麻痺性片頭痛、脳底型片頭痛あるいは眼筋麻痺性片頭痛の患者には投与しない。

用法・用量

スマトリプタンとして1回50mgを片頭痛の頭痛発現時に経口投与する。なお、効果が不十分な場合には、追加投与をすることができるが、前回の投与から2時間以上あける。また、50mgの経口投与で効果が不十分であった場合には、次回片頭痛発現時から100mgを経口投与することができる。但し、1日の総投与量を200mg以内とする。

(用法・用量に関連する使用上の注意)

  1. 本剤は頭痛発現時にのみ使用し、予防的には使用しない。

  2. 本剤投与により全く効果が認められない場合は、その発作に対して追加投与をしない(このような場合は、再検査の上、頭痛の原因を確認する)。

  3. スマトリプタン製剤を組み合わせて使用する場合には少なくとも次の間隔をあけて投与する。

    1. スマトリプタン錠剤投与後にスマトリプタン注射液あるいはスマトリプタン点鼻液を追加投与する場合には少なくとも2時間以上の間隔をあけて投与する。
    2. スマトリプタン注射液投与後にスマトリプタン錠剤を追加投与する場合には少なくとも1時間以上の間隔をあけて投与する。
    3. スマトリプタン点鼻液投与後にスマトリプタン錠剤を追加投与する場合には少なくとも2時間以上の間隔をあけて投与する。

副作用

本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。

  1. 重大な副作用(頻度不明)

    1. アナフィラキシーショック、アナフィラキシーがまれに現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行う。
    2. 不整脈、狭心症あるいは心筋梗塞を含む虚血性心疾患様症状をおこすことがまれにあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し適切な処置を行う。
    3. てんかん様発作をおこすことがまれにあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し適切な処置を行う。
    4. 薬剤の使用過多による頭痛が現れることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行う。
  2. その他の副作用(頻度不明)

    1. 過敏症:蕁麻疹、発疹等の皮膚症状[このような場合には投与を中止する]。
    2. 呼吸器:呼吸困難。
    3. 循環器:動悸、一過性血圧上昇、頻脈、レイノー現象、徐脈、低血圧。
    4. 消化器:悪心、嘔吐、虚血性大腸炎。
    5. :一過性視力低下、暗点、ちらつき、複視、眼振、視野狭窄。
    6. 精神神経系:眠気、眩暈、感覚障害(錯感覚、しびれなどの感覚鈍麻等)、振戦、ジストニア。
    7. 肝臓:肝機能障害。
    8. その他:*痛み、倦怠感、*圧迫感、*ひっ迫感、*熱感、*重感、*冷感[*:これらの症状は通常一過性であるが、ときに激しい場合があり、胸部、咽喉頭部を含む身体各部でおこる可能性がある、また、痛みは頭痛、筋肉痛、関節痛、背部痛、頚部痛等を含む]、脱力感、潮紅。

使用上の注意

(禁忌)

  1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。

  2. 心筋梗塞の既往歴のある患者、虚血性心疾患又はその症状・兆候のある患者、異型狭心症(冠動脈攣縮)のある患者[不整脈、狭心症、心筋梗塞を含む重篤な虚血性心疾患様症状が現れることがある]。

  3. 脳血管障害や一過性脳虚血性発作の既往のある患者[脳血管障害や一過性脳虚血性発作が現れることがある]。

  4. 末梢血管障害を有する患者[症状を悪化させる可能性が考えられる]。

  5. コントロールされていない高血圧症の患者[一過性の血圧上昇を引き起こすことがある]。

  6. 重篤な肝機能障害を有する患者[本剤は主に肝臓で代謝されるので、重篤な肝機能障害患者では血中濃度が上昇する恐れがある]。

  7. エルゴタミン投与中、エルゴタミン誘導体含有製剤投与中、あるいは他の5-HT1B/1D受容体作動薬投与中の患者。

  8. モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAO阻害剤)投与中、あるいはモノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAO阻害剤)投与中止2週間以内の患者。

(慎重投与)

  1. 虚血性心疾患の可能性のある患者(例えば、虚血性心疾患を疑わせる重篤な不整脈のある患者、閉経後の女性、40歳以上の男性、冠動脈疾患の危険因子を有する患者)[不整脈、狭心症、心筋梗塞を含む重篤な虚血性心疾患様症状が現れる恐れがある]。

  2. てんかん様発作の既往歴のある患者あるいはてんかん様発作発現を来す危険因子のある患者(脳炎等の脳疾患のある患者、痙攣閾値を低下させる薬剤使用中の患者等)[てんかん様発作が発現したとの報告がある]。

  3. 肝機能障害のある患者[本剤は主に肝臓で代謝されるので、重篤な肝機能障害患者では血中濃度が上昇する恐れがある]。

  4. 腎機能障害のある患者[本剤は腎臓を介して排泄されるので、重篤な腎機能障害患者では血中濃度が上昇する恐れがある]。

  5. 高齢者。

  6. スルホンアミド系薬剤に過敏症の既往歴のある患者[本剤はスルホンアミド基を有するため、交叉過敏症(皮膚の過敏症からアナフィラキシーまで)が現れる可能性がある]。

  7. コントロールされている高血圧症患者[一過性の血圧上昇や末梢血管抵抗の上昇が少数の患者でみられたとの報告がある]。

  8. 脳血管障害の可能性のある患者[脳血管障害が現れる恐れがある]。

(重要な基本的注意)

  1. 本剤投与後、一過性胸痛、一過性胸部圧迫感等の症状(強度で咽喉頭部に及ぶ場合がある)が現れることがあるので、このような症状が虚血性心疾患によると思われる場合には、以後の投与を中止し、虚血性心疾患の有無を調べるための適切な検査を行う。

  2. 心血管系の疾患が認められない患者においても、重篤な心疾患が極めてまれに発生することがあるので、このような場合は以後の投与を中止し、適切な処置を行う。

  3. 片頭痛あるいは本剤投与により眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械操作に従事させないよう十分注意する。

  4. 本剤を含むトリプタン系薬剤により、頭痛が悪化することがあるので、頭痛の改善を認めない場合には、「薬剤の使用過多による頭痛」の可能性を考慮し、投与を中止するなど、適切な処置を行う。

(相互作用)

本剤は、主としてモノアミンオキシダーゼ(MAO)で代謝される。

  1. 併用禁忌

    1. エルゴタミン(エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン(クリアミン))、エルゴタミン誘導体含有製剤(ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩(ジヒデルゴット)、エルゴメトリンマレイン酸塩(エルゴメトリンF)、メチルエルゴメトリンマレイン酸塩(メテルギン))[血圧上昇又は血管攣縮が増強される恐れがあるので、本剤投与後にエルゴタミンあるいはエルゴタミン誘導体含有製剤を投与する場合、もしくはその逆の場合は、それぞれ24時間以上の間隔をあけて投与する(5-HT1B/1D受容体作動薬との薬理的相加作用により、相互に作用(血管収縮作用)を増強させる)]。
    2. 5-HT1B/1D受容体作動薬(ゾルミトリプタン(ゾーミッグ)、エレトリプタン臭化水素酸塩(レルパックス)、リザトリプタン安息香酸塩(マクサルト)、ナラトリプタン塩酸塩(アマージ))[血圧上昇又は血管攣縮が増強される恐れがあるので、本剤投与後に他の5-HT1B/1D受容体作動型の片頭痛薬を投与する場合、もしくはその逆の場合は、それぞれ24時間以内に投与しない(併用により相互に作用を増強させる)]。
    3. MAO阻害剤[本剤の消失半減期(t1/2)が延長し、本剤の血中濃度-時間曲線下面積(AUC)が増加する恐れがあるので、MAO阻害剤を投与中あるいは投与中止2週間以内の患者には本剤を投与しない(MAO阻害剤により本剤の代謝が阻害され、本剤の作用が増強される可能性が考えられる)]。
  2. 併用注意

    1. 選択的セロトニン再取り込み阻害薬(フルボキサミンマレイン酸塩、パロキセチン塩酸塩水和物、セルトラリン塩酸塩)、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(ミルナシプラン塩酸塩、デュロキセチン塩酸塩)[セロトニン症候群(不安、焦燥、興奮、頻脈、発熱、反射亢進、協調運動障害、下痢等)が現れることがある(セロトニンの再取り込みを阻害し、セロトニン濃度を上昇させるため、本剤との併用により、セロトニン作用が増強する可能性が考えられる)]。
    2. 痙攣の閾値を低下させる薬剤[てんかん様発作がおこることがある(痙攣の閾値を低下させる可能性がある)]。

(高齢者への投与)

本剤は主として肝臓で代謝され、腎臓で排泄されるが、高齢者では肝機能あるいは腎機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続する恐れがあるので慎重に投与する。

(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)

  1. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない]。

  2. 授乳中の婦人には本剤投与後12時間は授乳を避けさせる[皮下投与後にヒト母乳中へ移行することが認められている]。

(小児等への投与)

小児等に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。

(過量投与)

本剤の消失半減期は約2時間であり、過量投与時には、少なくとも12時間、あるいは症状・徴候が持続する限り患者をモニターする。本剤に特異的な解毒薬はないので、過量投与時の重症中毒の場合、気道の確保・維持、適度の酸素負荷・換気、循環器系のモニタリング、対症療法を含む集中治療が望ましい(なお、血液透析・腹膜透析の効果は不明である)。

(適用上の注意)

薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。

(取扱い上の注意)

安定性試験:最終包装製品を用いた加速試験(40℃、相対湿度75%、6カ月)の結果、本剤は通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。

(参考)

(国際頭痛学会による片頭痛の分類*)

  1. 1:前兆のない片頭痛

  2. 2:前兆のある片頭痛

  3. 2.1:典型的前兆に片頭痛を伴うもの

  4. 2.2:典型的前兆に非片頭痛様の頭痛を伴うもの

  5. 2.3:典型的前兆のみで頭痛を伴わないもの

  6. 2.4:家族性片麻痺性片頭痛

  7. 2.5:孤発性片麻痺性片頭痛

  8. 2.6:脳底型片頭痛

  9. 3:小児周期性症候群(片頭痛に移行することが多いもの)

  10. 3.1:周期性嘔吐症

  11. 3.2:腹部片頭痛

  12. 3.3:小児良性発作性眩暈

  13. 4:網膜片頭痛

  14. 5:片頭痛の合併症

  15. 5.1:慢性片頭痛

  16. 5.2:片頭痛発作重積

  17. 5.3:遷延性前兆で脳梗塞を伴わないもの

  18. 5.4:片頭痛性脳梗塞

  19. 5.5:片頭痛により誘発される痙攣

  20. 6:片頭痛の疑い

  21. 6.1:前兆のない片頭痛の疑い

  22. 6.2:前兆のある片頭痛の疑い

  23. 6.5:慢性片頭痛の疑い

(国際頭痛学会による片頭痛診断基準*)

***(1.1:前兆のない片頭痛)*

  1. 2~4を満たす頭痛発作が5回以上ある。

  2. 頭痛の持続時間は4~72時間(未治療もしくは治療が無効の場合)。

  3. 頭痛は次の特徴の少なくとも2項目を満たす。

    1. 片側性
    2. 拍動性
    3. 中等度~重度の頭痛
    4. 日常的な動作(歩行や階段昇降などの)により頭痛が増悪する、あるいは頭痛のために日常的な動作を避ける。
  4. 頭痛発作中に少なくとも次の1項目を満たす。

    1. 悪心又は嘔吐(あるいはその両方)
    2. 光過敏及び音過敏
  5. その他の疾患によらない。

***(1.2:前兆のある片頭痛)*

  1. 2を満たす頭痛が2回以上ある。

  2. 片頭痛の前兆がサブフォーム1.2.1~1.2.6のいずれかの診断基準項目2)及び3)を満たす。

  3. 2.1:典型的前兆に片頭痛を伴うもの

    1. 2)~4)を満たす頭痛発作が2回以上ある。
    2. 少なくとも次の1項目を満たす前兆があるが、運動麻痺(脱力)は伴わない。
      1. 陽性徴候(例えばきらきらした光・点・線)及び・又は陰性徴候(視覚消失)を含む完全可逆性の視覚症状。
      2. 陽性徴候(チクチク感)及び・又は陰性徴候(感覚鈍麻)を含む完全可逆性の感覚症状。
      3. 完全可逆性の失語性言語障害。
    3. 少なくとも次の2項目を満たす。
      1. 同名性の視覚症状又は片側性の感覚症状(あるいはその両方)。
      2. 少なくとも1つの前兆は5分以上かけて徐々に進展するか及び・又は異なる複数の前兆が引き続き5分以上かけて進展する。
      3. それぞれの前兆の持続時間は5分以上60分以内。
    4. (1.1:前兆のない片頭痛)の診断基準2~4を満たす頭痛が、前兆の出現中もしくは前兆後60分以内に生じる。
    5. その他の疾患によらない。
  4. 2.2:典型的前兆に非片頭痛様の頭痛を伴うもの

    次記を除き1.2.1と同じ。

    1. (1.1:前兆のない片頭痛)の2~4を満たさない頭痛が、前兆の出現中もしくは前兆後60分以内に生じる。
  5. その他の疾患によらない。

  6. 2.3~1.2.6の診断基準については省略した。

    :国際頭痛分類 第2版(ICHD-2):日本頭痛学会(新国際分類普及委員会)・厚生労働科学研究(慢性頭痛の診療ガイドラインに関する研究班)共訳より抜粋。

(保管上の注意)

気密容器。