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イノバン注0.6%シリンジ
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イノバン注0.6%シリンジの添付文書

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効果・効能

  1. 急性循環不全(心原性ショック、出血性ショック)。

  2. 次記のような急性循環不全状態に使用する。

    1. 無尿、乏尿や利尿剤で利尿が得られない急性循環不全状態。
    2. 脈拍数の増加した急性循環不全状態。
    3. 他の強心・昇圧剤により副作用が認められたり、好ましい反応が得られない急性循環不全状態。

用法・用量

ドパミン塩酸塩として1分間あたり1~5μg/kgを持続静脈投与し、患者の病態に応じ20μg/kgまで増量することができる。投与量は患者の血圧、脈拍数及び尿量により適宜増減する。

副作用

[イノバン注(2%ドパミン塩酸塩製剤:1977年6月承認)による]

承認時及び1981年3月までの副作用頻度調査において、2,389例中副作用の発現例は240例(発現率10.0%)で254件であった。主な副作用は、不整脈201件(8.4%)、四肢冷感12件(0.5%)、嘔吐11件(0.5%)等であった。

  1. 重大な副作用

    1. 麻痺性イレウス(0.08%)が現れることがある。
    2. 末梢血管の収縮により四肢冷感(0.5%)等の末梢虚血が起こり、壊疽を生じることもあるので、四肢の色や温度を十分に観察し、変化が現れた場合には投与を中止し、必要があればα-遮断剤を静脈内投与する。
  2. その他の副作用:次記のような副作用が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量・休薬等の適切な処置を行う。

    1. 循環器:(5%以上)不整脈(心室性期外収縮、心房細動、心室性頻拍等)[不整脈が発現した場合には、抗不整脈剤を投与するか本剤の投与を中止する]、(0.1~5%未満)動悸、(頻度不明)頻脈。
    2. 消化器:(0.1~5%未満)嘔気、嘔吐、腹部膨満、腹痛。
    3. その他:(0.1%未満)静脈炎、注射部位の変性壊死、起毛。

使用上の注意

(禁忌)

褐色細胞腫[カテコールアミンを過剰に産生する腫瘍であるため、症状が悪化する恐れがある]。

(慎重投与)

  1. 末梢血管障害のある患者(糖尿病、アルコール中毒、凍傷、動脈硬化症、レイノー症候群、バージャー病等)[末梢血管収縮作用により症状が悪化する恐れがある]。

  2. 未治療の頻脈性不整脈又は心室細動の患者[陽性変時作用により症状が悪化する恐れがある]。

  3. 擬糖尿病及び糖尿病の患者[ブドウ糖含有製剤のため、血糖値が上昇する恐れがある]。

(重要な基本的注意)

  1. それぞれのショック状態において必要に応じ最初に輸液、輸血、呼吸管理、ステロイド投与等の処置を考慮する。

  2. 血圧、脈拍数及び尿量等、患者の状態を観察しながら投与する。

  3. 大量投与したとき、脈拍数の増加がみられた場合や尿量の増加がみられない場合には本剤を減量するか中止する。

  4. 本剤はブドウ糖を含んでいるので、ブドウ糖の投与が好ましくない患者には他の希釈剤で希釈したドパミン塩酸塩を使用する。

  5. 新生児の重篤な心疾患・乳幼児の重篤な心疾患・老人の重篤な心疾患等の重篤な心疾患患者に使用する場合には水分摂取量が過剰にならないように十分注意して投与し、また、必要に応じ高濃度製剤(2%ドパミン塩酸塩製剤)を適切な濃度に希釈して使用することも考慮する。

(相互作用)

併用注意:

  1. フェノチアジン誘導体(プロクロルペラジン等)、ブチロフェノン誘導体(ドロペリドール等)[本剤の腎動脈血流増加等の作用が減弱することがある(併用薬剤はドパミン受容体遮断作用を有する)]。

  2. モノアミン酸化酵素阻害剤[本剤の作用が増強かつ延長することがある(本剤の代謝が阻害される)]。

  3. ハロゲン化炭化水素系麻酔剤(ハロタン等)[頻脈・心室細動等の不整脈を起こす恐れがある(併用麻酔剤により、本剤の感受性が高まる)]。

(高齢者への投与)

高齢者では、生理機能が低下していることが多く、副作用が現れやすいので、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与する。

(妊婦・産婦・授乳婦等への投与)

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない]。

(過量投与)

誤って過量投与した場合には、患者の状態が安定するまで投与速度を落とすか一時的に投与を中止し、必要な場合にはα-遮断剤の投与等適切な処置を行う。

(適用上の注意)

  1. 投与時

    1. ブリスター包装開封後は速やかに使用する。
    2. 血管外へ漏れた場合、注射部位を中心に硬結、又は壊死を起こすことがあるので、できるだけ太い静脈を確保するなど慎重に投与する。
    3. 他の薬剤を混注して使用しない。
  2. 投与方法

    1. 本剤はシリンジポンプを用いて投与する(針をつけて直接投与しない)。
    2. 本剤をシリンジポンプにセットするに際し、本シリンジが使用可能な設定であることを必ず確認する。
    3. 携帯型ディスポーザブル注入ポンプは流量精度が不十分なため使用しない。

(取扱い上の注意)

  1. 投与前の注意

    1. 本シリンジの使用にあたっては、適合するシリンジポンプを使用する。
    2. シリンジが破損する恐れがあるため、強い衝撃を避ける。
    3. 本剤は空気遮断性の高い包装内に脱酸素剤を入れて安定性を保持しているので、包装フィルム表面に減圧によるへこみがない場合は、使用しない。
    4. ブリスター包装は使用時まで開封しない。
    5. ブリスター包装は開封口から静かに開ける。
    6. 内容液が漏れている場合や、内容液に変色、混濁や浮遊物等の異常が認められるときは使用しない。
    7. シリンジに破損等の異常が認められるときは使用しない。
  2. 投与時の注意

    1. 外筒を強く握らない[液漏れする可能性がある]。
    2. 押子を時計回りに回し、しっかりと接続する(カチッという音がしたら、接続完了である)[押子の接続が適切でない場合、“サイフォニング(自然落下による急速注入)”や“逆流”が起こる恐れがある]。
    3. シリンジポンプにセットする前に、ガスケットに歪みがないか、ガスケットと押子接続用部品の間に緩みや隙間がないか確認する[これらが適切でない場合、エアー混入、液漏れやシリンジポンプの残量警報が発報しない恐れがある]。
    4. シリンジポンプにセットする前に、十分注意して外筒内のエアーを抜き取った後、シリンジ先端と、注入ラインの接合部をしっかりと装着・ロックする[不十分な場合、接合部位のはずれ、接合部位からの液漏れや注入ライン内へのエアー混入が起こることがある]。
    5. 他の医療機器(三方活栓等)と嵌合する場合は、過度な締め付けをしない[シリンジ先端に破損、空回りが生じ、液漏れ、エアー混入を引き起こす可能性がある]。
    6. シリンジ内に極端な陰圧がかかる状態で使用しない[ガスケットから押子接続用部品、押子接続用部品から押子が外れ、急速注入されることがある]。
    7. シリンジポンプのスライダーのフックに確実にセットする[正しくセットされていない場合、“サイフォニング”や“逆流”が起こる恐れがある]。
    8. シリンジポンプにセットした後、患者に静脈針を穿刺する前には、使用するシリンジポンプの指定する方法に従い、必ずプライミング(注入経路のエアー抜き等)を行う。
    9. シリンジポンプと注入ライン先端(投与部位)の落差はできるだけ小さくする[高低差によるサイフォニング現象により、薬液の急速注入が起こることがあり、また、落差と接合部の装着・ロックが不十分であることが重なると注入ライン内へのエアー混入が助長される可能性がある]。
    10. 投与中は注入ラインの破損、接合部の緩み及び薬液漏れ等について定期的に確認する。
  3. 投与後の注意

    1. 開封後の使用は1回限りとし、使用後の残液は容器とともに速やかに廃棄する。
    2. シリンジの再滅菌・再使用はしない。

(操作方法)

(使用方法)

注意:適合するシリンジポンプを使用し、本シリンジが使用可能な設定であることを必ず確認する。

  1. 押子をまっすぐ挿入し、押子接続用部品に軽く突き当てた後、押子を時計回りに回し、しっかりと接続する(カチッという音がしたら、接続完了である)[押子の接続が適切でない場合、“サイフォニング”や“逆流”が起こる恐れがある。また、ガスケットが歪んだり、ガスケットと押子接続用部品の間に隙間があると、エアー混入、液漏れやシリンジポンプの残量警報が発報しない恐れがある]。

  2. シリンジ先端のキャップを、回転させながら外す。

  3. シリンジポンプにセットする前に、十分注意して外筒内のエアーを抜き取る。シリンジ先端部に直接手が触れないよう注意し、注入ラインの接合部をしっかりと装着・ロックする。

  4. シリンジポンプの取扱説明書に従い、スライダーのフックに確実にセットし、投与する[正しくセットされていない場合、“サイフォニング”や“逆流”が起こる恐れがある]。