処方薬
アタラックス-Pドライシロップ2.5%

アタラックス-Pドライシロップ2.5%の添付文書

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効果・効能

1.  蕁麻疹、皮膚疾患に伴うそう痒(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)。
1.  神経症における不安・神経症における緊張・神経症における抑うつ。

用法・用量

皮膚科領域には、ヒドロキシジンパモ酸塩として、通常成人1日85~128mg(ヒドロキシジン塩酸塩として50~75mg)を2~3回に分割経口投与する。

神経症における不安・緊張・抑うつには、ヒドロキシジンパモ酸塩として、通常成人1日128~255mg(ヒドロキシジン塩酸塩として75~150mg)を3~4回に分割経口投与する。

なお、年齢、症状により適宜増減する。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    1. 重大な副作用
  1. 1.1. ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明):蕁麻疹、胸部不快感、喉頭浮腫、呼吸困難、顔面蒼白、血圧低下等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

  2. 1.2. QT延長(頻度不明)、心室頻拍(torsade de pointesを含む)(頻度不明)〔9.1.2、10.2参照〕。

  3. 1.3. 肝機能障害(頻度不明)、黄疸(頻度不明):AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。

  4. 1.4. 急性汎発性発疹性膿疱症(頻度不明)。

    1. その他の副作用
    1. 精神・神経系:(1%以上*)眠気、倦怠感、(1%未満*)めまい、(頻度不明)不安、不随意運動、振戦、痙攣、頭痛、幻覚、興奮、錯乱、不眠、傾眠。
    2. 消化器:(1%未満*)口渇、食欲不振、胃部不快感、嘔気・嘔吐、(頻度不明)便秘。
    3. 循環器:(頻度不明)血圧降下。
    4. 過敏症:(1%未満*)発疹、(頻度不明)紅斑、多形滲出性紅斑、浮腫性紅斑、紅皮症、そう痒、蕁麻疹。
    5. その他:(頻度不明)霧視、尿閉、発熱。

      *)副作用発現頻度が明確となる調査を実施していないため、発現頻度については再評価時における文献を参考に集計した。

使用上の注意

(禁忌)

    1. 本剤の成分、セチリジン、ピペラジン誘導体に対し過敏症、アミノフィリンに対し過敏症、エチレンジアミンに対し過敏症の既往歴のある患者。
    1. ポルフィリン症の患者。
    1. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。

(重要な基本的注意)

    1. 〈効能共通〉眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械類の操作には従事させないよう注意すること。
    1. 〈蕁麻疹、皮膚疾患に伴うそう痒(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)〉本剤投与により皮膚疾患の改善が認められない場合には、本剤による皮膚症状を考慮し、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

  1. 1.1. てんかん等の痙攣性疾患、又はこれらの既往歴のある患者:痙攣閾値を低下させることがある。

  2. 1.2. QT延長のある患者(先天性QT延長症候群等)、著明な徐脈や低カリウム血症等がある患者:QT延長、心室頻拍(torsade de pointesを含む)を起こすことがある〔10.2、11.1.2参照〕。

  3. 1.3. 次記の患者[1)緑内障の患者、2)前立腺肥大等下部尿路に閉塞性疾患のある患者、3)重症筋無力症の患者、4)認知症の患者、5)狭窄性消化性潰瘍又は幽門十二指腸閉塞等消化管運動低下している患者、6)不整脈を発現しやすい状態にある患者]:本剤の抗コリン作用により症状が悪化するおそれがある。

(腎機能障害患者)

腎機能障害患者:中等度又は重度の腎障害のある患者で血中濃度半減期が延長したとの報告がある〔16.6.1参照〕。

(肝機能障害患者)

肝機能障害患者:血中濃度半減期が延長したとの報告がある〔16.6.2参照〕。

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。妊娠初期(約3ヵ月)に本剤を投与された女性が、口蓋裂等の奇形を有する児を出産したとの報告がある。また、妊娠中の投与により、出産後新生児に傾眠、筋緊張低下、離脱症状、錐体外路障害、間代性運動、中枢神経抑制等の精神神経系症状、新生児低酸素症があらわれたとの報告がある〔2.3参照〕。

(授乳婦)

授乳を避けさせること(本剤がヒト母乳中に移行するかどうかは知られていないが、授乳中の新生児に中枢神経抑制、緊張低下があらわれたとの報告がある)。

(高齢者)

減量するなど注意すること(一般に高齢者では生理機能が低下している)〔16.6.3参照〕。

(相互作用)

本剤は、in vitro試験において、主としてCYP3A4/CYP3A5及びアルコール脱水素酵素で代謝されることが報告されているため、CYP3A4/CYP3A5を阻害する薬剤及びアルコール脱水素酵素を阻害する薬剤と併用した場合、本剤の血中濃度が上昇するおそれがある〔16.4.2参照〕。

  1. 2. 併用注意
    1. バルビツール酸誘導体・麻酔剤等の中枢神経抑制剤、アルコール、モノアミン酸化酵素(MAO)阻害剤[相互に作用を増強するおそれがあるので減量するなど慎重に投与すること(両剤ともに中枢神経抑制作用を有するため、併用により作用が増強されるおそれがある)]。
    2. ベタヒスチン、抗コリンエステラーゼ剤(ネオスチグミン臭化物等)[これらの薬剤の作用を減弱させるおそれがある(本剤はこれらの薬剤の作用と拮抗することがある)]。
    3. シメチジン[シメチジンとの併用により、本剤の血中濃度が上昇したとの報告がある(シメチジンは本剤の肝臓での主な代謝酵素であるCYP1A2、CYP2C19、CYP2D6、CYP3A4、CYP3A5を阻害し、本剤の代謝、排泄を遅延させる)]。
    4. 不整脈を引き起こすおそれのある薬剤(シベンゾリンコハク酸塩等)[併用により心室性不整脈等の副作用があらわれたとの報告がある(ともに心血管系の副作用を起こすおそれがある)]。
    5. QT延長を起こすことが知られている薬剤〔9.1.2、11.1.2参照〕[QT延長、心室頻拍(torsade de pointesを含む)を起こすおそれがある(併用によりQT延長作用が増強されるおそれがある)]。

(臨床検査結果に及ぼす影響)

本剤はアレルゲン反応を抑制するため、アレルゲン皮内反応検査又は気道過敏性試験を実施する少なくとも5日前より本剤の投与を中止することが望ましい。

(過量投与)

    1. 症状

    過量投与時、過度の鎮静、また、まれに振戦、痙攣、低血圧、意識レベル低下、嘔気・嘔吐等があらわれることがある。

    1. 処置

    過量投与時、エピネフリンは昇圧作用を逆転させるおそれがあるので投与しないことが望ましい。

(取扱い上の注意)

分包後は遮光して保存すること。

(保管上の注意)

室温保存。