処方薬
ロピニロールOD錠2mg「アメル」
後発

ロピニロールOD錠2mg「アメル」の添付文書

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効果・効能

パーキンソン病。

用法・用量

通常、成人にはロピニロールとして1回0.25mg、1日3回(1日量0.75mg)から始め、1週毎に1日量として0.75mgずつ増量し、4週目に1日量を3mgとする。以後経過観察しながら、必要に応じ、1日量として1.5mgずつ1週間以上の間隔で増量し、維持量(標準1日量3~9mg)を定める。いずれの投与量の場合も1日3回に分け、経口投与する。

なお、年齢、症状により適宜増減するが、ロピニロールとして1日量15mgを超えないこととする。

(用法及び用量に関連する注意)

    1. 本剤の投与は6.用法及び用量に従い少量から始め、消化器症状(悪心、嘔吐等)、血圧等の観察を十分に行い、忍容性をみながら慎重に増量し患者ごとに適切な維持量を定めること。また、本剤投与中止後再投与する場合にも少量から開始することを考慮すること。
    1. 一般に空腹時投与において悪心、嘔吐等の消化器症状が多く発現する可能性があるため、食後投与が望ましい。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    1. 重大な副作用
  1. 1.1. 突発的睡眠(頻度不明)、極度の傾眠(0.3%):前兆のない突発的睡眠、極度の傾眠があらわれることがある〔1.警告の項、8.1参照〕。

  2. 1.2. 幻覚(7.3%)、妄想(3.0%)、興奮(1.4%)、錯乱(1.2%)、譫妄(0.6%):幻覚、妄想、興奮、錯乱、譫妄等の精神症状があらわれることがある〔10.2参照〕。

  3. 1.3. 悪性症候群(頻度不明):本剤の投与後、減量後又は中止後に、高熱、意識障害、高度筋硬直、不随意運動、ショック症状等があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、投与開始初期の場合は中止し、また、継続投与中の用量変更・中止時の場合は一旦もとの投与量に戻した後慎重に漸減し、体冷却、水分補給等の適切な処置を行うこと(なお、投与継続中にも同様の症状があらわれることがある)〔8.3参照〕。

    1. その他の副作用
    1. 過敏症:(5%未満)発疹、血管性浮腫、(頻度不明)そう痒、蕁麻疹。
    2. 精神系:(頻度不明)リビドー亢進、病的賭博、強迫性購買、暴食、攻撃性、躁状態。
    3. 神経系:(5%以上)傾眠(6.2%)、めまい(8.7%)、ジスキネジア(5.5%)、(頻度不明)失神。
    4. 血液障害:(5%未満)起立性低血圧、低血圧。
    5. 胃腸障害:(5%以上)悪心(19.2%)、(5%未満)嘔吐、腹痛、消化不良、便秘。
    6. その他:(5%未満)末梢性浮腫、(頻度不明)*薬剤離脱症候群(*無感情、*不安、*うつ、*疲労感、*発汗、*疼痛等)[*:異常が認められた場合には、投与再開又は減量前の投与量に戻すなど、適切な処置を行うこと〔8.3参照〕]。

使用上の注意

(警告)

前兆のない突発的睡眠及び傾眠等がみられることがあり、また突発的睡眠により自動車事故を起こした例が報告されているので、患者に本剤の突発的睡眠及び傾眠等についてよく説明し、本剤服用中には、自動車の運転、機械の操作、高所作業等危険を伴う作業に従事させないよう注意すること〔8.1、11.1.1参照〕。

(禁忌)

    1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
    1. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。

(重要な基本的注意)

    1. 突発的睡眠により自動車事故を起こした例が報告されていることから、患者には突発的睡眠及び傾眠等についてよく説明し、自動車の運転、機械の操作、高所作業等危険を伴う作業に従事させないよう注意すること。なお、海外において突発的睡眠を起こした症例の中には、傾眠や過度の眠気のような前兆を認めなかった例あるいは投与開始後1年以上経過した後に初めて発現した例も報告されている〔1.警告の項、11.1.1参照〕。
    1. 起立性低血圧がみられることがあるので、本剤の投与は少量から始める、めまい、立ちくらみ、ふらつき等の起立性低血圧の徴候や症状が認められた場合には、減量、休薬又は投与中止等の適切な処置を行うこと。
    1. 本剤の減量、中止が必要な場合は、漸減すること(急激な減量又は中止により、高熱、意識障害、高度筋硬直、不随意運動、ショック症状等の悪性症候群があらわれることがあり、また、ドパミン受容体作動薬の急激な減量又は中止により、薬剤離脱症候群(無感情、不安、うつ、疲労感、発汗、疼痛等の症状を特徴とする)があらわれることがある)〔11.1.3、11.2参照〕。
    1. レボドパ又はドパミン受容体作動薬の投与により、病的賭博(個人的生活の崩壊等の社会的に不利な結果を招くにもかかわらず、持続的にギャンブルを繰り返す状態)、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害が報告されているので、このような症状が発現した場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。また、患者及び家族等に病的賭博(個人的生活の崩壊等の社会的に不利な結果を招くにもかかわらず、持続的にギャンブルを繰り返す状態)、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害の症状について説明すること。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

  1. 1.1. 幻覚、妄想等の精神症状又はそれらの既往のある患者:症状が増悪又は発現しやすくなることがある。

  2. 1.2. 重篤な心疾患又はその既往歴のある患者:本剤は薬理作用から心拍数低下を起こす可能性がある。

  3. 1.3. 低血圧症の患者:症状が悪化することがある。

(腎機能障害患者)

  1. 2.1. 重度腎障害(クレアチニンクリアランス30mL/分未満)のある患者:本剤は主として腎臓で排泄され、また、これらの患者を対象とした臨床試験は実施していない(血液透析を受けている患者に対して、透析による用量調節の必要性はない)。

(肝機能障害患者)

  1. 3.1. 肝障害のある患者:本剤は主として肝臓で代謝され、また、これらの患者を対象とした臨床試験は実施していない。

(妊婦)

妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(動物実験(ラット)で胎仔毒性(胎仔体重減少、胎仔死亡数増加及び胎仔指奇形)が報告されている)〔2.2参照〕。

(授乳婦)

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(臨床試験で本剤投与後に血漿中プロラクチン濃度低下が認められたため、乳汁分泌抑制されるおそれがあり、また、動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている)。

(小児等)

小児等を対象とした臨床試験は実施していない。

(高齢者)

患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(臨床試験において幻覚等の精神症状が多くみられた)。

(相互作用)

本剤は主にCYP1A2により代謝される。

  1. 2. 併用注意
    1. ドパミン拮抗剤(抗精神病薬、メトクロプラミド、スルピリド等)[本剤の作用が減弱することがある(本剤はドパミン作動薬であり、併用により両薬剤の作用が拮抗するおそれがある)]。
    2. CYP1A2阻害作用を有する薬剤(シプロフロキサシン、フルボキサミン等)[シプロフロキサシンとの併用によりCmax及びAUCがそれぞれ約60%及び84%増加したことが報告されているので、本剤投与中にこれらの薬剤を投与開始又は中止する場合は、必要に応じて本剤の用量を調整すること(これらの薬剤のCYP1A2阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある)]。
    3. エストロゲン含有製剤[高用量のエストロゲンを投与した患者で本剤の血中濃度上昇がみられたとの報告があるので、本剤投与中に高用量のエストロゲンを投与開始又は中止する場合は、必要に応じて本剤の用量を調整すること(機序不明)]。
    4. 他の抗パーキンソン剤〔11.1.2参照〕[ジスキネジア、幻覚、錯乱等の副作用が発現しやすくなる可能性があるため、これらの副作用があらわれた場合には減量、休薬又は投与中止等の適切な処置を行うこと(機序不明)]。

(過量投与)

    1. 症状

    過量投与時、ドパミン作用関連症状が発現する。

    1. 処置

    過量投与時、ドパミン拮抗薬(抗精神病薬、メトクロプラミド等)投与により症状が軽減することがある。

(適用上の注意)

    1. 薬剤交付時の注意

    PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。

    1. 服用時の注意
  1. 2.1. 本剤は舌の上にのせて唾液を浸潤させると崩壊するため、水なしで服用可能である(また、水で服用することもできる)。

  2. 2.2. 本剤は寝たままの状態では、水なしで服用させないこと。

(その他の注意)

    1. 非臨床試験に基づく情報

    動物実験(ラット)で1.5~50mg/kg/日の2年間投与により、精巣Leydig細胞の過形成、腺腫の発生頻度が用量依存的に増加したとの報告がある。なお、マウスではがん原性は認められていない。

(取扱い上の注意)

開封後は湿気を避けて保存すること。

(保管上の注意)

室温保存。