処方薬
カシワドール静注

カシワドール静注の添付文書

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効果・効能

症候性神経痛、腰痛症。

用法・用量

通常成人1回20mLを1日1回3分間以上かけて緩徐に静脈内投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

本剤は、鎮痛剤の経口投与が不可能な場合又は急速に症状を改善する必要がある場合のみ使用する。

副作用

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

    1. 重大な副作用
  1. 1.1. ショック(頻度不明):胸内苦悶、血圧低下、顔面蒼白、脈拍異常、呼吸困難等の症状があらわれた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと〔2.1、8.1参照〕。

  2. 1.2. 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、紅皮症(はく脱性皮膚炎)(いずれも頻度不明)。

  3. 1.3. 再生不良性貧血(頻度不明)。

    1. その他の副作用
    1. 過敏症:(頻度不明)発疹、浮腫、鼻炎様症状、結膜炎等。
    2. 血液:(頻度不明)白血球減少、血小板減少、貧血等。
    3. 精神神経系:(頻度不明)耳鳴、難聴、めまい。
    4. 肝臓:(頻度不明)黄疸、AST上昇(GOT上昇)・ALT上昇(GPT上昇)・Al-P上昇。
    5. 腎臓:(頻度不明)腎障害。
    6. 消化器:(頻度不明)胃痛、食欲不振、嘔気、嘔吐、消化管出血。
    7. 注射部位:(頻度不明)血管痛、しびれ感、発赤、そう痒感、腫脹等。

使用上の注意

(禁忌)

    1. 本剤又はサリチル酸系化合物(アスピリン等)、コンドロイチン硫酸に対し過敏症の既往歴のある患者〔8.1、11.1.1参照〕。
    1. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。

(重要な基本的注意)

    1. ショックを起こすことがあるので、経口投与が不可能な場合又は緊急に鎮痛が必要な場合にのみ投与を考慮すること。なお、本剤の使用に際しては、常時直ちに救急処置のとれる準備をしておくことが望ましい〔2.1、11.1.1参照〕。
    1. 投与後少なくとも10分間は患者を安静な状態に保たせ、観察を十分に行うこと。
    1. 長期連用を避けること。

(特定の背景を有する患者に関する注意)

(合併症・既往歴等のある患者)

  1. 1.1. 出血傾向のある患者:血小板機能異常を起こすおそれがある。

  2. 1.2. 消化性潰瘍のある患者:消化性潰瘍を悪化させるおそれがある。

  3. 1.3. 潰瘍性大腸炎の患者:他の非ステロイド性消炎鎮痛剤で症状が悪化したとの報告がある。

  4. 1.4. クローン病の患者:他の非ステロイド性消炎鎮痛剤で症状が悪化したとの報告がある。

  5. 1.5. 消耗性疾患の患者:投与後の患者の状態に十分注意すること(作用が急激にあらわれ、過度の体温下降、虚脱、四肢冷却等があらわれることがある)。

(腎機能障害患者)

  1. 2.1. 腎障害のある患者:腎障害を悪化させるおそれがある。

(肝機能障害患者)

  1. 3.1. 肝障害のある患者:肝障害を悪化させるおそれがある。

(妊婦)

  1. 5.1. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(サリチル酸ナトリウムは動物実験で催奇形作用が報告されている)〔2.2参照〕。

  2. 5.2. サリチル酸系製剤(アスピリン)を妊娠末期のラットに投与した実験で、弱い胎仔動脈管収縮が報告されている〔2.2参照〕。

(授乳婦)

治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。

(小児等)

  1. 7.1. 15歳未満の水痘、15歳未満のインフルエンザの患者に投与しないことを原則とするが、やむを得ず投与する場合には、慎重に投与し、投与後の患者の状態を十分に観察すること(サリチル酸系製剤の使用実態は我が国と異なるものの、米国においてサリチル酸系製剤とライ症候群との関連性を示す疫学調査報告がある)。

    [ライ症候群:小児において極めてまれに水痘、インフルエンザ等のウイルス性疾患の先行後、激しい嘔吐、意識障害、痙攣(急性脳浮腫)と肝臓ほか諸臓器の脂肪沈着、ミトコンドリア変形、AST・ALT・LDH・CKの急激な上昇、高アンモニア血症、低プロトロンビン血症、低血糖等の症状が短期間に発現する高死亡率の病態である]。

  2. 7.2. 高熱を伴う幼児・小児においては、投与後の患者の状態に十分注意すること(作用が急激にあらわれ、過度の体温下降、虚脱、四肢冷却等があらわれることがある)。

(高齢者)

  1. 8.1. 高齢者:副作用の発現に特に注意し、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

  2. 8.2. 高齢者:高熱を伴う高齢者においては、投与後の患者の状態に十分注意すること(作用が急激にあらわれ、過度の体温下降、虚脱、四肢冷却等があらわれることがある)。

(相互作用)

  1. 2. 併用注意
    1. クマリン系抗凝血剤(ワルファリン)[クマリン系抗凝血剤の作用を増強することがあるので、減量するなど慎重に投与すること(サリチル酸製剤(アスピリン等)は血小板凝集抑制作用による出血作用を有する、また、血漿蛋白に結合したクマリン系抗凝血剤と置換し、これらの薬剤を遊離させる)]。
    2. 糖尿病用剤(インスリン製剤、トルブタミド等)[糖尿病用剤の作用を増強することがあるので、減量するなど慎重に投与すること(サリチル酸製剤(アスピリン等)は血漿蛋白に結合した糖尿病用剤と置換し、これらの薬剤を遊離させる)]。

(適用上の注意)

    1. 薬剤投与時の注意

    使用に際しては、患者を横臥させ20mLを3分間以上かけて、できるだけゆっくり静脈内注射すること。

(その他の注意)

    1. 臨床使用に基づく情報

    非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期投与されている女性において、一時的不妊が認められたとの報告がある。

(保管上の注意)

室温保存。