サブリル散分包500mgの添付文書
添付文書PDFファイル
※添付文書のPDFファイルは随時更新しておりますが、常に最新であるとは限りません。予めご了承ください。
効果・効能
点頭てんかん。
用法・用量
通常、生後4週以上の患者には、ビガバトリンとして1日50mg/kgから投与を開始する。患者の症状に応じて、3日以上の間隔をあけて1日投与量として50mg/kgを超えない範囲で漸増するが、1日最大投与量は150mg/kg又は3gのいずれか低い方を超えないこととし、いずれも1日2回に分け、用時溶解して経口投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
本剤の投与開始後2~4週間に治療効果が認められない場合、あるいは最高投与量である150mg/kg/日を投与しても症状の改善が認められない場合には、本剤の投与中止を考慮すること。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
1.1. 視野障害、視力障害(いずれも頻度不明):不可逆的な網膜障害による視野障害、視力障害があらわれることがある。視野の急激な欠損、中心視野欠損に伴う視力障害等が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと〔1.1、1.2、2.2、8.1、9.1.1参照〕。
1.2. 視神経萎縮、視神経炎(いずれも頻度不明)。
1.3. てんかん重積状態(5%未満)、ミオクローヌス発作(頻度不明)。
1.4. 呼吸障害(頻度不明):呼吸停止、呼吸困難、呼吸不全等の呼吸障害があらわれることがある。
1.5. 脳症症状(鎮静、昏迷、錯乱、意識障害等)(いずれも頻度不明)〔8.3参照〕。
1.6. 頭部MRI異常(脳の器質的異常)(頻度不明):頭部MRI検査において、視床MRI異常、基底核MRI異常、脳幹MRI異常、小脳MRI異常等の頭部MRI異常(T2強調画像高信号、拡散強調画像異常信号)があらわれることがあり、死亡に至った報告もある〔8.2、8.4参照〕。
- その他の副作用
- 精神障害:(5%以上)激越、不眠症、(頻度不明)興奮、攻撃性、神経過敏、うつ病、妄想反応、軽躁、躁病、精神病性障害、自殺企図、幻覚。
- 神経系障害:(5%以上)傾眠、(5%未満)浮動性めまい、(頻度不明)会話障害、頭痛、錯感覚、注意力障害、記憶障害、精神的機能障害(思考障害)、振戦、協調運動異常(運動失調)、運動障害(ジストニア、ジスキネジア、筋緊張亢進)。
- 一般・全身障害および投与部位の状態:(頻度不明)疲労、浮腫、易刺激性。
- 代謝および栄養状態:(5%以上)食欲減退。
- 胃腸障害:(頻度不明)悪心、嘔吐、腹痛。
- 眼障害:(頻度不明)霧視、複視、眼振。
- 皮膚および皮下組織障害:(頻度不明)発疹、血管浮腫、蕁麻疹、脱毛症。
- 筋骨格系および結合組織障害:(頻度不明)関節痛。
- 血液およびリンパ系障害:(頻度不明)貧血。
- 臨床検査:(5%以上)ALT減少、(頻度不明)体重増加、AST減少。
使用上の注意
(警告)
- 本剤の投与を受けた約1/3の患者で不可逆的な視野狭窄が起こることが報告されている[外国人の成人及び小児の難治性てんかん患者を対象とした試験において、成人では36.5%(110/301例)、小児では20.0%(17/85例)に1回以上の両側性の求心性視野狭窄がみられた]。本剤の投与は、点頭てんかんの診断治療に精通し本剤の安全性、有効性の十分な知識を有しSRSPに登録された医師・薬剤師がおり、網膜電図検査等の検査に精通した眼科専門医と連携可能な登録医療機関にて登録患者に対してのみ行うこと[サブリル処方登録システム(Sabril Registration System for Prescription:SRSP):定期的な眼科検査を実施し、視野障害、視力障害の早期発見を目的として規定された手順]〔1.2、2.2、8.1、9.1.1、11.1.1参照〕。
- 本剤による視野狭窄の発現頻度は曝露期間の延長、累積投与量の増加に伴い高くなるため、本剤投与開始時及び本剤投与中はSRSPに準拠して定期的に視野検査を含めた眼科検査を実施すること。視野狭窄、あるいは網膜電図検査異常などが認められた場合は、本剤による治療の継続の必要性を慎重に判断し、治療上の有益性が危険性を上回る場合にのみ本剤による治療を継続すること(治療を継続する場合には、より頻回に眼科検査を行い、本剤による治療の継続が適切であるかどうか定期的に判断すること)〔1.1、2.2、8.1、9.1.1、11.1.1参照〕。
- 本剤の投与にあたっては、患者又は代諾者に本剤の有効性及び危険性について文書によって説明し、文書で同意を取得すること。
(禁忌)
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
- SRSPの規定を遵守できない患者〔1.1、1.2、8.1、9.1.1、11.1.1参照〕。
(重要な基本的注意)
- 本剤の投与により不可逆的な視野障害及び不可逆的な視力障害の発現が報告されている(本剤による視野障害は軽度から重度の両側性求心性視野狭窄であり、通常鼻側からあらわれ、ほとんどの場合は耳側視野より鼻側視野が広範に欠損する)。本剤による視野障害は3ヵ月程度で急激に発現又は悪化することがあるため、本剤による視野障害をモニタリングするため、少なくとも3ヵ月に一度は視力検査、対座法による視野評価等を実施して患者の視機能について確認すること。また、網膜電図などによる視野検査を少なくとも投与開始時、投与3ヵ月、9ヵ月及び12ヵ月並びにそれ以降少なくとも6ヵ月ごとに実施すること〔1.1、1.2、2.2、9.1.1、11.1.1参照〕。
- 本剤の投与により視床MRI異常、基底核MRI異常、脳幹MRI異常、小脳MRI異常等の頭部MRI異常(T2強調画像高信号、拡散強調画像異常信号)の発現が報告されており、髄鞘内浮腫が認められているとする報告もあることから、本剤投与開始時及び本剤投与期間中は定期的に頭部MRI検査を実施すること(異常が認められた場合には、関連する神経症状の有無などの患者の状態を慎重に観察し、本剤のベネフィット・リスクを評価した上で、本剤による治療継続の可否を判断すること)〔11.1.6参照〕。
- 本剤の投与により顕著な鎮静、昏迷、錯乱、意識消失等の脳症症状があらわれるとの報告があるため、本剤投与期間中はこれらの症状の発現に注意すること。また、脳症症状が認められた症例の中には、急速な増量を行った患者、腎機能障害患者が含まれていたことから、これらの患者では特に注意すること〔11.1.5参照〕。
- 本剤の投与によりジストニア、ジスキネジア、筋緊張亢進、協調運動障害等の運動障害があらわれることがあり、これらの症状は頭部MRI異常を伴う場合があるため、症状が認められた場合には必要に応じて頭部MRI検査の実施を考慮すること〔11.1.6参照〕。
- 連用中における投与量の急激な減量あるいは投与中止により、発作増悪又は発作重積状態があらわれることがあるので、投与を中止する場合には徐々に減量するなど慎重に行うこと。
- 本剤の投与により眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、代諾者に対し注意を与える(また、患者に対し本剤投与中には危険を伴う機械操作や遊戯などを行わないよう十分に注意を与える)。
(特定の背景を有する患者に関する注意)
(合併症・既往歴等のある患者)
1.1. 黄斑症、網膜症、緑内障又は視神経萎縮の既往又は合併症を有する患者:視野障害のリスクが増大するおそれがある〔1.1、1.2、2.2、8.1、11.1.1参照〕。
1.2. 精神病性障害、うつ病、行動障害の既往歴のある患者:激越、うつ病、異常思考、妄想反応等の精神症状の発現が報告されている。
(腎機能障害患者)
腎機能障害患者では低い用量で反応する可能性があるため、低用量からの投与開始、又は投与間隔の調節を考慮すること(腎機能障害のある乳幼児における用量調節方法に関する情報は得られていない、脳症のリスクが増大するおそれがある)〔16.6.1参照〕。
(妊婦)
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(本剤を妊娠中に服用した患者において、自然流産や先天異常(口蓋裂、心血管欠損症、神経欠損症)を有する新生児が認められたとの報告があり、動物実験において、胎仔に母動物毒性を示す用量で骨化遅延(ラット)及び口蓋裂(ウサギ)が認められ、出生仔に臨床曝露量(AUC)の0.22倍の曝露量で脳空胞化(ラット)が認められている)。
(授乳婦)
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒトにおいて乳汁中に移行することが報告されている)。
(小児等)
低出生体重児及び新生児を対象とした臨床試験は実施していない。
(相互作用)
- 2. 併用注意:
- 網膜症を引き起こすおそれがある薬剤(ヒドロキシクロロキン等)[併用により視野障害のリスクが増大するおそれがある(共に網膜障害を引き起こす可能性があるため)]。
- 緑内障を引き起こすおそれがある薬剤(プレドニゾロン等)[併用により視野障害のリスクが増大するおそれがある(共に視野障害を引き起こす可能性があるため)]。
- フェニトイン、ホスフェニトインナトリウム水和物[本剤と併用した場合にフェニトインの血中濃度が低下する可能性がある(機序不明)]。
(臨床検査結果に及ぼす影響)
- 本剤の投与によりALTについては検査値が30~100%低下するとの報告があり、本剤投与中の患者ではALT及びASTの検査値が影響を受けて低下することがあるので、本剤投与中の患者で肝機能を評価する場合にはALT及びAST以外の肝機能検査項目(LDHなど)も考慮すること。
- 本剤は尿中のアミノ酸量を増加させるため、特定のまれな遺伝性代謝疾患(α-アミノアジピン酸尿症など)の検査結果が偽陽性となる可能性がある。
(過量投与)
- 症状
外国における過量投与の報告として、最も多く報告されている症状は傾眠又は昏睡で、その他として回転性めまい、頭痛、精神病、呼吸抑制又は無呼吸、徐脈、低血圧、激越、易刺激性、錯乱、異常行動、会話障害といった症状が報告されている。
- 処置
本剤の過量投与時の解毒剤は知られていないので、過量投与に対しては未吸収の薬物を排出させる処置を検討すること(活性炭はビガバトリンを大量に吸着できない)、また、血液透析による本剤の除去の有効性は不明である(なお、本剤の治療を受けた腎不全患者における個々の症例報告では、血液透析により本剤の血中濃度が40~60%低下したとの報告がある)。
(適用上の注意)
- 薬剤交付時の注意
本剤は必要量に再分包して交付すること。薬剤を交付する際には、服用の直前に適量の水に溶解した後、速やかに全量を服用するよう指導すること。
(その他の注意)
- 臨床使用に基づく情報
海外で実施された複数の抗てんかん薬における、てんかん、精神疾患等を対象とした199のプラセボ対照比較試験の検討結果において、自殺念慮及び自殺企図の発現のリスクが、抗てんかん薬の服用群でプラセボ群と比較して約2倍高く(抗てんかん薬服用群:0.43%、プラセボ群:0.24%)、抗てんかん薬の服用群では、プラセボ群と比べ1000人あたり1.9人多いと計算された(95%信頼区間:0.6-3.9)。また、てんかん患者のサブグループでは、プラセボ群と比べ1000人あたり2.4人多いと計算されている。
- 非臨床試験に基づく情報
2.1. 脳への影響
マウス、ラット、イヌ及びサルを用いた動物試験では脳空胞化(髄鞘内浮腫)が認められ、ラット及びイヌでは休薬により回復した。幼若動物(ラット及びイヌ)での空胞化は、成熟動物に比べて感受性が高い傾向が認められた。脳に空胞化が認められた用量における曝露量(AUC)は、臨床曝露量と比較して、成熟ラットで0.19倍、成熟イヌで0.29倍、幼若ラットで0.05倍、幼若イヌで0.15倍であった。
2.2. 眼毒性
ラットを用いた毒性試験では網膜変性(視細胞消失、外顆粒層崩壊)が認められ、この変化には光曝露が関与している可能性が示唆されており、回復性は認められなかった。幼若ラットでは、成熟動物に比べて感受性が高い傾向が認められた。網膜変性が認められた用量における曝露量(AUC)は、臨床曝露量と比較して、成熟ラットで0.19倍、幼若ラットで0.14倍であった。
(保管上の注意)
室温保存。