トロンボポエチン受容体作動薬
血小板の増加因子であるトロンボポエチン(TPO)の受容体に作用(受容体を活性化)し血小板増加を促す薬
トロンボポエチン受容体作動薬の解説
トロンボポエチン受容体作動薬の効果と作用機序
トロンボポエチン受容体作動薬の薬理作用
トロンボポエチン(TPO)は、血小板を増加させる因子(物質)であり、主に肝臓で恒常的に産生される。血小板などの血球成分は造血幹細胞から分化することでそれぞれの血球へと成熟していくが、血小板に関してはおおまかに多能性造血幹細胞→骨髄系造血幹細胞→巨核球前駆細胞→巨核球→血小板といった分化過程をたどる。
免疫性血小板減少症(ITP/旧名称:特発性血小板減少性紫斑病)では、血小板の膜にある抗原(タンパク質)に対して自己抗体が発現し、その自己抗体が抗原に結合した後、脾臓などにある網内系細胞によって貪食及び破壊されることで血小板が減少する。また、再生不良性貧血では、変異遺伝子(先天性)や化学物質への曝露(後天性)などによって血小板を含むすべての血球減少(汎血球減少)と骨髄の細胞密度の低下(低形成)が生じる。
本剤はTPOの受容体(トロンボポエチン受容体)に結合し、この受容体を介したシグナル伝達を活性化させる。これにより造血幹細胞から血球成分への分化過程を促進(例えば、巨核球前駆細胞や巨核球の増殖及び分化を促進)し、血小板数を増加させることで、ITPや再生不良性貧血の病態を改善する効果が期待できる。また本剤は、慢性肝疾患(肝機能低下により出血のリスクが高い病態)の患者が手術などの出血を伴う手技をうける際の出血リスク低減目的のための事前投与に対しても有用となる。なお、本剤は薬剤によって使用される疾患(病態)が異なる場合がある。
トロンボポエチン受容体作動薬の主な副作用や注意点
- 消化器症状
- 吐き気、腹痛などがあらわれる場合がある
- 精神神経系症状
- 頭痛、めまいなどがあらわれる場合がある
- 皮膚症状
発疹 、痒みなどがあらわれる場合がある
血栓症 (血栓 塞栓 症)- 頻度は非常に稀とされるが注意は必要
- 手足の
麻痺 や痺れ、しゃべりにくい、胸の痛み、呼吸困難、足の痛みを伴う腫れなどがあらわれた場合は放置せず、医師や薬剤師にただちに連絡するなど適切に対処する
トロンボポエチン受容体作動薬の一般的な商品とその特徴
レボレード
ロミプレート
ムルプレタ
- ルストロンボパグの内服製剤
- 主に肝疾患患者における手術などの出血を伴う手技の実施前に使われる
- 投与方法に関して
・通常、手術などの施行予定日の8-13日前を目安に投与を開始する
・通常、1日1回、7日間服用する