エルゴタミン製剤(片頭痛治療薬)
一度広がった脳の血管を収縮させ、血管周囲の炎症を抑えることで片頭痛などの痛みを和らげる薬
エルゴタミン製剤(片頭痛治療薬)の解説
エルゴタミン製剤(片頭痛治療薬)の効果と作用機序
エルゴタミン製剤(片頭痛治療薬)の薬理作用
片頭痛の原因の一つに、一度収縮した脳の血管が逆に過剰に広がっておこるという考えがある。
過剰な太さに広がった血管は三叉神経という神経に刺激を与え、痛みの原因となる物質が放出され血管の周りに炎症がおきる。この炎症によりさらに血管が広がりますます三叉神経に刺激を与え、この刺激が大脳に伝わり痛みとして認識され頭痛がおきるとされている。
本剤は過剰に広がった脳の血管を収縮させ、血管周囲の炎症を抑えることで片頭痛などによる痛みを和らげる作用をあらわす。血管収縮により血圧を上げる作用を利用して起立性低血圧などに使用される薬剤もある。
エルゴタミン製剤(片頭痛治療薬)の主な副作用や注意点
- 消化器
症状 - 吐き気、食欲不振、下痢、腹痛などがあらわれる場合がある
- 精神神経系症状
- 不安、めまい、不眠などがあらわれる場合がある
- 妊娠中、授乳中の女性へは本剤は使用しない
- 子宮収縮作用及び胎盤などにおける血管収縮作用があらわれる場合がある
- 本剤の成分が母乳中に移行する可能性がある(本剤は
低出生体重児 、新生児、乳児などへの安全性が確立していない)
- トリプタン系薬や他(異なる成分)のエルゴタミン製剤からの変更に関する注意
- 間隔をあけずに服用すると血管収縮作用又は血圧上昇作用が増強される場合がある
- 原則として、それぞれ24時間以上の間隔をあけて使用する
- メチルエルゴメトリンなども本剤と同じ麦角アルカロイドという物質の一つであり、同様に24時間以上の間隔をあけて使用する
エルゴタミン製剤(片頭痛治療薬)の一般的な商品とその特徴
クリアミン
- エルゴタミン、カフェイン、ピリン系鎮痛薬を配合した製剤
- アスピリン喘息の患者は原則として使用してはいけない
- 緊張性頭痛などに使用される場合もある