かいせん
疥癬
疥癬虫(ヒゼンダニ)が皮膚の表面に寄生して生じる感染症
7人の医師がチェック 71回の改訂 最終更新: 2017.12.06

Beta 疥癬のQ&A

    疥癬の種類と特徴について教えてください

    疥癬はヒゼンダニが皮膚に寄生することによって感染します。疥癬には通常疥癬と角質型疥癬の2種類があり、通常疥癬はそれぞれ赤い発疹や疥癬トンネル(ダニの通り道に沿って皮膚が盛り上がる)、角質型疥癬は垢(あか)のような角質が手足や爪、肘や膝に増殖することが特徴です。

    疥癬に感染したときに何に気をつけたらよいでしょうか?

    疥癬の中でも角質型疥癬の場合は寄生しているヒゼンダニが多く感染力が強いため、治るまで外出は控えるようにしましょう。

    一方、通常疥癬の場合は治療を行っていれば保育園への登園や学校への登校は許可されています。プールの水で周りの人にうつるのではないかと心配される方がいますが、治療を行っていればプールに入水することは許可されています。ただし、タオルや水泳帽など肌に身につけるものを介して感染する場合がありますので共有しないようにしましょう。

    家族が疥癬にかかったら何に気をつけたらよいですか?

    通常疥癬の場合に家族の方が気をつける点は以下のとおりです。

    • 感染している方に接する場合は前後で手洗いを丁寧にするようにする

    • 長時間の接触は避ける

    • 感染している方と同じ寝具で寝ないようにする

    • タオルや帽子など肌に触れるものを共有しないようにする

    また、角化型疥癬では感染力が非常に高く、集団感染することがあるため、感染対策は十分に行う必要があります。通常疥癬の項目に加えて以下の点に気をつける必要があります。

    • 患者さんと接するときには予防着や手袋を着用するようにする

    • 靴とスリッパを履き替えるようにする

    • 靴の底についたゴミなどにヒゼンダニが付着している可能性があるため感染した方の部屋から持ち出さないようにする

    • 感染した方の洗濯物は、お湯(50℃以上)に10分間以上浸した後に洗濯するようにする

    • 患者さんの部屋はしっかりと掃除して殺虫剤を巻くようにする

    疥癬の治療法について教えて下さい。

    通常疥癬の治療には基本的にフェノトリン(スミンスリンローション®)もしくはイベルメクチン内服(スクロメクトール錠®)のどちらかを使用します。疥癬の中でも角化型疥癬の場合は併用することがあります。もし皮膚の痒みが強い場合は抗ヒスタミン薬の塗り薬を合わせて使用することもできます。

    それぞれのスミスリンローション®とストロメクトール錠®の使用方法については以下のとおりです。

    ◎スミスリンローション®(塗り薬)

    • 1週間の間隔をあけて2回外用する

    • 首より下の全身にまんべんなく塗る(指の間や脇の下、陰部も塗る)

    • 乳幼児と高齢者の場合は顔や頭も含めて全身に塗るようにする

    • 塗ってから12時間以上経過してからお風呂に入るようにする

    ◎ストロメクトール錠®(飲み薬)

    • 空腹時に飲む

    • 飲んで1週間経過したのち、効果が乏しい場合は再度服用する

    集団感染を防ぐためにも適切な検査と治療が必要です。また特に子どもや高齢者、妊婦、授乳中の方は薬の副作用があらわれるリスクが他の人に比べて高いと言われているので特に注意が必要です。もし症状が現れたら寝具やタオルなどを共用しないようにしましょう。

    適切に薬を用いないと副作用が出現リスクが上がってしまいます。薬の副作用があらわれないようにするためにも使用方法や薬を止める時期については担当医の指示に従うようにしましょう。