あくせいせんいせいそしききゅうしゅ
悪性線維性組織球腫
脂肪、骨、筋肉にできる悪性腫瘍(がん)
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最終更新: 2022.03.11
悪性線維性組織球腫の基礎知識
POINT 悪性線維性組織球腫とは
脂肪や骨、筋肉などにできる悪性腫瘍です。しこりとして自覚されることがありますが、症状がほとんどないことも多いです。診断のために、画像検査や病理検査が行われることが多いです。転移がない場合は手術が行われますが、転移している場合は放射線治療や抗がん剤治療が行われます。手術で腫瘍を取りきることができれば、経過はよいとされています。悪性線維組織球症はできた場所によって診療科が異なります。手や足にできた場合は整形外科、後腹膜(腹部に存在する腎臓と大血管が収まるスペース)にできた場合は泌尿器科、胃や腸にできた場合は消化器外科です。
悪性線維性組織球腫について
- 英語名:Malignant fibrous histiocytoma(MFH)
- 脂肪、骨、筋肉にできる
悪性腫瘍 (がん ) - 女性よりも男性に多い病気
- 男:女=2:1
- 50〜70歳に多い
- 約5%の患者は、病気が見つかった時点ですでにほかの臓器に
腫瘍 が転移 してしまっている- 肺に転移することが多い
悪性線維性組織球腫の症状
症状 はないことが多い- 腫瘤(こぶ)ができる
- 腫瘤が相当大きくない限り、運動障害や痛みは起こらない
悪性線維性組織球腫の検査・診断
生検 :腫瘤に針を刺して組織を採取しがん 細胞の有無を調べる- 画像検査:
腫瘍 の大きさや位置を調べるCT 検査MRI 検査
悪性線維性組織球腫の治療法
腫瘍 の進行具合に応じて治療法を選択する- 腫瘍の重症度I~III(初期~中期)までの治療
- 手術
- 腫瘍摘出術
- 形成手術
放射線療法 化学療法 (抗がん剤 )- リハビリテーション
- 手術
- 腫瘍の重症度IV(末期)の治療
- 手術
- 腫瘍摘出術
- 放射線療法
- 化学療法(抗がん剤)
- 緩和ケア:痛み止めなどを用いて楽に日常を過ごせるようにする
- 手術
転移 がなく、悪性度 が低く、発症 年齢が60歳未満などをすべて満たした場合は、予後 は比較的良好であると言われている